
四つ葉の森
🍊第60回 3つのお題(ファンタジー)
🎈お題①:「四つ葉の森」
🐾お題②:「花びらの切符」
⏳お題③:「風船ホテル」
お題④イラストから空想した世界を書いて下さい。
第1話 四つ葉の森
セリーヌは、森の奥にある「四つ葉の森」へ行くのが大好きでした。
「うわぁ、四つ葉がいっぱい!」
今日、四つ葉を摘みに来たのは、お隣に住むおばあさんに頼まれたからです。
最近、おばあさんは耳が遠くなり、足も弱ってしまって、なかなか外へ出られなくなりました。
おばあさんの願いは、遠くで暮らす一人息子さんの幸せ。
本当は「帰ってきてほしい」と思っているのに、その気持ちを胸の奥にしまっていました。
まだ子どものセリーヌにも、おばあさんの優しさと寂しさが伝わってきます。
セリーヌは、願いが届くようにと、四つ葉をそっと摘んで帰りました。

第2話 花びらの切符
セリーヌは、おばあさんに四つ葉を届けました。
すると、おばあさんは、お礼に一枚のピンク色の花びらを手渡しました。
「おばあさん、これは?」
「ああ、それはね、『花びらの切符』というんだよ。会いたい人に会える、不思議な切符さ。」
「でも、おばあさんのほうが……。だって、息子さんが……。」
そこまで言った時、セリーヌの目から涙がこぼれました。
「おやおや、泣かしちゃったね。」
おばあさんは優しく笑いました。
「ありがとうね。でも私は、もうすぐお迎えが来る。それは誰にも避けられないことなんじゃ。」
「私の願いは、息子が幸せでいてくれること。それだけで十分なんだよ。」
セリーヌは、花びらの切符をぎゅっと握りしめました。

第3話 風船ホテル
数日後、おばあさんは静かに天国へ旅立ちました。
亡くなる二日前、遠くで暮らしていた息子さんが帰ってきたそうです。
おばあさんは、とても嬉しそうに笑っていたと聞きました。
そして、息子さんの手には、一枚の花びらの切符がありました。
その日。
執事は、風船ホテルの予約を入れました。
両親のいないセリーヌには、いつもそばで見守ってくれる執事がいます。
荷物を整えた執事は、風船ホテルの扉を静かに開きました。
扉の向こうへ一歩踏み出すと、風船ホテルはゆっくりと空へ舞い上がります。
セリーヌは、四つ葉の森で摘んだ四つ葉と、花びらの切符をテーブルの上に並べました。
「今度は、パパやママに会えるかな?」
風船ホテルは、白い雲の中を、ゆっくり、ゆっくりと進んでいきました。
