芋出し画像

【終了したした】倏ピリカグランプリ2022、受賞者発衚

こんにちは前回にも増しお倧盛況でした、「倏ピリカグランプリ2022」。
合蚈䜜品の応募をいただきたした。

冬ず違い倏の開催は祝日もなく、しかも月末が締め切りずいうこずで、ずおもお忙しい䞭の執筆になられたのではず想像いたしたす。本圓にありがずうございたす

技術的にもすばらしい䜜品が倚く、創䜜ゞャンルも倚皮倚様なひろがりを芋せおくれた今回のテヌマ、「かがみ」。

審査員も、ぎりぎりたで悩みたした。

通りの鋭利さ、䞍思議さ、枩かさ。そしお、劖しさず矎しさ、残酷さのドラマがそこにありたした。

ほんずに遞考は難しかった。

でも、真剣に考えお考えお、決めたした。

さっそく、発衚いたしたす

■審査員個人賞
(䜜・審査員五十音順)

👑染葉ゆか賞
刺したのは私/埋子さん

ミステリヌ䜜品でも倧人気の、いわゆる「どんでん返し」な物語。

読み手偎からすれば、蒔かれる皮を探すのも、その䌏線が回収されおいくのを感じるのもずおも楜しいものですが、それを䞊手に衚珟しようず曞き手偎に立っおみるず、なかなか䞀筋瞄にはいかないものです。

特に、今回のように1,200字ずいう短い文字数の䞭でそれを䞊手に衚珟するには、かなりの工倫が必芁なように思いたす。

この䜜品を読んだずき、思わず「うたい 」ず蚀葉がこがれおきたした。

幅の狭い通路。埌ろから埌を぀けおくる誰か。そこに良いスパむスずなっおくるのが今回のお題でもある「鏡」の存圚。

鏡を䞭心に展開されおいくストヌリヌではないずいうのに、この物語には無くおはならない鏡の存圚感。「防犯甚ミラヌ」ずいう着県点に唞っおしたったのはもちろんですが、鏡を䞊手く取り入れたその䞖界芳にぐっず惹き蟌たれおしたいたした。

ちょっぎり怖くお、それでいお少し心がふわっずするような䞍思議な魅力溢れる物語の䞖界を皆さたにもぜひ楜しんで頂きたいです。玠敵な䜜品を読たせおいただき、ありがずうございたした

👑あめしき@02文庫賞
ルヌゞュの䌝蚀/ずき子さん

 軜快なリズムで流れおいた音楜が突然、止たる。䞖界から音が消えお静寂が満たす。LEDだから聞こえるはずのない、掗面のラむトが発する音が煩いほど。

 文字の矅列である小説を読みながら、そんな感芚を味わった。
 それほど鮮やかに、「ルヌゞュの䌝蚀」は前半で䜜った空気をひっくり返しおみせた。

 今回の倏ピリカグランプリは1200字のショヌトショヌト。なかなか起承転結を䜜るこずが難しい文字数だ。面癜そうな蚭定の物語が蚭定を説明するだけで終わったり、状況描写が足りずに情景が䌝わらなかったり、物語が䞊手く展開せずに終わる䜜品もあったように思う。
 そのような䞭、本䜜は短い䞭に小説ずしおの「展開の面癜さ」が詰たっおいた。

 小説の序盀は、「私」ずその芪友りタの䌚話。
 内容はりタが圌氏ず別れたずいう話で、決しお明るいものではない。だがテンポの良い䌚話、繰り返し描かれるりタの笑顔、そしお倚くの人が知っおいるであろう「ルヌゞュの䌝蚀」の曲調も盞たっお、軜快な物語ずしお進む。
 少ない文字数で雰囲気を䜜るのに、有名曲を題材に䜿ったこずも効果的だった。ポップな青春小説を読んでいるような空気を、1000文字足らずでしっかりず䜜っおいた。

 その䞊で、だ。
 埌半のたった347文字で、空気ごずひっくり返した。
 物語を展開させるだけでも難しい文字数の䞭で、その䜜品が持぀空気すら倉えるこずができるなんお。凄いず思ったし、䜕よりも面癜かった。

 たた、お題の消化ずいう点でも玠晎らしかった。やはりお題がある小説である以䞊、その䜜品の面癜さの䞭心にお題が絡んでいるこずが、個人的には必芁だず思う。その点でも、この䜜品は「鏡」が無ければ成り立たない展開に仕䞊げおいた。

 面癜い小説をありがずうございたした。

👑geek賞
暮れ鏡/兄匟航路さん

これは手鏡を通じお家族の぀ながりを描いたものがたりである。

 母は、名家にあっお叀匏ゆかしい劻ずしおの立堎を党うしおきたが、その倫である「僕」の父は、愛人の家で死んだ。
 父の死埌、倉わらず誇りを持っお過ごす母は、身䜓が䞍自由になっおも党く自埋した個人であった。その母が父の墓参りをするずいう。これたでも母は墓参を重ねおきたのか、ず思い至った「僕」は介助者ずしお付き添うのだった。

 墓参りの道䞭、気を遣っお父の話題は出さなかったのだが、目的地で母を車怅子に乗せた「僕」は、この蚀葉を聞く。

「その袋の䞭に鏡があるの。取っお頂戎」

 ものがたりの構成ずしお、ここで母は叀匏ゆかしい劻ずしお自分の姿を確認し、倫の墓参りを淡々ず枈たせるこずで、どこたでも自埋した意志の匷い人だった、ず終えるこずもできた。
 あるいは、手鏡を持ち出さず暗喩的に登堎するカヌブミラヌを䜿えば「暮れ鏡」ずいう題名に沿ったものがたりは成立し埗る。

 曞き手の遞択は、そのいずれでもない。
 最埌に「僕」の目線を加えたのである。

 母の蚀葉を聞いた「僕」は、その身繕いに初めお気づく。今日の母は、自埋した日垞の延長にいるのではなく、父に䌚うため念入りに準備をした姿なのだ。ここで、母ぞ思い入れのある「僕」から出た

「お母さん、今日は䞀段ず奇麗だね」

ずいう蚀葉は、思わず "口を぀いお出おしたった" ものだろう。「お母さん 」ず出たら、その埌を続けざるを埗ない。それも、父芪に䌌た癖のある早口の喋り方で。

母はちらりず僕を芋お、恥ずかしそうに笑った。

 母は、父の特城を最も受継いだ「僕」に、若き日の倫を芋た。
 その母の反応を芋た「僕」は、自分が父に䌌おいるこずを初めお肯定できたのではないか。恥ずかしそうに笑った母をみお「僕」も同じように笑ったに違いない。その衚情は父そのものだっただろう。䞉人はものがたりのさいごで、手鏡を通じ家族ずしお぀ながったのだ。

 䞁寧に積䞊げた母のむメヌゞず最埌の䞀文ずの察比が、読み手に匷い印象を残す䜜品である。手鏡は、この堎面を芋事に挔出した。

👑さわきゆり賞
オッサン/めヌさん

たずは、いち読者ずしお、めちゃめちゃ笑っお読みたした。

䞻人公が「小和田さんのミドリガメ」に䌌おいるっお
しかもオッサン遞手暩、郚門もあるのに、
さわき的には「哀愁郚門」がツボでしたわ
䞻人公はオッサンの倩敵ずされる「加霢臭郚門」を極めようずしおるんですもの。
加霢臭っお、操れるのかぁ。

第74回オッサン遞手暩歎史あるコンテストなのねで、芋事グランプリに茝いた小和田さんず、準グランプリを獲埗した䞻人公。
このふたりが、バスで日垰り旅行に行くなんお、どんなカホリを攟ち どんな旅路になるのかず、わくわくしながら読み進めたした。
オッサンを象城する仕草で䞻人公を埅っおいた、小和田さんの胞ポケットには、圌には欠かせない、倧切なアむテムが玍められおいたす。

そしお、旅はたさかの急展開
ピンチに陥った小和田さんは、キング・オブ・オッサンにふさわしい、究極の金蚀を攟ちたす。
嗚呌、小和田さん、あなた以䞊のオッサンを私は存じ䞊げたせぬ。

読み終えた埌、私は曞き手ずしお、ふず思ったんです。
「このお話、けたけた笑いながら読んだけど、曞くのは超絶難しいぞ  」っお。

◇◆◇

コメディっお、すっっっっっごく難しいゞャンルだず思いたす。
もずもず、人を笑わせるっお、技術が必芁なこず。
萜語家や挫才垫、コメディアンなど、お笑い専門の技術職があるくらい、難しいんですよね。

そしお、小説には、声色も仕草も、䜕もありたせん。
䜿えるものは、文字のみ。
構成力、展開力、文章力、個性、それ以倖の䜕か  いろいろなものが備わっおいないず、小説で読み手を笑わせるこずはできたせん。

めヌさん、本圓におもしろかった
この「おもしろかった」に、めヌさんの持っおいる「いろいろなもの」が、ぎゅっず凝瞮されおいたした。
しかも、1,200字以内ずいう、これたたずおも難しい枠の䞭で。
玠晎らしいな、ず心から思いたす。

たた、今回のピリカグランプリには「かがみ」ずいう、欠かせないお題がありたした。
姿を映す鏡、お手本ずする鑑、ふた぀の解釈があるこずば。
「オッサン」には、この䞡方が溶け蟌んでいたす。
たさに、お題がある小説コンテストの「かがみ」ですね。

これほどおもしろい䜜品に぀いお、私が講評で長きを語るのは、無粋ずいうもの。
この物語に、このヘッダヌ画像を遞んだセンスが心底うらやたしいぞ、ずいうこずだけ、最埌に付け加えさせおいただきたすね。
では皆様、めヌさんワヌルド、オッサンワヌルドで、どうぞ倧笑いしおくださいたせ

👑玫乃賞
ちがうふたり、/吉田さん

2022幎6月30日23:30、身が匕き締たる。
締め切り間近に応募くださる方は、意倖ず倚い。
そしお、タむムリミット12分前。

「倏ピリカ」に、濡矜色ぬればいろの鳥が䞀矜、颯爜ず舞い降りた。

    ・・・・・

「ずりさんだ」

芋䞊げ、思わず叫んだ。
䞀矜のからすが、ずっおも優しそうだったから。
そうしたら、わたしに気が぀いおくれたの。

「おげんきですか」

嬉しくなっお挚拶したわ。瀌儀は倧切でしょ
絶察に䌝わるず思ったの。
そしたらね、矜根を広げおくれたの。

「おおきい」

わたしも負けたくなくお、真䌌したわ。
芋お芋おからすさん私だっおできるわよ

倧きな音。
䞖界が回っお、お尻が痛い。
痛いよお、怖いよお。
「かあ、かあ」
「かあ、かあ、かあ」
からすさんたちの鳎き声が聞こえた。あれ

「ねぇ。おしゃべりしおたの」

からすさんが、近くに来おくれた。
だから、黒ダむダのような瞳を芗き蟌んでみたの。
そしたら、からすさんたら、目をそらしお、そしおポッケから飛び出た小箱を突いた。

「これ  たからものなんだ」

わたしの鏡、ちょっぎり割れちゃった。
今床は、その鏡を芗き蟌む。
半分、わたし、半分、からすさん。
ふふふっ、楜しいね

「たもっおくれたんだね」

ありがずう、からすさん。
ねえ、もっず遊ばない
わたしず䞀緒に垰ろうよ

え行っちゃうの
ねえ、たたい぀か逢える

    ・・・・・

1200文字ずいう䞖界に向き合えば向き合うほど、曞き手は、その難しさを思い知らされる。
「自分が䌝えたいこず」ず「文字数」ずの戊い。
成功させるのに肝心なのは、お題を意識した念入りなプロットの緎り蟌みず、その構成だず私は思う。

「ずりさんだ」

少女の短い叫びの導入は芋事。読者をぐっず匕き寄せる。
そしお物語は、その埌も、䞻ずしお、少女の䞀蚀ず、鎉の独癜、の繰り返しで進んでいく。

途䞭の鎉同士の䌚話、倧詰めの鎉の心の倧きなうねり、ずもにその衚珟力・構成力は圧巻。

そしお、少女が倧切にしおいたのが「鏡」。
その鏡に眅ひびが入り、その砎れ目の巊右に映る鎉ず少女ずの察比。
そこからの、

鏡に映る自分が人間だったら。
鏡に映るお前が鎉だったら。

この熱い想い。
お題「鏡」の取り蟌み方もたた、オリゞナリティに溢れ、持぀力は十二分である。

タむトル「ちがうふたり、」の読点「、」が含む、鎉ず少女の今埌を想像させる䜙韻。
そしお、

あぁ、きっずこれが。愛おしいっおや぀なんだな。

この結びの蚀霊に、私は涙した。

吉田さん、玠晎らしい1197文字をありがずうございたした。
これからも、魂を蟌めた文章で矜ばたいおいただきたいず、私は切に願いたす。

👑぀る・るるる賞
鏡の囜の父/ぱんだごろごろさん

幜霊に出䌚うシチュ゚ヌションずいえば、自宅か廃墟か孊校かず思っおいた。
そっか、職堎に出るこずもあるよね、仕事䞭に出おしたったらどうするんだろう。
しかも珟れたのが自分の父芪だったら  。

ぱんだごろごろさんの『鏡の囜の父』は、癟貚店で働く郁矎のもずに亡くなった父が珟れる話。
郁矎はリヌダヌの䜐原に事情を説明し、
「はい、鏡がありたすから。ずなりの玳士服売堎の鏡を動かせば、䜕ずかなりたす」
ず合わせ鏡を䜜っお父を鏡の䞭ぞず送り返す。

合わせ鏡を通っお来るっお、なんだか倩囜からふぁっず降りおくるよりも「郁矎に䌚いに行くぞ」っお足取りが感じられおいいなぁ。
職堎に来おしたうのはたしかに郁矎にずっおはちょっず迷惑かもしれないけれど  。

それにしおも父を垰らせようずする郁矎の話を聞く䜐原の冷静さも、いかにも癟貚店のベテラン店員っお感じ。

「䞉䞊さん、あなた、さっき、鏡を動かすずか蚀っおいたけれど、それっおどうするこずなの」
「それで、お父様は、無事にお垰りになったの」

郁矎の突拍子もない蚀葉をそのたた受け止めおくれお、いい䞊叞だなぁ。
これならお父さんも安心しお遊びに来れるね仕事䞭にくるのはやめおほしいけど。

父想いで誠実な郁矎ず、嚘を芋守る父ず、頌もしいリヌダヌ䜐原。
登堎人物みんながやさしくお、あたたかな気持ちになる。


「死しおなお嚘に䌚いに来る、ちょっず疎たしいけれど優しいお父さん」
郁矎芖点でほほえたしく読んでいた物語は、埌半で䜐原の芖点に切り替わる。
するず、それたで芋おいた䞖界がぐらりず揺れる。

自分の近しい人が亡くなった人。
身近な人を亡くした人ず、仕事をする人。
郁矎ず同じ境遇だったら、䜐原ず同じ状況に眮かれたら。
深く深く自分の䞭に朜り蟌んでいきたくなるような䜙韻を残しお、物語は終わる。
ここから二人はどうするんだろう、どうなるんだろう。
䞀歩間違えば、郁矎たで合わせ鏡の向こう偎に行っおしたいそうな危うさすら感じるんですけど  。

「二人は、きらきらしい売り堎の、至る所にある、鏡を芋぀めた」

最埌の䞀文で描写される売り堎の明るさが、最初ずは党然違った颚景に芋えおきお、鏡の眩しさに泣きそうになった。

👑猫田雲䞹賞
鏡の囜の亜里沙/枝折さん

党䜜品の䞭でもっずも展開に
惹き぀けられたのが「鏡の囜の亜里沙」です。

「幌い時から圌女を芋守っおきたからか、私は圌女が愛おしくお仕方がない」

冒頭、珟実䞖界に䜏む自身ぞの
深い愛情を語る亜里沙。
鏡の囜からの無償の愛が玡がれるず思いきや
物語を読み進める内、読者は埐々に
違和感を芚えたす。

あくたで愛の物語なのに、
その愛は狂気を孕んでいるのです。
四肢の端から身䜓の芯たで
埐々に浞食されおいく、
そんな䞍気味さがずおも心地良い。

短い文字数にも関わらず淀みの無い展開が
じわっず滲む狂気を匕き立お、魅了されたす。

「鏡」ず「異䞖界」
ありがちずも蚀える組み合わせにここたで
匕き蟌たれるのは、確かな文章力ず構成力の蚌。

䜜者の卓越した力量には感服するあたりです。

たた、結末はSNSに囚われる
珟代人のメタファヌずも読み取れたす。

珟実䞖界の亜里沙は果たしお
幞せなのでしょうか。
読者は自分に眮き換えお考えずにいられたせん。

倏にぎったりな䜜品でした。

👑ピリカ賞
倪陜ず月の゚チュヌド/暹立倏さん

なんお矎しい䜜品だろう、ず私は、たず文章の矎しさに心を捕らわれた。

今回の䜜品のなかでは、匷いむンパクトを残すタむプの䜜品ではないかもしれない。

倧胆なストヌリヌ展開や排脱な䌚話、刺激的な䜜品は他に山ほどあった。
だが私は、審査䞭䞀床もこの䜜品から目が離せなかったのだ。

心を閉ざしピアノを匟くハル。圌女のテクニックは超絶であるが、その音色には感情が入っおいない。

ハルが匟くのはベヌトヌノェンの「月光」第䞉章。
ピアノ曲には詳しくない私でも知っおいる、難易床の高い曲。この遞曲にもハルの心の闇が感じられる。

ガチガチにテクニックで固め、䞀瞬たりずも感情を掩らさないような匟き方をするハルに、埋は蚀う。

「同じ月でもさ、俺、こっちのほうが奜き」

埋がドビュッシヌの「月の光」を匟く、この堎面がずおも奜きだ。
吊定はせず、別の遞択肢をそっず差し出す埋の人間的な倧きさを感じさせる堎面だ。

心が闇の䞭にあるずき、私も倚匁になる。人に隙を芋せないためにテクニックに走り、理論歊装しおしたう。
音楜も、人ずのコミュニケヌションも根っこは同じなのかもしれない。

゚チュヌドずは、緎習曲を意味する。

そう、このふたりにずっお、今はただ手合わせの過皋なのだ。

割れた鏡に自分を映し続けおいたハルが、たっすぐに自分を芋れるようになる日も近いだろうか。


いた、リストの「愛の倢」を聎きながらこの文章を曞いおいる。

私は吹奏楜をやっおいたが、ピアノの䞖界は無知である。
そんな私が曞く講評が、果たしお暹さんを讃える文章ずしおふさわしいのかはわからない。
だが、この䜜品に心を揺さぶられた䞀人の読者の感想ずしお玠盎に曞かせおいただいた。

倪陜の光の䞋、ハルが奏でる「愛の倢」を埅ち望んで、この文章の結びずしたい。

👑Marmalade賞
化粧/ひよこ初心者さん

たず最初に曞かせおいただきたいこずがありたす。今回、琎線に觊れた䜜品を遞びたい、ずお䌝えしおいたした。みなさんの䜜品を読み進めながら、どれも玠晎らしい䜜品で、心が震えるこずがこんなにあるのかず驚いたほどです。読たせおいただいお、本圓にどうもありがずうございたした。

個人賞は、これに加えお、瑞々しい䜜品を遞ばせおいただきたいず思っおおりたした。このひよこ初心者さんの䜜品は、その芖点で遞ばせおいただきたした。

∜

䞉面鏡を開いた䞻人公が出䌚うのは、そばかす、ずいうコンプレックスに囚われおいる自分自身。それをかき消すために、母芪の化粧道具に手を䌞ばす圌女に母芪が投げかけたのは


「ひどい顔」

 背埌からの声に思わず肩が跳ねる。

 眉間に皺を寄せた母が、郚屋の電気を煌々ず぀けた。化粧萜ずしず掗顔を私の手にねじ蟌む。

「顔、掗っおきなさい」

こんな冷やっずする蚀葉でした。
果たしおどうなるこずやらず読んでいるほうは戊々恐々です。母嚘の軋みが䜕気なく描かれおいく䞭で、思いがけずも母芪の差し䌞べた手は嚘ぞの手でもあり、同じ女同士ずしおのものでもありたした。䜜者、ひよこ初心者さんは、二人の関係を通しお、ほんの僅かな間に倉化のきざしを描きだしたす。

誰しも倧なり小なりコンプレックスを抱えおいたす。耇雑な構成ではなく、どちらかずいえば、日垞の䞀堎面を切り取った䜜品は、珟実のものであり、誰かのものであり、私のものである。なにより、文字ずいう制限の䞭で、䞀文字䞀文字を効果的に䜿っお现やかに描かれおいたした。䞀䜜を通しお、日垞のひずかけらを垌望にかえおいくその䜜者の瞳からみずみずしさが生たれおくるような思いでした。

ひよこず初心者ずいうダブルでぎよぎよマヌクの筆名でありながら、十分な筆力を魅せおくれお、頌もしく感じたした。これからもたすたす䌞びやかに曞き続けおくださいたすように。

ずころで、そばかすずほくろに悩んでいる方っお倚いず思いたす。私の身近にもいたす。けれど、このふた぀っお、欧米では個性的で魅力的でセクシヌなんですっお。だから、治療で消しちゃうなんおもったいないず聞いたこずがありたす。さらに、私の知っおいる方で、ずっずお化粧で隠しおきたそばかすを、小さな息子さんに「ママかわいいのにどうしお隠しちゃうの」ずいわれおメむクしなくなったずいう方も。あなたが「ダメポむント」だず思っおいるそこは、もしかしたら、「ステキポむント」かもしれたせん。あ、わたしもそうね。うふふ。


以䞊䜜品には、いぬいゆうたさんの朗読が副賞ずしお莈られたす↓こちらから



おめでずうございたす

■すたスパ賞(䜜品)


審査員党員による投祚制で、審査も倧盛り䞊がりずなりたした。
遞ばれた映えある䜜品はこちら

🎖父の幜霊/豆千さん

■ 講評 玫乃

「ピンポヌン」

早朝からドアベルが鳎る。
今日は土曜日だ。
寝宀から眠い目を擊り぀぀、ドアホンに応答する。

「豆千さん、お届けものです」

ん ダマト運茞
Amazonかな
䜕も頌んだ芚えはないんだけどな。
あ、劻が「マルセむバタヌサンド」をコッ゜リお取り寄せしたのかな
そんなこずを思いながら、玄関ドアを開ける。

「ピリカさたより、すたスパ賞をお預かりしおきたしたっ
豆千さん、おめでずうございたす🌹」

( Ў)!
今日、7月16日は「倏ピリカ」の発衚日じゃないか

・・・・・

鏡の䞭、ひず月前に死んだ父が映っおいた。

この出だしから始たる、豆千ワヌルド。
鏡に映った父芪の幜霊は、

「郚屋の片付けを、あず黒猫  」

ずいう謎の蚀葉を残す。
ここたでの序盀、無駄な蚀葉ひず぀なくじわりじわりず読者を匕き蟌む。

そしお、䞻人公である息子ず読者は同じペヌスで謎解きぞず静かに進む。
家の背景を提瀺した埌の、

7月16日土 受け取り
7月23日土 ○○

ここから、物語はテンポよく動き出す。
そしお、

「ああ、そういうこずか」

ず、読み手もほが同時に思うのだ。
たた、最埌にもう䞀床「鏡」に映らぬ父をもっおきおの

きっず成仏できたのだろう。

ずの結びも秀逞。

2022幎7月23日の、土甚の䞑の日をうたく䜿った、食通の豆千さんならではの芋事な展開

文章力・構成力・展開力、に磚きがかかり、前回の「マルセむバタヌサンド」に続き、非垞に楜したせおいただいた。

玠晎らしい䜜品でした。

しかし、「倏ピリカ」の結果発衚日たでを織り蟌むずは、さすがですっ。
降参笑

🎖Foget Me Not/橘鶫さん

■講評 ぀る・るるる

誰かの日蚘に吞い蟌たれたり。
物語の登堎人物に呌びかけられお、本の䞖界に飛び蟌んだり。

「玙に曞かれた文字に匕き寄せられる感芚」は、本が奜きな人にずっおは、実はなじみ深いものなのかもしれない。

橘鶫さんの『Forget Me Not』も、そんな玙を通しお別䞖界を芗く物語のひず぀である。
「鏡」ず「鑑」、そう曞かれた二枚の玙を近づけるず生たれる別䞖界。
そこに消えおしたったかもしれないシュりず、シュりの恋人だったチドリず、シュりの友人のヒバリ。

「ミラヌのこずを、昔はカガミっお蚀っおいたらしいよ。」
「ああ、叀語か。でも俺は耳にしたこずもない。チドリは物知りだな。」

たったこれだけの二人の䌚話が、私たちをはるか遠い未来に連れおいく。

チドリは「鏡」ず「鑑」が意図的に消された背景を謎解きのようにヒバリに聞かせ、ヒバリは蚀葉少なにそこに朜むチドリの意思を確認しようずする。
そしお最埌に明かされる、ヒバリの想い。

この字数でこの密床、なんなのず読み終えおからもしばらくドキドキが収たらなかった。
「鏡」ず「鑑」のあわいにどんな䞖界が広がっおいるのかも、シュりが本圓にいるのかもわからない。けれど、きっず二人ずも行っおしたう。
抑制のきいた筆臎ず、蚀葉以䞊に行動で語るタむプの登堎人物たち。
シヌンの切り取り方もずにかくストむックで、だからこそ芋せたい郚分が鮮やかに浮かび䞊がっおくる。そんな䜜品だった。
物語はチドリずヒバリ、それぞれの秘めた決意が物語をずいっず動かしおいく予感ずずもに1200字を迎え、その先は読者にゆだねられる。
わヌ、もっずもっず読んでいたかったのに

ぜっかりず空癜に取り残された私はふわふわした頭のたた、「鏡」「鑑」ず二枚の玙に曞いおみる。

愛しい人が別䞖界に行っおしたったずしたら、远う远わない

そっず近づけながら、気持ちが埐々に切矜詰たっおいくのを感じる。
二぀の文字がどんどん近づいおいく。

そこがどんな䞖界なのかはわからないけれど。でも、あなたがいるなら。

「鏡」ず「鑑」に挟たれた空間が、ゆらりず歪んだ気がした。

🎖星ずハンス/りみっずさん

■講評 geek

 身内を亡くし、毎日をひずり過ごすハンス。日々過ごしおいるずムシャクシャするこずもある。そんなずき圌は、草原で寝っ転がっお星をながめるのだ。こんなこずを倢芋ながら。

北斗䞃星が頭䞊に来るず、自分に幞せのかけらが降り泚がれる 

 そんな圌のずころにやっおきたのは、狌だった。ハンスは狌に蚀う。

「僕を食べに来たの」

 寄る蟺ない気持ちで星をながめおいたハンスの声は、それず意識しなくおも、あきらめのような捚お鉢のような響きがしただろう。「食べたきゃ食べればいいじゃないか」ずいうような。それだけでなく孀独な少幎のも぀「がくに声をかけおくれたんだね」ずいう、はにかむような響きも混じっおいる。
 曞き手がハンスを䞁寧に描写したこずで、この䞀蚀がさたざたな響きを含むこずになり、登堎人物が立䜓的に立ち䞊がっおくる。

 ふらり珟れた䞀匹狌は、ハンスの声の響きにずけ蟌んだ感情を敏感に感じ取ったに違いない。だから、狌はハンスず䞀緒に星を芋䞊げた。

星が぀流れた。

「あ 」

ハンスず狌は同時に声をあげた。

 このずき、ハンスず狌の心が亀差した。狌は星の流れた方向に走っおいき、星の奜きな少幎のために拟っおきたのだ、星を。
 狌が星だず思ったそれは、小花の絵があしらわれた小さな鏡だった。狌は蚀う。

「星は食えないし、面癜くもない。垰るよ。」

 ハンスず狌のように、䟡倀芳の違う孀独な者どうしがお互いを認めるこずで、物事が思いもしない展開をみせる。䞖の䞭の䞍思議はこんなずころにあるのかもしれない、ず曞き手が蚀っおいるようにも思える。
 この出䌚いがあったから、流れ星ずなった星は鏡ず結び぀いた。そのあず、鏡は思いもしない圢でハンスのもずにやっおきお、幞せのかけらず結び぀く。そしお、幞せのかけらは、もずもずハンスが倢芋お星ず結び぀けおいたものだ。
 星は鏡に、鏡は幞せのかけらに、幞せのかけらは星に。
 これら぀がやわらかな調和をみせおものがたりは終わる。あたたかな䜙韻を残しお。
 ものがたりを完成させるために曞き手は、ハンスずは䟡倀芳の異なる狌を登堎させ、ものがたりの道具ずしお鏡を効果的に䜿うこずに成功した。このものがたりはこれにずどたらず、ハンスの心躍る未来を予感させる点でも秀䜜である。

🎖ツケ払い、ニャヌ/あいこうしょうたさん

■講評 さわきゆり

日本語には、矎しい蚀葉、やさしい蚀葉が倚々ありたすよね。
「情けは人の為ならず」も、そのひず぀。
「他人ぞ枡した芪切は、巡り巡っお、やがお自分に返っおくるんだよ」ずいうこずを、こんなに短い蚀葉で衚せるずは、日本語っお本圓にブラボヌ

                                   â—‡â—†â—‡

「ツケ払い、ニャヌ」は、心がふんわり、やわらかく枩たる物語です。
私、この䜜品を読み終えたずき、涙が出たした。

定食屋の子䟛の芖線で語られる、1,200文字の䞖界。
店を営むおやじさんは、営業時間が終わった埌、お金に困っおいる方々に、無料でたかない飯をふるたっおいたした。
「タダ飯じゃない。ツケだよ、ツケ」ず蚀いながら。

たかない飯を食べおいたひずりが、茂みで「ニャヌ」ず鳎いおりケを狙う、お笑い芞人志望の「ダス」。
おやじさんは「どんな時でも人を笑わそうずするのは芞人の鑑だな」ず蚀いながら、ダスにたかない飯を手枡すのです。
でも、その行為は、語り郚の子䟛にずっお、気持ちの良いものではありたせんでした。

りチも別に裕犏じゃないのに、い぀も人のために優しさを分けおあげお。そしお、い぀も人から隙されお。
バカみたい。

そしお10幎埌、定食屋に厖っぷちのピンチが蚪れたす。
ネタバレ防止のため、ここでは、その詳しい内容には觊れたせん。
でも、䞀蚀だけヒントを曞かせおいただきたす。
「情けは人の為ならず」

◇◆◇

おやじさんは「ツケだよ、ツケ」ず蚀い぀぀も、実際にそのツケが支払われるこずなど、露ほども期埅しおはいなかったず思いたす。
そうしたいから、するだけのこず。
ただのやさしさ。
でも、䞖の䞭に、やさしさに勝る魅力はないず、私はい぀も思うんです。

人を隙すのは、確かに人です。
でも、人を助けるこずができるのも、人だけなんですよね。
「ツケ払い、ニャヌ」は、そのこずを再認識させおくれる、玠晎らしい物語です。
人ずいう生き物っお、いいもんですね。

🎖芖線の先/新䞋慧さん

■講評 染葉 ゆか

山圢から東京の高校に転校した初日から、僕の芖線の先は圌女にあった。

そんな圌女が芗き蟌んでいるのは、折り畳み匏の手鏡。

なんだか甘酞っぱい青春の1ペヌゞを想像したくもなりたすが、物語を読み進めおいくず、それは単なる私の願望にすぎなかったずすぐに思い知らされたした。

高校ずいう舞台ずは盞反するダヌクなストヌリヌ蚭定。テヌマである「鏡」を軞に展開されおいく、圌女ず鏡の秘密。文章から䌝わるなんずも蚀えない緊匵感が私たちを物語の䞖界に惹き蟌んでくれたす。

䜕より、ラスト郚分で読み手偎に結末を想像させる䜙韻のようなものが、この物語の魅力をより匷く匕き立たせおいるように感じたした。最埌の䞀文を読んだずき、なんだか劙にぞくっずしおしたっお、思わず䜜品を読み返しおしたったほど。

皆さたもぜひ、緊匵感溢れる物語をお楜しみください玠敵な䜜品を読たせお頂きありがずうございたした。

🎖湖の化け物/玍豆ご飯さん

■講評 Marmalade

ずにかく気持ちの良い䜜品です。

湖に䜏む化け物、湖に映る醜い自分の姿を芋ながら、自分にがっかりする毎日。そう、鏡は湖の湖面。その姿のせいで、人に貶められ恐れられお。倧きな䜓に宿るのは、ごくあたりたえの傷぀きやすい心なのに。そんな颚に始たっおいくこの物語の䞻人公、化け物にタヌニングポむントが蚪れたす。それは少幎アナムが発したひずこず。そしお、圌女は自分の思いを告癜するずいう勇気で、そのきっかけを぀かみたす。

ここからは物語をぜひ読んで欲しいのですが、おずぎ話のようでありながら、今の䞖の䞭にきちんずマッチさせおある郚分がナヌモアたっぷりで、この話が地に足぀けおいる珟実感をもたらしおいたす。そこを融合させるこずができた玍豆ご飯さんの筆力を匷く感じながら、読み進めるほどに心が軜やかになっおいくのを感じたした。

䜜者は化け物の気持ちそのものにはあたり觊れおはいたせん。倉貌をずげるのは容姿の描写を䞭心にしおいたすが、その裏偎にもたらされた心の倉化が芋え隠れするのを読み手は十分に感じ取っおいける、そんな骚組みのしっかりした䜜品でした。

誰もが、自分の姿を遞んで生たれおくるこずはできたせん。だからこそ、必芁なものがありたす。化け物から感じる぀や぀やずした垌望、きれいかきれいじゃないか、ずいう衚面的なもの以䞊に、私は私のたたで堂々ず生きおいける、そんな喜びを感じる秀逞な終わり方でした。湖面ずいう鏡が映し出しおいたのは、湖底たで深く届く思いなのかもしれたせん。

最埌にこれだけは曞いおおきたいのですが、アナムのお母さんのいけずな感じもそりゃもっずもなのです。ごくごく人間らしいその人が、なんだかんだ蚀いながらも、めちゃくちゃ協力しおるずころに、゚ゎず背䞭合わせの優しさを感じられたこずもすおきでしたよ。

玍豆ご飯さん、ずおも玠敵なお話を届けおくださっおありがずうございたした。これからも楜しみにしおおりたす。

🎖みにくいちくびのこ/おだんごさん                

■講評 ピリカ

私はこちら偎の人間だった。そのたたの乳銖を慈しめる偎の人間だった。

若い䞻人公が鏡ず察峙するこずで「ありのたたの私」を肯定する物語。
簡単なようで、私は幎近く生きおきたにも関わらず、難しいず感じおいる。

人が他者ず関わり、比范し比范され、誰かから䟡倀を぀けられるこず。
誰でも物心぀いた頃から遭遇する、ある意味共通のテヌマだ。

おだんごさんは、誰もがあえお文章にしないような、芋過ごしがちな本質の郚分を、物語にするのが䞊手い曞き手だず思う。

「あのさ、乳銖がブスなんだよね」

たずもっお、この冒頭がむンパクトがあった。そしおタむトル。
【みにくいあひるのこ】を連想させ぀぀、ちゃんずあひるのおもちゃがいそうな銭湯を舞台に遞んでいるずころもニクむ。

ちょっず芋、自然䜓。

䞞腰ですよ、ず芋せかけお実はコヌトの䞋にたくさんの必殺アむテムを隠し持っおいる方だず想像する。

あくたでも想像です、あしからず。

䞻人公のあこは、アむドルグルヌプのメンバヌでありながら、コアメンバヌずは遠いずころにいる。歳の若いあこが、自らの立堎を分析する思考プロセスが、ずおも自然に文章化されおいお、非垞にわかりやすい。

乳銖をブスず蚀われたこずで、銭湯䞭のいろんな乳銖を芳察するあこ。そしお、冒頭匕甚した぀ぶやきに繋がるのだ。

いいじゃないか、乳銖がブスだっお。
じゃあ矎しい乳銖っおなんだそもそも誰が矎しいず決めるのか。
自分が悪くない、ず思えればそれでいいじゃないか。
䞀生誰かの矎しさの基準に合わせお生きおいくのはしんどい。自分にYESを出せる力こそ倧事だ。この䜜品のメッセヌゞはそこにあるのではないかず私は思っおいる。


この䜜品を読んで、私も久々鏡に裞身をさらしおみた。

うん、矎しくはないが、歎史が感じられお悪くないじゃないか。

「うん、そうだよ悪くないよ」ずおだんごさんの明るい゚ヌルが聞こえるような、力匷い䜜品だった。

🎖アンドロギュノス/若林明良さん

■講評 猫田雲䞹

「倩が癜む。
 死神は来なかった。」

アレンずアデル
王宀に生たれ、犁断の愛を抱く双子の兄効。

神をも恐れぬふたりの愛が、
限られた文字数の䞭で䞁寧に描かれおいきたす。

近芪愛ずいう犁忌的なテヌマにも関わらず、
タむトルぞず垰結するたでの矎しい流れ。

鏡ずいう題を䞡性具有ぞず昇華させ、
シェむクスピアの匕甚で物語の悲劇性を匂わす
唯䞀無二な䞖界芳。

その独自性は候補䜜品の䞭でも
ひずきわ倧きな存圚感を攟っおいたした。
䜜者の秀逞な発想力、衚珟力に脱垜です。

展開が加速したず思いきや䞍意に蚪れる結末。
そこにぶ぀切り感が無いのは、
䜜者の確かな手腕によるもの。

最期にふたりの身に降りかかった事象。
それは神の呪いなのか、それずも祝犏なのか。

鏡に映った圌らの姿が目に焌き付くような、
力匷い読埌感が残りたす。
ふたりは新たな姿を受け入れられたのか
思いを銳せずにはいられたせん。

テヌマを螏たえながらも䜜者の
䞖界芳が巧みに衚珟される、
玠晎らしい名䜜でした。

🎖ミラヌリング・むンフェルノ / めろさん

■講評  あめしき@02文庫

 たさかお題の「鏡」をこんな圢で䜿っおくるなんお
 それが本䜜を読んだ第䞀声だ。倚くの応募䜜が物質ずしおの「鏡」が出おくる物語である䞭、党く違う発想で䜜られたこの䜜品が、磚き抜かれた鏡のように茝くのは圓然のこずだろう。

 本䜜では「ミラヌリング」なるスポヌツが登堎する。ペアで行い、パヌトナヌず鏡のように行動や反応、発蚀などを䞀臎させる。芞術点や意倖性も考慮される採点競技のようだ。
 この時点で、もう、面癜いに決たっおいる。なんだその競技ず物語に匕き蟌たれる。

 そのような蚭定の面癜さの䞊で、物語が動き出す。䞻人公の私はどうやら、この競技のトッププレむダヌのようだ。パヌトナヌずの軜快な䌚話を䞭心に据えながら、ミラヌリング・チャンピオンシップの準決勝から、決勝ぞず進む。
 その展開も捻りが効いおいお、ずおも楜しい。魅力的な冒頭で惹き぀けられた読者は、この楜しい物語の波に流されるたたになるしかない。どんどん䞊がっおいくテンションに぀られお、䞀瞬で読み切っおしたった。

 たた、ミラヌリングずいう競技でお題を満たしながら、随所に「かがみ」に絡めたネタを攟り蟌んでくる。それを芋぀ける床にニダニダしおしたう。お題がある物語の投皿ずしお、これは鑑ずなる姿勢であろう。

 ずにかく楜しい物語。そしお読者をファンにしおしたう、魅力的が詰たった䜜品だった。今回のピリカグランプリが、この物語が評䟡される倧䌚だったこずが嬉しい。そんな気持ちになれる䜜品をありがずうございたした。

🎖鏡の向こうは透明/koedananafushiさん

■講評 geek

少女ず池ずの関係に関する掌線。

 ある皋床考える力が぀きながら、自我ず倖の䞖界ずの明確な区別が぀いおいない幎霢の少女だず、こういうこずを考えるかもしれない、ず思わせる。

 意地悪な男子に髪留めを池に捚おられたショックを、想像力の豊かさで回避しようずした少女は、こう考えた。

『あぁ、氎の䞭は透明だもの。私の髪留めは鏡の氎面を通しお透明の䞖界の物ず亀換されたのね。』

 ものがたりに少女を登堎させたのは、「池にものを萜ずしお倱くす」こずを「透明のものず亀換した」ず倒錯しお解釈する蚭定を掻かすためであり、必然だったず思わせる。

 「透明のもの」は少女の想像力の産物であり、いくらでも矎しくなる。珟実の芋た目より矎しく、珟実の手觊りよりなめらかで、珟実のものより所有感を満たす。この感芚が増幅しおいく過皋は、独りきりの閉じた䞖界で生きる危うさをも描いおいるように思える。少女の呚りにいる男子、お母さん、先生、いずれの登堎人物も、少女からは遠いずころにいお、少女の考えおいるこずを理解するようには思えない。この蚭定がものがたりの䞭だけのものか、ず考えたずきに、曞き手の目線の鋭さを感じる。

 教宀で詰問され、男子にほんずうのこずを暎露された少女はあくたでも自分の感芚に真っ盎ぐである。

「先生っ私の物は盗られおたせんっ透明の䞖界の物ず亀換しただけですっ」

そう叫ぶず、私は教宀を飛び出した。

もっずはやくこうするべきだった。

どうすべきだったのか。

「私も透明になりたい」

 この考えは、これたでに呚りのものを「透明のもの」ず亀換しおきた”実瞟”を自分に転甚しただけであり、この願望にリアリティがある。それは「死にたい」ずいう感芚ではなく「消えおしたいたい」ずいう消極的な感芚ずもやや異なる。悩みやしがらみから解攟された透明な存圚を想像するず、倧人でも魅入られるようなずころがある。
 しかし倧人は、透明なものの所有願望を゚スカレヌトさせ続けた圌女の行き着いた結果をみおも、少女の考えず行動が容易に結び぀くこずを理解しないだろう。倧人は倚くの堎合、倧人になるプロセスで、生ず死ずの間に高い壁を築く経隓をするからである。倧人になるプロセスずは、他人の䞖界に觊れるこずで、珟実ず、願望や想像ずの間に隔たりがあるこずを実感する過皋である。

 この䜜品は、幌さから若さぞの移行期にある少女ならではの感芚をうたく抜出しお、独り閉じた䞖界の思考がどういうものであるかを浮き圫りにした。
 ショヌトショヌトの秀䜜である。


以䞊、19䜜品

受賞者のみなさた、おめでずうございたす

最埌になりたしたが、今回の倏ピリカグランプリ2022、たくさんの方の応揎の䞊になりたっおいるこずを忘れおはいけたせん。

有料蚘事を買っおいただいた方、

サポヌトをいただいた方。

ご自分の蚘事でグランプリを玹介しおくださった方。

そしお䜕より、

ご参加いただいた人のみなさたのお陰です

私たち運営ぞの励たしや、他の゚ントリヌ䜜品ぞの枩かいコメント、
新たな亀流も生たれおいたしたね。私たちたで心がほっこりいたしたした。

本圓に、倏ピリカグランプリ2022に心を寄せおいただき、ありがずうございたした。

たた、この舞台でみなさんずお䌚いできるのを楜しみにしおたす。

運営ならびに審査員䞀同、心より埡瀌申し䞊げたす。

最高の倏をありがずう


いいなず思ったら応揎しよう

神居ピリカ ピリカグランプリの賞金に充おさせおいただきたす。 お気持ち、ありがずうございたす