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芋出し画像

メむドカフェでたで同情される男の、長くお短い敗北の䞀日 再起の50代

※この蚘事は6900文字です。

朝。

目が芚めた瞬間に、
今日もだめだな、
ずわかる朝がある。

あるずいうか、
最近それしかない。

枕元のスマホを芋る。

9時12分。

「うわ」

声が出た。

本圓は8時に起きる予定だった。
いや、予定ずいうか、垌望だった。
もっず蚀えば、昚倜の自分が勝手に決めた理想像だった。

珟実は、
口を半開きにしお、
よくわからない倢の続きみたいな顔で、
垃団に埋たっおいた䞭幎無職である。

カヌテンの隙間から入っおくる光だけが、
劙にたぶしい。

䞖の䞭は、たぶんもう動いおいる。
䌚瀟員は出勀し、
孊生は授業に向かい、
誰かは䌚議で詰められ、
誰かは商談で笑っおいる。

その䞀方で私は、
毛玉の぀いた黒タンクトップを芋぀めながら、
「あ、これただ着れるか  」
などず考えおいる。

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終わっおいる。

だが今日は、
ただの匕きこもりではない。

今日は、久しぶりに倖ぞ出る。

しかもメむドカフェだ。

なぜそんな堎所ぞ行くのか。

理由は単玔である。

珟実があたりにも厳しいず、
人はたたに、
珟実ずたったく関係のない堎所に救いを求める。

もっず正盎に蚀えば、
私は少し前から、
やたらず心がすり枛っおいた。

䜕も進たない。
䜕者にもなれない。
貯金は枛る。
幎霢だけは増える。
SNSを芋るたびに、
他人だけがちゃんず人生をやっおいるように芋える。

そんな䞭で、
ふず思ったのだ。

「メむドカフェなら  䜕か、優しくされるのでは」

発想が終わっおいる。

だが、その終わった発想にすがる皋床には、
私は匱っおいた。

たず顔を掗う。

冷たい。

鏡を芋る。

もっず冷たい。

そこには、
寝䞍足ず加霢ず生掻の停滞を、
䞹念に煮蟌んだような顔があった。

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ひどい。

人間ずいうより、
「最近うたくいっおいない」ずいう抂念が、
たたたた人の圢をずっお立っおいる感じである。

髪も埮劙だ。

寝ぐせなのか老いなのか刀断が぀かない。
暪だけ少し跳ねおいる。
それを手で抌さえる。
戻る。
たた抌さえる。
戻る。

諊めた。

どうせ今日は、
誰にも期埅されおいない。

服を着替える。

ここでひず぀目の倱敗。

ズボンのポケットに、
前回コンビニで買ったレシヌトず、
なぜか也いた玅しょうがが入っおいた。

なぜ玅しょうがが入っおいるのか、
本圓にわからない。

人生のあらゆる堎面でそうだが、
わからないこずが倚すぎる。

朝食はトヌストにしようず思った。

が、
冷蔵庫を開けたら、
食パンが䞀枚だけカピカピになっおいた。

端のほうが、
もはやパンではなく、
薄い建材のようになっおいる。

捚おるべきか迷ったが、
無職に食べ物を捚おるずいう遞択肢はない。

トヌスタヌに入れる。

少し目を離した。

その少しのあいだに、
芋事に炭になった。

パンですら、
私のもずぞ来るず未来を倱う。

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仕方なくむンスタント味噌汁だけ飲む。

熱すぎお舌をやけどした。

出発前に、
すでに満身創痍である。

財垃、スマホ、ハンカチ、鍵。

䜕床も確認する。

こういう日は、
たいおい䜕かを忘れる。

だから確認する。

確認しお、
ちゃんず持った぀もりで、
玄関を出お、
五歩で気づいた。

財垃がない。

戻る。

靎を脱ぐ。

探す。

ない。

探す。

ない。

たさかず思っお冷蔵庫を開けたら、


なぜか財垃が野菜宀の䞊に眮いおあった。

もう説明はしない。

ここたで来るず、
生掻の现郚がすべおホラヌである。

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やっず家を出る。

空は普通に青い。

普通に青いのが腹立぀。

こちらはこんなに終わっおいるのに、
倩気だけは爜やかだ。

駅たで歩く。

途䞭、
コンビニのガラスに映る自分を芋た。

思った以䞊に、
「急に人生が傟いた人」感が出おいる。

背筋が埮劙に䞞い。
足取りに元気がない。
目に、
予定のない平日が宿っおいる。

芋なかったこずにした。

駅に着く。

切笊ではなくICカヌドの時代である。
圓然、私も持っおいる。
持っおいるが、
改札にタッチした瞬間、

残高䞍足。

ぎんぜヌん。

あの音はい぀聞いおも、
瀟䌚から軜く叱られた感じがしお぀らい。

埌ろに人がいる。

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私は小さく䌚釈した。

日本人特有の、
どう考えおも自分のせいなのに、
なぜか「すみたせんね」ずいう、
あの薄い䌚釈である。

チャヌゞ機ぞ向かう。

千円札を入れる。

戻っおくる。

向きが逆だった。

入れ盎す。

今床は入った。

が、
チャヌゞ完了した瞬間、
埌ろの高校生くらいの男の子が、
すっず暪を通り過ぎおいった。

速い。
若さは速い。

ああいう速床で、
人生の分岐も通り過ぎおいったのだろうな、
ず思う。

電車に乗る。

座れない。

぀り革に぀かたる。

揺れる。

昚日よく眠れおいない䜓に、
午前の電車はき぀い。

しかも今日は、
なぜか隣に立った人のリュックの角が、
ずっず私の脇腹に圓たる。

痛い。

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でも、
蚀うほどではない。

蚀うほどではない䞍快感ずいうのが、
人生には䞀番倚い。

それがじわじわ積もっお、
ある日、
メむドカフェに行こうかな、
みたいな刀断になる。

途䞭駅で、
少しだけ空いた。

座れるかず思った。

だが、
私が䞀歩出た瞬間、
向かい偎から珟れた小柄なおばあちゃんが、
信じられないスピヌドでそこに滑り蟌んだ。

完敗である。

あの身のこなしは、
長幎の生掻で鍛えられた本物だった。

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私はたた぀り革に぀かたりながら、
この瀟䌚には、
履歎曞に曞けない実力者が倚すぎる、
ず思った。

やっず目的の駅に着く。

改札を出る。

久しぶりの街だ。

人が倚い。
看板が倚い。
音も倚い。
党郚倚い。

そしお私は、
こういう街に来るたび、
自分だけが堎違いな存圚になった気がする。

みんな䜕かしらの目的を持っお歩いおいる。

買い物。
仕事。
埅ち合わせ。
掚し掻。
芳光。
昌飲み。

私はずいうず、
無職の䞭幎が、
少し優しくしおもらいたくお、
メむドカフェぞ向かっおいる。

文字にするずかなりき぀い。

途䞭、
ビルのガラスにたた自分が映る。

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やめおほしい。

街は芪切ではないが、
容赊はもっずない。

歩いおいるうちに、
目圓おの店の近くたで来た。

そのあたりで、
二぀目の倧きな倱敗が起きた。

道端のちょっずした段差に気づかず、
思いきり぀たずいたのである。

掟手に転ぶほどではない。
だが、
「あっ」ず声が出るくらいには䜓勢を厩した。

その瞬間、
近くにいた若い女の子二人がこちらを芋た。

終わった。

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完党に終わった、
ず思ったが、
そのうちの䞀人が小さく、
「倧䞈倫ですか」
ず蚀った。

優しい。

優しいが、
その優しさが぀らい。

もう若い女性から向けられる感情が、
恋愛でも憧れでもなく、
完党に犏祉なのである。

私は「だ、倧䞈倫です」ず蚀い、
䜕事もなかったように歩こうずした。

その䞀歩で、
今床は靎ひもがほどけおいたこずに気づいた。

しゃがむ。

結ぶ。

立぀。

息が切れる。

たかが靎ひもで、
ここたで疲れる幎霢になったか、
ず少しだけ遠くを芋る。

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ようやく店の前に着いた。

店の入口には、
かわいらしい看板が出おいた。

䞖界芳がある。
倢がある。
装食がある。

そしおその前に立぀私だけ、
珟実が匷すぎる。

䞀床通り過ぎた。

なぜか。

恥ずかしかったからである。

店に入るだけなのに、
䞀床通り過ぎお、
少し先でUタヌンしお、
たた戻っおきた。

䞍審者の動きである。

これを二回やった。

䞉回目で、
入口にいたメむドさんず目が合った。

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saku

 
 
50歳から劄想noteはじめたした。 元・営業マン、今・人生再起動䞭。 ロスゞェネ䞖代無職寞前おじさん。 散歩・昭和歌謡・軜自動車ず生きおたす。 「遅い」なんお誰が決めた 共感しおくれたら、ぜひ䞀緒に。 珟実か幻想か劄想か 本栌掟リアルフィクション 党おを超えおいけ

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