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『京マダムの「いってらっしゃい」は一味違う』


     美味しい食事には味の階層がある。大阪の駅ビルにある欧風軒のデミグラスソース、阪急三番街にあるインディアンカレーの最初は甘く後から辛いルー、そして今日食べた祇園饅頭の志んこ。もっちりとした食感の後にくる渋みのある抹茶の味。やはり、記憶に残る食事は口の中で味の変化を感じさせてくれる気がすると思い始めた今日この頃。

     人間もそうかも知れない。今日、祇園饅頭で出会ったマダム。「私は予約してあるからもっと近くで見てください」何が定番かも分からず、首を長くして列の後方からお品書きを覗いていた私に気を遣い、声を掛けてくださった。この時点ですでに気品に満ち溢れているのだが、マダムがお品を受け取り立ち去る瞬間に私に掛けてくださった言葉に深みを感じた。「いってらっしゃい」そう言って彼女は立ち去った。同じ立場にあってこの言葉が出るだろうか。言われた側のその後の充実を願うような意の込められたこの言葉、私は出ない。せいぜい「お先にどうぞ」か、会釈をして立ち去るのが関の山だ。

     この数分で私の脳裏に焼き付いたマダム。それはやはり階層を感じたからだ。近年、ルッキズムが浸透し学校や職場、食べ物でも同様、あらゆる環境で表面が重視されているが、時が経つと必ず剥がれる。内面を磨くことは容易ではないが手のひらサイズの画面に囚われず、外に出て色んな経験をして、色んな人と話して京マダムのような回想のある人間になりたいと思う。そんな土曜。


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    茶寧

     
     
    新卒一年目の日々を書きます!初心者ですが自分で書きつつ皆様のエッセイを読みつつで、少しずつレベルアップを目指します。スキがガソリンになります!宜しくお願いします!

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