
☆【小説】「龍と空色の歌」第14話【創作大賞2025応募】014〜春スペシャル
- 割引あり
第十四話 心の形
翌日の朝、墨絵がオフィスに到着するなり、柏木はヘッドマウントディスプレイをつけてゾウのソファーに座るように墨絵に指示をした。
そもそも墨絵はこの箱を頭につけるのは好きではない。猫がうっかり紙袋を被ってしまってきょろきょろしているイメージだ。猫ならかわいいが、なんか馬鹿みたいだ。
箱を付けた頭を猫になった気分で左右に動かしていると、柏木はコンピューターのキーボードを操作しながら言う。
「昨日のトレーニングの効果を高めるためのものですから、真剣に取り組んでください」
注意されたのだろうか。猫になったのを見破られたか。
「目の前に映し出される映像をぼんやりとでいいですから見つめていてください。それだけで良いですから」
墨絵は少々うんざりした気分になった。
柏木のモニターには薄く白く光る図形が表示されている。
卵型だ。