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御恥出等

    水玉

    会社で隣の席の圭吾さんが、鳥の図鑑を見ている。

    「飼ってる文鳥が「おめでとう!」と言いました」

    僕「鳥飼ってるんだ。賢い子だね」

    「何を祝いたかったのでしょう」

    僕「誕生日でないなら、記念日かな。
    文鳥と出会った日とか」

    「そんなロマンチックな目で私を?」

    僕「違うか…なんか思い当たることはない?」

    「いちごを食べていたら、パジャマに落としました」

    僕「そこに「おめでとう!」がくると、おめでたくはないね」

    「“おめでとう”ではなく“御恥出等”と言ってたのかもしれません」

    僕「そんな当て字で高度な皮肉を文鳥が!?」

    「文鳥は相手を見て行動を変えることができるそうです」

    僕「……圭吾さんを見て、どんな行動したくなったんだろう」

    「御恥出等……1等賞みたいな響きでしょうか」

    僕「恥の1等賞…皮肉が深まってない?」

    圭吾さんの私生活が気になったが、本人は少し肩を落として鳥の図鑑を見つめていた。


    お読みいただいて、ありがとうございました。
    本作ははらとけいさんの企画に参加しております。



     
     
     

    水玉

     
     
    日々の中にこぼれる思いや、 創作短編・被虐体験を綴っています。 苦みのあるブラックコーヒーのような記憶と、 甘さの残るカフェラテのような物語を、 言葉にして灯しています。 ★シンスケ@筆先案内人さんの「無茶ブリ道場」で銀賞をいただきました。

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