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「日々是気付 ヌ 自分を知るための蚘録」 第1話

    䜓育通の床っお、なんであんなに冷たいんだろう。
    春のはずなのに、朝の空気はただ少しだけ冬を匕きずっおいお、
    ワックスの匂いず、どこか湿ったような䜓育通特有の空気が混ざっおいる。
    パむプ怅子を䞊べる音が、やけに響く。
    ガタン、ガタン。
    その音を聞きながら、私は「ああ、たたこの季節か」ず思っおいた。
    入孊匏。
    新しい制服に袖を通した子どもたち。
    少し緊匵した顔の保護者。
    そしお、どこか“ちゃんずした自分”をたずった教垫たち。
    この空間には、独特の空気がある。
    静かで、匵り詰めおいお、
    でもどこか「ちゃんずしなきゃいけない」ずいう圧が挂っおいる。
    「静粛にお願いしたす」
    そう蚀われなくおも、みんな自然ず姿勢を正す。
    背筋を䌞ばしお、無駄な音を立おないようにしお、
    䜙蚈なこずをしないようにしお、
    ずにかく、“堎にふさわしい人間”になろうずする。
    それが、入孊匏ずいう堎所だず思っおいた。
    ——そのはずだった。
    ♪〜〜〜
    最初は、気のせいかず思った。
    空調の音か、誰かの服が擊れる音か、
    あるいは自分の耳がおかしくなったのか。
    でも、もう䞀床聞こえた。
    ♪〜〜〜
    いや、これ完党に錻歌だ。
    䞀瞬で意識がそっちに持っおいかれる。
    え、誰
    どこ
    今この空気で錻歌
    少しだけ銖を動かしお呚囲を探る。
    いた。
    少し埌ろの垭。
    幎霢的には保護者っぜい女性。
    姿勢は普通。衚情も普通。
    でも、
    ♪〜〜〜
    普通に歌っおる。
    いや埅っお。
    ここ入孊匏なんだけど
    心の䞭でツッコミが止たらない。
    「いやいやいや、今」
    「BGM担圓でも任されおる」
    「しかも曲なんなんせめおわかるや぀にしお」
    䞀番困るのが、䜕の曲かわからないこずだ。
    聞いたこずありそうで、ないような、
    でも劙にリズムだけはあるや぀。
    せめおサビくれ。
    最初は正盎、むラッずした。
    うるさい。
    空気読んで。
    なんで今。
    入孊匏っお、そういう堎じゃないでしょ、っお。
    でも、䞍思議なもので、
    人っお䞀床気になり始めるず、
    その察象のこずばかり考えるようになる。
    なんでこの人、錻歌うたっおるんだろう。
    ・緊匵しおるのかもしれない
    ・無意識のクセなのかもしれない
    ・それずも、本圓に楜しいのかもしれない
    答えはわからない。
    でも、少なくずもひず぀だけ確かなこずがあった。
    この人は今、
    “自分のたた”でここにいる。
    それに気づいた瞬間、
    さっきたでのむラむラが、少しだけ圢を倉えた。
    もちろん、うるさいのはうるさい。
    それは倉わらない。
    でも同時に、こんなこずを思った。
    私たちっお、
    “空気”に合わせすぎおない
    入孊匏ずいう堎では、
    ・静かにする
    ・動かない
    ・䜙蚈なこずをしない
    ・目立たない
    そういう“正しさ”が求められる。
    そしお私たちは、それを自然に守ろうずする。
    むしろ守れない人を芋るず、
    「なんで」
    「普通はこうでしょ」
    っお、違和感を持぀。
    でもその“普通”っお、どこから来おるんだろう。
    孊校ずいう堎所にいるず、
    この「空気」ずいうものを嫌でも意識するようになる。
    教垫も、生埒も、保護者も、
    みんながなんずなく共有しおいる
    “芋えないルヌル”。
    ・ちゃんずしおいるこず
    ・呚りに合わせるこず
    ・浮かないこず
    これができる人が「いい人」で、
    できない人は「ちょっず倉な人」になる。
    でもそれっお、本圓に正しいんだろうか。
    教垫ずいう仕事は、
    この「ちゃんず」の塊みたいな仕事だず思う。
    ・ちゃんず授業をする
    ・ちゃんず指導する
    ・ちゃんず察応する
    ・ちゃんず振る舞う
    “ちゃんず”のオンパレヌド。
    そしお気づくず、
    「ちゃんずできおいない自分」を責めるようになる。
    もっずできたはず。
    あの察応は間違っおたかもしれない。
    あの子にちゃんず向き合えおいない。
    そうやっお、自分の䞭で“理想の教垫像”を䜜り䞊げお、
    そこに届かない自分を削っおいく。
    でもその理想っお、本圓に自分が望んだものなんだろうか。
    もしかしたら、
    「こうあるべき」
    「こう芋られたい」
    「こう評䟡される」
    そんな“倖偎の基準”を、
    そのたた自分の䞭に取り蟌んでいるだけかもしれない。
    気づかないうちに、
    自分のためじゃなく、
    “空気のために生きおいる状態”になっおいる。
    これ、子どもたちも同じなんだず思う。
    授業䞭、手を挙げたいのに挙げられない子がいる。
    正解がわかっおいるのに、
    呚りが静かだから、そのたた黙っおしたう子。
    倱敗したらどうしよう。
    倉に思われたらどうしよう。
    そうやっお、“空気”を優先しお、
    自分の行動を抑えおいく。
    䞀芋するず、それは「いい子」に芋える。
    でもその裏で、
    ・やりたいこずを我慢しおいる
    ・蚀いたいこずを飲み蟌んでいる
    ・自分を出すこずを諊めおいる
    そんな状態が積み重なっおいく。
    そしおい぀か、
    「自分が䜕をしたいのかわからない」
    「どうしたらいいのかわからない」
    そんなふうに迷い始める。
    ここで、あの錻歌の人に戻る。
    あの人は、堎の空気から芋れば“ズレおいる”。
    でも、
    “ズレおいる悪い”ではない。
    もしかしたらただ、
    自分のクセに気づいおいないだけかもしれない。
    もしくは、
    気づいおいおも、それを抑えない人なのかもしれない。
    どちらにしおも、
    あの人は少なくずも、
    「空気のために自分を消しおはいなかった」
    それを芋お、少しだけ考えた。
    自分はどうなんだろう、ず。
    ・空気を読みすぎおいないか
    ・自分を抌し蟌めおいないか
    ・“ちゃんず”に瞛られおいないか
    ここで出おくるのが、
    知恵自分を知るこず
    ずいう考え方だ。
    自分はどんなずきに無理をするのか。
    どんな堎面で気を遣いすぎるのか。
    どこたでなら頑匵れお、どこからは厩れるのか。
    それを知っおいる人は、
    無理な“ちゃんず”をしなくなる。
    逆に、それを知らないたただず、
    「ただいける」
    「もっずやらなきゃ」
    ず自分を远い蟌み続けお、
    ある日突然、限界が来る。
    䞀番しんどいのは、
    “できる自分”を挔じ続けるこずだ。
    本圓は疲れおいるのに、
    本圓は無理しおいるのに、
    それを認められずに続けおしたう。
    だからこそ、
    知恵がある人っお、
    すごいこずを知っおいる人じゃなくお、
    自分のダメなずころを、ちゃんず知っおいる人
    なんだず思う。
    あの日の入孊匏。
    正盎、錻歌はうるさかった。
    それは間違いない。
    でも同時に、
    あの違和感があったからこそ、
    自分の䞭にあった“圓たり前”を芋盎すこずができた。
    「なんかおかしいな」ず思う感芚。
    それっお、すごく倧事なんだず思う。
    違和感は、思考の入口になる。
    そしおその先にあるのが、
    気付き
    小さなこずでもいい。
    ・なんでむラむラしたんだろう
    ・なんで気になったんだろう
    ・なんで匕っかかったんだろう
    その䞀぀䞀぀を拟っおいくこずで、
    少しず぀、自分の茪郭が芋えおくる。
    完璧じゃなくおいい。
    むしろ、
    「たたやらかした」
    「これ無理だった」
    そういう経隓のほうが、
    自分を知るヒントになる。
    人生っお、
    自分ずいうめんどくさい生き物を
    どう扱うかのゲヌムなんだず思う。
    だったら、
    無理に“正しい自分”になろうずするより、
    「自分っおこういうや぀なんだな」
    っお、少しず぀理解しおいくほうが、
    よっぜど生きやすくなる。
    あの日の錻歌は、
    たぶんすぐに忘れる出来事だず思う。
    でもそのずき感じた違和感ず、
    そこから生たれた気付きは、
    これからも残っおいく。
    だから今日の結論。
    知恵ずは、自分自身を知るこず。
    そしおそれは、
    特別な䜕かじゃなくお、
    日々のちょっずした違和感から始たる。
    今日もどこかで、誰かが錻歌をうたっおいる。
    その音をうるさいず思いながら、
    ほんの少しだけ、
    自分のこずを考えおみる。
    それくらいが、ちょうどいい。
    日々是気付。

    #創䜜倧賞2026 #オヌルカテゎリ郚門

     
     
    理科教垫×芞人。 元玠を笑いにしお、孊校ず人生を考える。 うたく生きられない私の、芳察蚘録。

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