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書くことがない

    小学校の宿題で頻繁だった「作文」
    提出する日に
    「忘れました」より多かった弁明
    「書くことがない!」

    書くことがないんだから書いてこないのは当たり前と威張る

    先生はめげない
    「朝起きてまず何しますか?」
    「顔洗ったら何する?」
    「朝ごはん何食べた?誰と食べた?」
    「たべなかったの?なんで?」

    「ほら、書くこといっぱいありましたね
    次はそれを書いてきてください」

    でも次の時もやっぱり
    「書くことがなかった!」と言い張る組は強い
    いつも書くことが有り余って書ききれない子は
    その時思った
    なんにも気にしないで生きている子って多いんだなと

    書かないと苦しくてじっとしていられなかった子供の頃
    頼まれもしないのに書き散らし
    書いても捨てるだけなのに書き散らし
    ノートが好きなだけ買える家ではなかったから
    あげくは新聞紙の空白までも埋めた
    いつも右手の小指側が真っ黒だった

    そんな駄長文書き癖が年齢と共に薄らいだ
    今では俳句みたいな短文しか書けない
    知能が衰えたともいえる
    激情が収まってきたともいえる

    そういう年月を過ごしてきたから
    例えば他人から見れば沢山仕事をしてる人なのに
    感謝もされてる人なのに
    「書くことがない」のは
    精神が安定しているという事で
    いい人生だと思うのです

    いいじゃん
    無理に書かなくても
    無理に書くのが楽しいなら無理に書くのも素敵だけど
    無理にでも書いておかなきゃならないことなら書くしかないけど

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    不死鳥のいる風景 20260708

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