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夜だけ現れる街

    🍊第66回 3つのお題(ファンタジー)
    🎈お題①:「夜だけ現れる透明な街」
    🐾お題②:「月の裏側にある駅」
    ⏳お題③:「星の海を渡る小舟」

    お題④イラストから空想した世界を書いて下さい。


    私は、夜にしか現れない街があることを知った。

    なぜか、その場所に強く惹かれ、
    愛猫と一緒に、街を探す旅に出た。

    月の裏側にある駅から、
    列車に乗り込む。

    乗客はまばらだった。

    列車はいくつかの駅に停まった。

    最初は、
    「戦争で荒廃した街」。

    誰も乗り込んでこない。
    壊れた建物の向こうで、
    ただ煙だけがくすぶっていた。

    次は、
    「表情のない人々の街」。

    ホームには人がいる。
    けれど、誰の顔にも感情がない。

    悲しみも、苦しみも、
    喜びさえもない。

    ただ、無表情だった。

    そして、
    「誰も住んでいない街」。

    列車は静かに停車した。

    誰もいないのに、
    なぜ、この駅に停まるのだろう。

    やがて列車は、
    「星の海の駅」に到着した。

    私は愛猫と列車を降り、
    星の海を渡る小舟に乗った。

    小舟が星の間を進んでいく。

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    イラスト:ChatGPT

    しばらくすると、
    遠くに街が見えてきた。


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    イラスト:ChatGPT

    夜だけ現れる街。

    どうして、この街は
    人目につかない場所にあるのだろう。

    街の中を歩いていくと、
    一つの教会があった。

    中へ入ると、
    白髪の老人が一人、座っていた。

    「なぜ、ここは夜しか見えないの?」

    老人は静かに答えた。

    「ここは、見ようとした人にしか見えない」

    「え? どうして?」

    「君は、どうしてここへ来た?」

    「この街に興味があったから」

    「それだけかい?」

    「え? それはどういうこと?」

    老人は私を見つめた。

    「君は、この場所に答えを見つけに来たんじゃ」

    「答え?」

    「ああ。自分の中にある感情を整理するためにな」

    「私はただ、この街が気になって……」

    「ここへたどり着くまで、
    いくつかの駅に停まっただろう?」

    「ええ、停まったわ」

    「その街を見て、どう思った?」

    私は少し考えた。

    「人間が作り出した欲によって、
    人間は滅びていく……」

    「そうじゃ。
    人間は、その欲から学ばねばならない」

    「私の中にも欲があるの?」

    老人は、ゆっくりとうなずいた。

    「ああ。愛という欲がな」

    「愛という……欲?」

    「愛とは見えないものじゃ。
    だから人は、愛がすべてのように思ってしまう」

    「じゃあ、愛という欲を
    どうしたらいいの?」

    「愛を手放すんじゃ」

    「愛がなくなるの?」

    「愛は見えないと言っただろう」

    「うん……見えない。
    じゃあ、どうしたらいいの?」

    老人は微笑んだ。

    「相手の中に愛を探すんじゃなく、
    自分の中に愛を育てるんじゃ」

    「自分の中に……愛を?」

    「人間は欲に惑わされ、
    愛というものをはき違える。
    そして、自らを滅ぼしていく。
    実に嘆かわしいことじゃ」

    「私は、どうしたらいいの?」

    「それは、自分で探すんじゃ」

    老人は立ち上がった。

    「長い時間がかかるかもしれん。
    明日、見つかるやもしれん」

    そう言うと、
    白髪の老人は透明な建物の中へ
    静かに消えていった。

    気がつくと――

    私は愛猫と、
    月の裏側にある駅に立っていた。

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    イラスト:ChatGPT
     
     
     
    ✨ごあいさつ ようこそ、片桐みかんの世界へ。 日々のひらめきを即興で物語や詩にしています。 ここで出会った言葉が、あなたの心に小さな灯りをともせますように。

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