
sakuドキュメント 【50歳】孤独の絶叫遊園地24時
男一人、ジェットコースター地獄に挑む。笑顔はゼロ、涙は無限大
プロローグ テレビの前の決意、少年時代への渇望
何気なく見ていたバラエティ番組。
若いカップルが遊園地でキャッキャしている。観覧車、ジェットコースター、綿菓子。
画面越しの幸福が、俺の部屋を照らす。
ふと気づく。
「俺……もう何十年も遊園地なんて行ってない」
最後に行ったのは、いつだったか。
小学生の頃、父親に連れられて。あの頃の俺は、無敵だった。
ジェットコースターも怖くなかった。いや、怖かったけど、それ以上に楽しかった。
心の奥底に、取り残された少年時代の残り火。
「もう一度、あの感覚を味わいたい」
勢いでスマホを取り出し、ネット予約してしまった。
目的地は"絶叫マシーンの聖地" 某有名遊園地。
チケット代5,000円。入園券と乗り放題のセット。
画面に表示される「ご予約ありがとうございます」の文字。
その瞬間、後悔が押し寄せてくる。
だが俺は50歳、孤独、男一人。四面楚歌の決戦の幕が上がる。

10:00 入園ゲートでの孤独、視線の洗礼
電車を乗り継ぎ、バスに揺られ、遊園地の入口へ。
カップル、家族連れ、学生グループ。
そして、黒タンクトップとリュックひとつの50歳男性。
完全に浮いている。
チケット売り場に並ぶ。
前には手を繋ぐカップル。後ろには笑い声を上げる女子高生グループ。
俺だけが、無言。
「お一人ですか?」
係員の声が、胸に刺さる。
「は、はい……」
震える声で答える。
係員は微笑んだが、その目が語っている。
「この人、大丈夫かな……」
