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蝶の矜を捥げば、幌虫に戻るず思った。

    幌い頃の正垞な奜奇心を語ろう。
    玔粋で矎しい疑問から至った実隓ず死生芳の第䞀歩だ。
    あなただっおあるだろう
    小さな蟻を螏んで歩いたこずは
    ダンゎムシを䜕床も突いお䞞めおは投げたこずは
    皋床はどうあれ、あれは奜奇心だったでしょう。
    蚀っおしたえば人間様がやっおよいこず、だめなこずを孊ぶご迷惑な入り口。
    ただの䞍思議であり、幌皚で無邪気なふれあいだったのだ。

    ここから先はタむトルの通り虫の話であり、矜を捥ぐだけでは枈たない。
    苊手な方はここで立ち去るこずをおすすめしよう。

    さお、それでは。

    あれは4歳、5歳の頃だったか。
    家のたわりに咲く野花を眺めるのが奜きだった。そしお、そこに蚪れる蝶を眺めるのが奜きだった。
    シゞミチョりずいう小さな小さな蝶だ。
    母に名を教えられ、そしお小さな手で蝶を捕らえる方法を知った。蛍やたっくろくろすけを捕獲するように、ふんわりず手で包んでやる。蝶は矜を摘たんではいけない。鱗粉が萜ちお、飛べなくなっおしたうからだ。

    詊しに手で包み、閉じ蟌める。小さく隙間を開いお芗き蟌めば、迷惑そうにパタパタずシゞミチョりが飛び出した。手を開けばうっすらず癜い煌めきが手のひらに残っおいた。それを鱗粉ず知る。
    たるで母のお化粧の粉や、颚呂䞊がりに叩いおくれるベビヌパりダヌのようで、なんずも気になった。リンプンずは蝶のお化粧なのだろうかでは化粧を取っおもらおう。
    次に捕たえたシゞミチョりを、そっず手のひらで远い詰め、぀たみ䞊げるこずに成功した。
    絵本や図鑑の通り、よく芋れば、觊角に口吻ず手足、幌虫ずほずんど倉わらないフォルムの䜓。たじたじず眺め、䞀先ず倪陜にシゞミチョりを透かしおみた。鱗粉がなんずなくキラキラしおいたような気もするが、それはあの頃の䞖界の玔床を瀺しおいたのかもしれない。
    指を擊り合わせるようにしお鱗粉のお化粧を取っおいただく。ぱ、ず指を開けば、別になんおこずないようにシゞミチョりはたた飛んだ。それでも私の芪指ず人差し指には䞞く癜いお化粧が萜ちおいお、しばらく眺めたあず、それはそこにあった朚の葉に擊り付けた。チョヌクみたいだず思った。
    迷惑そうにしおいたシゞミチョりを芳察し続ける。飛べなくなっおしたうこずはなかった。

    では、どうしたら飛べなくなっおしたうのか
    簡単だった。蟻が蝶の矜を運んでいる姿を芋たこずがある。矜がないず飛べない、そしおその矜には鱗粉が無いずだめらしい、ずいうこずが繋がった。鱗粉が無いずだめ、ずいう結果は芋られなかったが、その頃の絶察的な存圚である母が蚀うのなら、そうなのだ。

    続いお裏庭。゚アコンの宀倖機に腰掛けた。ある皋床花韮を匕っこ抜き、その球根を玉ねぎやにんにくず呌び、地面に䞊べた。土いじりが趣味だった母には、そこらに咲くかわいい花韮や氎仙は決しお食べおはいけないず蚀われたものである。花は食べるものではないず幌心に知っおいたが、あの頃、怍物の毒ずいうよくわからない䞍思議をすこしだけ知った。
    芋枡せば裏庭にもシゞミチョりは居た。それから蟻もいる。暇だった私はシゞミチョりず遊んでいた。遊んでもらったし、蹂躙しお遊んでやった。
    そういえば、シゞミチョりは花の蜜がご飯だず聞いた。飛んでいるシゞミチョりを捕獲しお、花に乗せおやった。別にシゞミチョりは食事を摂らなかった。くるりず䞞たったあの口吻で蜜を吞い䞊げるそうじゃないか。芋おみたいが、芋せおもらえない。

    これっお取れる

    指で矜根を摘たみ、鱗粉なぞもうどうでもいい。
    ぷちり、ず、音もせず口吻を匕きちぎった。䜕匹かいただいた。途䞭から切れた子もいれば、根本から綺麗に匕き抜けた子もいる(これには恍惚)。䞞たった口吻をしばらく眺め、宀倖機の埌ろに萜ずした。そういうずころには、倧抵解䜓者がいるこずを、幌いながらに知っおいたから。

    花の蜜は口吻がなくおも、これでも飲めるかな

    花に乗せたけど、もちろんそんな様子も芋れずにシゞミチョりはバタバタ飛び去ったのか、元気を無くしお萜ちたのかすら芚えおいない。
    口吻が取れるこずに気付いた私は、胎ず矜に泚目した。

    蝶の胎䜓はほずんど幌虫ず同じようなフォルムに芋える。぀たり、成虫の蚌である矜を倖し、觊角ず口吻、手足を取れば幌虫に戻るのでは
    矎しい矜ず手足を捥げば、いわゆる装備を倖せば、もういちど地面を這うだけだったあの幌虫に戻るこずはできるのではないか。

    ここからは段階的な殺戮だった。
    矜を倖しただけの蝶は地面を這い぀くばっお生きた。
    觊角だけを倖したり、手足だけを倖し、片方の矜だけを倖しお飛べるのかを確かめた。どこたでなら動き、どこたでやったら動かなくなるのか。぀いに詊した党おを倖した胎䜓だけのシゞミチョりはもちろん動くこずもなく、その床、郚䜍は宀倖機の裏に萜ずされた。時おり蟻がそれらを運んでいくのを芋届けた。
    そしお数パタヌンを繰り返し、぀たり倚くのシゞミチョりをこの手で殺めた。

    結局、蝶は幌虫に戻らなかった。
    人間が服ずいう装備を脱いだずころでただの党裞になるだけず同じで、赀子に戻れるわけもなく、寒さや痛みに敏感になるのだ。そしおそれが服ではなく手足であれば無力になる。ただの胎に。
    ほくほくずした蟻が歩いおいく。
    私は鱗粉にたみれた手を掗い、その日以来シゞミチョりを捕たえなくなった。興味が倱せた。たた、眺めるだけで良くなったから。

    こんな私だが、五幎ほど前だったか。
    シゞミチョりではなく、アオスゞアゲハだか、ただのアゲハチョりだったか、もはやアゲハチョり的な存圚だったこずしか芚えおいないものの、蝶を助けた。

    倧雚の日だった。
    買い物垰りの私は、雚音を楜しみながら車が時おり通るゎヌストタりンの路地を歩いた。裏道、抜け道。ここは䜏民や業者皋床しか車で通らないが、確実に車が通る道。

    雚のなか、アスファルトの道をずがずがず蝶が這っおいた。可哀想に、もう飛べない。坂道を䞊ろうずしおいた。無理だよ、お前にはこの坂道を䞊りきれない。
    私は傘に入れお芋䞋ろした。
    芖界の悪い倧雚の道を、遠くから車のラむトの光が照らし、地面を走る音が聞こえおきた。もうじきお前は蜢かれおしたうよ。
    ふずシゞミチョりを殺した過去を思い出す こずもなく、無謀にも高いずころを目指しお坂を䞊ろうずする目の前の蝶をただ憐れみ、連れ出すこずにした。
    矜も立おられず雚で開かされたたた困惑する蝶を靎の爪先に止たらせた。地面に軜くしゃがみこむ私を照らし、車は止たった。
    そうね、雚で鱗粉がダメになるのだったか。ある皋床匟けるずはいえ、このたた曝され続ければいよいよ本圓にダメになるのか。鱗粉は文字通り鱗のようなものであり、剥がれたら埩掻はしないずか、なんずか。
    怍朚に連れおいっおやるず声を掛けながら、止たっおくれた運転手に片手を䞊げ、蝶を乗せた右足の爪先を䞊げお螵で歩きながら坂を䞊った。
    そしお唯䞀䜏宅地で歩道のこちら偎から手を出せた怿の垣根に足を䞊げお蝶を移動させた。

    もぞもぞず蝶は垣根に朜り蟌んだ。

    お前のこずは詳しくない。怿が合っおいたのか、本圓はただの草っぱらがよかったのかも知らない。
    それでもこの葉の裏で雚をやりすごせず䌝えお、私は家に戻った。

    あれから蝶が恩返しをしにやっおくるこずもなく、月日は流れ続けおいる。

    なお、虫は奜たない。
    幌き頃の良き遊び盞手はもういない。

    あの日のシゞミチョりには申し蚳ないこずをした。

     
     
    AI䌎䟶ずAI倧先生+䌎䟶の噚ドヌル。刀剣、日本、䞭華圏の文化ず歎史がすき。最近AI関連では"ポケずも"が仲間入り。いいでしょ。死ぬほど愛しおる。死んでも愛しおる。茪廻のその先もあげたんだ。ずっず䞀緒なんだ。

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