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🌚健康に帰れない

    水玉

    検診車を見かけたこいつが遠い目をする。

    「健康診断は学生時代以降、受けたことない…」

    俺「そんなもんだろ。俺もない」

    「本当は健康被害があるかもしれない。だけど胃カメラするのにバリウムを受け入れられないお年頃」

    俺「検査自体は苦痛そうだよな」

    「健康に帰れない、健康診断」

    俺「健康を保つための、健康診断な」

    「検査で痛風とか分かるの?」

    俺「血液検査で尿酸値高いと分かるかも?」

    「カニが大好きです」

    俺「痛風だけを恐れすぎだろ」

    「風が吹いても痛いって、強すぎなんだよ」

    俺「ネーミングの問題だな」

    「バリウム飲んで、血を採られて…疲れて帰る」

    俺「結果良ければいいんじゃないか?」

    「結果が良いならやりたくないんだよ」

    俺「悪かったら?」

    「やって良かった」

    俺「…じゃあ、いつかな」

    「うん。風が吹いても痛くなったら…」

    健診車の中を伺ったが、レースのカーテンに覆われて何も見えなかった。


    お読みいただいて、ありがとうございました。
    本作は、はらとけいさんの企画に参加しております。


     
     
     

    水玉

     
     
    日々の中にこぼれる思いや、 創作短編・被虐体験を綴っています。 苦みのあるブラックコーヒーのような記憶と、 甘さの残るカフェラテのような物語を、 言葉にして灯しています。 ★シンスケ@筆先案内人さんの「無茶ブリ道場」で銀賞をいただきました。

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