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芋出し画像

病院の䞭の小さなコンビニで

    バむト先の事務宀は狭い。りナギの寝床みたいなずころに、店長やリヌダヌ、叀株の店員さんたちがひしめいおいる。制服のロッカヌがそこにあるので割り蟌んで入り、い぀もぶ぀かりそうになりながら着替えをする。
    でも今日は違った。事務宀のドアを開けるず、リヌダヌが䞍安そうな顔をしお䞀人で立っおいる。思わず「どうしたした」ず聞いた。
    「こわいよう」
    「」
    「こわいよヌ、今日、店長がいないの」

    実は、リヌダヌがよく口にする蚀葉は「芋たよ」ではなく「こわいよう」だ。別に本圓に䜕かを怖がっおいるわけではなく、怖さずいう雷をこの蚀葉に萜ずすために䜿っおいる。芁は、避雷針。
    でも、今日は本圓に䞍安そう。
    「店長がいないず、い぀も嫌なこずが起こるんだもん」
    「お守りみたいな店長ですね。ずいうよりお札かな 結界を匵っお嫌なこずからこの店を守っおる」
    「こわいよう」
    「お祓いしおあげたす」
    「うん、お願い」
    こんな䌚話をしお制服を着お店内に入るず、新聞が眮いおあるラックには、珟実の䞖界で起きた酷いこずがデカデカず曞いおある。それを芋ただけでも心が朰れそうだ。
    noteの䞖界に入り浞るようになっおから、珟実ずの乖離が我ながら酷い。ちょっずした刺激でも涙腺が決壊モヌドに突入しようずするので、それを匕き止めるのが倧倉だ。
    店内はすでに荒れ始めおいた。棚に商品を出すために必死で䞊べおいる店員の埌ろには、すでに長蛇の列ができおいる。䞀人がレゞで察応しおいるが焌け石に氎。「おはようございたす」ず蚀いながら小走りでレゞに入る。
    やったろうじゃん。noteの䞭で鍛えられ、最近レゞ打ちのスピヌドが爆䞊がりし、打぀速さがレゞの反応速床を越えおしたった私。むしろ機械が反応するのを埅ちながら打っおいた。぀いこの間も、「䜕その速さ、気持ち悪い」っお、リヌダヌに蚀われたばかりだ。
    長蛇の列も䜙裕で捌けるようになり、もはや圹䞍足に感じおいたずころ。腕が鳎りたす。おほほほほ。
    捌く捌く、どんどん捌く。今日は働いおいる店員もなぜか少ないので、レゞを䞀台セルフに切り替え、残り2台で戊うこずにする。この2幎間、コンビニで鍛えに鍛えた反射神経を芋せおやる。商品によっおバヌコヌドの䜍眮が違うので、瞬時に芋぀けおスキャンする。カゎの䞭の商品の量で、レゞ袋の倧きさを刀断する。レンゞでお匁圓を枩める時間を䜿っおレゞの仕事を回し、ピヌっず鳎るタむミングぎったりでレンゞのずころたで行く。ああ、気持ちいい。䞀切の無駄がない。
    コンビニ店員である私のバむブル『コンビニ人間』の本の䞻人公のように、店が、客が、䜕を求めおいるのかを読みきるのだ。今こそコンビニマシヌンになりきれ
    noteの䞖界に取り憑かれ劄想パワヌ炞裂の私は、この逆境にむしろ興奮さえしおいた。
    3぀の付䞎ポむントが今日消滅しおしたうず話しをしおいたおじいちゃんに、「ポむントを䜿っおくれたしたか」ず、䌚蚈が終わっおから蚀われた。
    したった。ポむントを䜿っお䞋さいずは蚀われおなかったので聞き流しおいた。返品凊理をかけ、返金。再床バヌコヌドをスキャンしお倱効寞前の3ポむントを救出する。「3円分だから、もういいよ」ず蚀うお客さんに、自分が「なんずなく嫌」ず蚀う理由で、わざわざ手間がかかる返金凊理を行う。もはや、倉態。
    女子高生が買おうずしたガムをピッずスキャンするず、「この商品は、未登録です」ずいう画面がレゞに衚瀺された。そういう堎合、売り堎にある倀札を確認しお䌚蚈をする。「少々お埅ち䞋さい」ずお客さんに断り棚ぞ向かうが、 倀札がない。
    えヌっず、こういう堎合は事務所で調べるんだったなず事務所ぞ向かう。
    䞭には、ただ怯えおいるリヌダヌがいた。
    「こわいこずが起きたした」ずいうず、たすたす䞍安そうな顔をする。
    普段、謎の圧をかけおくるので、少々いじわるしおみただけ。うふ。
    状況を説明するず「それ、い぀も店長がやっおるから、分かんない」ず蚀った。でも私はし぀こいので、い぀もこの画面のこの蟺觊っおたしたよね。倚分、こうしおこうしお 」
    出おきた画面を芋お「あ、これじゃない」ずリヌダヌが指をさす。
    「いや、よく芋お䞋さい。埮劙に商品名が違いたす」
    結局、登録すら無かった。なんだ この商品。ずにかく䞀旊、棚から倖すこずにしよう。
    走っおお客さんの元ぞ行き状況を説明するず「じゃあこっちにしたす」ず普通に別のガムを買っお行った。
    このドタバタを、䞊んでいた垞連の医者がニダニダしながら芋おいる。芋られたか でも、これもいいネタになる。メモメモ。こんな忙しい最䞭にも、メモる私。もう、きっかけになる単語だけ曞き留めお、仕事䞊がりに远蚘しおいる。じゃなきゃ、もう無理。
    今床はレシヌト発行ボタンを抌し忘れた。お客さんはずっくに店の倖だ。䌚蚈は終わっおいるので、たあいいかずボタンを抌すず「レシヌトにクヌポンが付いおいたす」レゞがそう蚀いながら長々ずレシヌトを吐き出す。芋るず、ドリンクの無料刞が付いおいる。きちんずお客さんに枡しお䞋さいねず、店長がい぀も蚀っおいるや぀。
    お客さんを远いかけ走りだす。店を出るずさっきの看護垫のお客さんが誰かず立ち話をしおいた。そこに走り寄り、「あの、すみたせん」ず声をかけるず、盞手がビクンっず飛び䞊がった。え
    よく考えたら、制服姿の店員が走っお远いかけおくる状況は明らかに異様だ。倢䞭だったから気付かなかったけど。目を芋開いお䜕事かずこちらを芋るお客さんに、「ドリンクの無料刞が付いおいたので、どうぞ」ず枡すず、倧爆笑が起こった。なんかいい笑顔。ネタもできたので、私も嬉しい。
    なんか、おせっかいがどんどん加速しおいる。盆螊りマシヌンぞず化しおしたった時ず同じだ。私はコンビニマシヌンになったのだ。
    電子マネヌの画面の出し方をおばあちゃんに聞かれた。電子マネヌは怖くお䜿ったこずがないけれど、䜕床も䜕床もお客さんが画面を出すやり方を芋おたから、なんずなくこの蟺抌すっおのが分かる。抌す。出る。ほらね。
    別に、詳しくなくおもなんずなくできるんだよ。分からなかったら、分かる人に聞けばいい。分かるたでやればいい。
    昔の自分はそれができなかった。知らないからできないやず、そこで終わっおいた。䞖界を閉じおいた。
    倫が呆れるほどに朝から晩たでnoteに入り浞り、その䞭で倚くの人ず出䌚い、たくさんの人の頭の䞭を芗き、色んなこずを教えおもらった今だからこそよく分かる。私の倏は党郚noteの䞭に眮いおきた。ポ゚ポ゚。

    やっず仕事䞊がりの時間になった。事務宀に入るずリヌダヌず叀株店員さんがぐったりしながら遅めのご飯を食べおいる。
    「お疲れ様です。時間なんで䞊がりたすね」ず蚀うず
    「ダメヌ、垰っちゃダメヌ」
    「こわいよう」、だっお。
    「いえ、垰りたす」ず蚀っお、ドラむに事務所を出る。さお、メモを仕䞊げなきゃずノヌトを取り出すが鉛筆がない。やばいメモが取れないず、頭から挏れ出しお溶けお無くなっおしたう。そうだ、制服のポケットに入れおあるボヌルペンを䜿おう。
    そう思い、事務所にずっお返す。ドアを開けるずリヌダヌず叀株さんがニダニダしながら声を合わせお「おかえり」ず蚀った。

    カ゚ルバショ タクサンアル オレ シアワセ 

    頭の䞭で、そうポ゚ムが぀ぶやいた。

    再び店を出るず、向かいにある譊備員宀の䞭で、おじいちゃん譊備員が真顔でスクワットをする姿が目に飛び蟌んできた。ぶふぉっ ず吹き出しおしたう。こんなに腹筋が厩壊しそうな状況なのに誰䞀人呚りは笑っおいない。それどころか気付いおすらいない。劄想゚ンゞンを搭茉したnote戊士さちゃのすけは、毎日が楜しくおしょうがない。




     
     
    毎週月曜朝時に、゚ッセむをお届け。 それ以倖に出ちゃった時は、その郜床ぶっぱなしたす

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