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【広島県転出超過 育てた場所と、選ばれる場所が違う】 ――外国人労働者の移動から見える、広島のもう一つの課題

    【広島県転出超過 育てた場所と、選ばれる場所が違う】

    ――外国人労働者の移動から見える、広島のもう一つの課題

    広島県の転出超過9,921人のうち、約3,200人が外国人の県間移動です(約3分の1)。 「外国人を引けば深刻じゃないんじゃない?」という声もあります。 でも、数字を差し引いて安心するのではなく、「なぜ外国人の方も広島を出ていくのか」を見てみると、日本人の若者と驚くほど似た構造が浮かんできます。

    ◆ 広島の外国人労働者、「数」より「中身」が特徴的

    広島県の外国人労働者は2024年10月末で約4.8万人(全国12位)。 注目すべきは内訳で、技能実習+特定技能の割合が54.2%。全国平均29.6%を大きく上回ります。 特に備後地域(福山含む)は造船・舶用工業の特定技能が突出。ハローワーク福山管内では技能実習生が56.6%、産業別では製造業が55.9%を占めています。

    ◆ 「選んで来た」のではなく「配属された」

    技能実習制度では、勤務先を自分で選ぶことはできません。転籍も原則不可。 つまり多くの方は「広島を選んだ」のではなく「広島に配属された」形で、3〜5年を過ごしています。 実習を修了して特定技能に移行すると、同じ業種内なら勤務先を自分で選べるようになります。 選択肢が広がった瞬間、広島で技術も日本語も身につけた人が、より賃金の高い都市部に移っていく。地方の製造業からは「育てた人材が都市部に流れてしまう」という声も出ています。

    ◆ 日本人の若者と同じ構造

    この流れを整理すると、こうなります。 【技能実習生】
     広島に配属される(自分では選んでいない)  
    → 3〜5年、技術と日本語を身につける  
    → 特定技能に移行して、自分で選べるようになる  
    → より条件のいい都市部へ移る

    【福山の若者】  
    福山で生まれ育つ(自分では選んでいない)  
    → 18年間、教育を受けて成長する  
    → 進学・就職で、自分で行き先を選べるようになる  
    → 県外の大学や企業を選ぶ 共通しているのは、「選べない期間」にその場所で育ち、「選べるようになった瞬間」に別の場所を選ぶという流れです。 実際に、広島県の転出超過のうち10代〜30代が8割以上。広島県の調査(令和6年度 若年層の社会減少要因分析)では、転出超過には「大学進学」「新卒就職」「20代後半〜40代のUIターン」という3つの波があると整理されています。

    ◆ なぜ「選ばれない」のか

    広島県の調査をもう少し見てみると、構造がさらにはっきりします。 就職先を重視する層(成長志向が強い)では、約6割が県外に流出。広島にはBtoB分野の優良企業が多いにもかかわらず、就職サイト中心に情報収集する学生にはその存在が届いていない、という指摘があります。 居住地を重視する層でも、約3割が県外を選んでいます。「遊ぶ場所」「アミューズメント」といった都市の魅力や、職場環境のハード面が足りないと感じている層がいるとのことです。

    この構造は、外国人労働者の動きとも重なります。 広島の産業は製造業の比重が大きく、第3次産業の比率は宮城県や福岡県といった地方の中核県と比べても低い。多様な職種やキャリアパスを求める若者にとって「選択肢が狭い」と映りやすい構造は、より高い賃金や待遇を求めて都市部を選ぶ外国人労働者の動きと、根っこのところでつながっているように感じます。

    若者が「働きたいと思える企業がない」と言う声。 企業が「育てた人材が流れてしまう」と嘆く声。 立場はまったく違いますが、裏を返せば同じことを指しているのではないでしょうか。 「育てること」と「選ばれること」は別のこと。育てただけでは、選ばれるとは限らない。

    ◆ ただし、違いもある

    福山で育った若者には、この街で過ごした記憶があります。友達がいる。思い出の場所がある。広島県の調査でも、県外に出た人の多くは居住地としての広島のイメージが悪いわけではないと報告されています。希望に合う企業さえあれば戻る可能性がある層が、一定数いるということです。 私たちは2014年からの若手起業家支援、2019年からの学生に向けたアントレプレナーシップ教育を通じて約3000人の学生と関わってきて戻りたいけど働きたい企業がないいう学生のリアルな課題に直面しています。 そこで昨年にはその学生を丁寧に企業に繋ぐミライゴトを始めました。

    技能実習生の多くには、そうした記憶や愛着の土台がありません。選べるようになったとき比較するのは、純粋に「条件」。だから条件面での差がそのまま移動の理由になりやすい。 若者には「帰りたい」「関わり続けたい」と思える関係性づくり。 外国人の方には「ここに居続けたい」と思える職場・生活環境。 アプローチは違っても、問われていることは同じだと思います。

    ◆ 2027年、制度が変わる

    2027年から技能実習に代わる「育成就労」制度が始まります。一定期間後(業種により1〜2年)で本人の意向による転職が可能に。 これまで「3〜5年は確実に残る」と考えられていた人材が、より早い段階で移動する可能性が出てきます。「ここで働き続けたい」と思える環境があるかどうかが、今まで以上に問われる時代になります。

    ◆ 「選ばれる広島」になるために


    外国人の移動も、日本人の移動も、含まれている問いは同じです。 「この場所は、選ばれているのか」 引き止めるのではなく、選ばれる。 そのために必要な仕事の多様性、賃金や待遇、生活環境の魅力を高めること。これは日本人・外国人という枠を超えた、地域全体の課題だと考えています。 第3回フクヤマカイギでは、データと感覚の両方で「じゃあどうする?」をみんなで考えていきたいと思っています。

    ◆ フクヤマカイギとは


    フクヤマカイギは、福山市の人口の動きや暮らしのことを、市民目線で考えるコミュニティです。高校生も経営者も会社員も行政の方も市外に住んでいる方も、肩書きや立場に関係なく、一人の「福山を想う人」としてフェアでフラットに話せる場を目指しています。第1回ではリアルな声の共有、第2回ではラジオ風トークで多様な「福山との関わり方」を聞き、第3回では「福山の数字のリアル」をテーマにデータと対話を組み合わせます。2025年12月に発足し、現在グループには160名以上が参加。
    全国から参加可能です。是非ご参加ください。
    詳しくはフクヤマカイギHPをご覧ください。

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    福山を想う人がここにいる。
    想いが集まれば、まちは変わる。
    離れても、残っても、戻っても。
    遠くから想う人も、一緒。

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    一般社団法人ミライゴト代表理事| 山陽不動産34 取締役副社長|㍿山陽管理 代表取締役|経済産業省中小企業庁創業機運醸成賞受賞| 0→1を実践する経営者|24歳で赤字会社を15年連続増益増収へ|起業支援|シェアオフィス5棟運営|学生創業イベント主催|新しい就活|人材紹介業許可取得

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