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体の居場所をつくる(伊藤亜紗)|新鮮な読書感想文 vol.1

『体の居場所をつくる』を手に取った日のこと

適応障害の診断をもらって少し経ったころだったと思う。あの場所に行きたくない、いたくない、あの人にも会いたくないし、あの人が発する言葉にも触れたくない。体は起き上がってくれないし、涙は勝手に出てくる。私はなんだかもうだめです。お願いだからしばらく寝させて。そんな調子だった。

『体の居場所をつくる』このタイトルを目にしたとき、あ、そうか、そうか、私はいま体の居場所をつくっている最中なのかもしれない。適応障害になったのもその過程での出来事だ。そう思った。心が適応しなくなったのだろうけど、心もわたしの体だ。私の体の居場所はあそこじゃないことは確か。あそこじゃないならどこだろう。それをこれから探すんだ。そう思ってこの本を買った。正直、タイトルを読んだだけですでに救われた気分になっていた。


本を読むまでに考えていたこと

さっと読めばいいんですよね。さっと開いて読んじゃえばいい。
だけど私は、本を手元に置いたあと、しばらくは「タイトルから引っぱり出された自分の気持ち」にどっぷり浸ってしまう。今回もしばらくの期間そうして過ごしていたし、読んでもないのにこの本いいと思うと人に紹介もしていた。
私は保育士という仕事を長い期間続けてきて、この仕事が天職だと思えるくらい、自分にとって大切な居場所になっていた。だけど、娘(1歳)との生活もはじまり、この本に出会う頃には保育士という仕事を私の居場所だと思うことさえ難しくなっていた。ずっと同じ場所が心地良いわけじゃないのだと気付かされた。

プロローグを読んで

ようやく本を開いた。目次に入る前のプロローグ。著者が飼っていた犬が眠るまで体勢を整えていく過程を読みながら、私は娘の姿を思い浮かべていた。

自分の体を、どこに、どのように置くのか。

『体の居場所をつくる』伊藤亜紗 P3

人も犬も、単に眠いから眠るのではなく、居心地がいいから眠くなるのにちがいありません。

『体の居場所をつくる』伊藤亜紗 P3

今年の3月で1歳になった娘は体も心も日々成長し、眠るまでの時間も変化してきている。
産まれて数日間は手を握るだけで眠り、というかむしろ何もしなくても眠っていたけれど、自宅に戻ってからは抱っこでしか眠らなかった。
さらに成長していくと抱っこされている腕の中でうねうね体を動かし体勢を変えながら縦抱きか、横抱きか、日々ポジションを探しながらもたいてい縦抱き右寄りで落ち着いているようだった。
そこからまた成長していくと、横抱きの方がしっくりくるようで、片腕のみ下にぶらんと垂らした体勢で眠るようになった。

そして1歳を過ぎたいま、抱っこされるとくるりと前を向きそのままするりと腕の中を抜け出して、「そもそもまだ眠くないので」という感じで部屋中を動き回るようになった。
それでも時々ソファーにごろりと寝転んではぼーっとしたり、大人のベッドに連れていくとふあふあな布団に埋もれながら頭を左右に振って頭の位置を整えているようだった。目もだんだん眠たそうな形になり、トントンしていると眠るようになった。

だけど、昨日は違った。「だっこ」と言うので抱っこすると泣いて抜け出す。それでもまた「だっこ」とこちらにやってくる。でも泣いて抜け出す・・・というのを何度も繰り返しているうちに、おむつがおしっこで濡れているからかもと私は考えた。座った姿勢で抱っこをしていたから湿ったおむつがより密着する感覚が嫌だったのかもしれない。そうしておむつを替えたあと、娘は抱っこのまま眠った。

環境と自分の体がフィットしていないとき、私たちは、体の居場所をつくるためにさまざまな工夫をします。

『体の居場所をつくる』伊藤亜紗 P4

娘もフィットしない感覚を味わいながら抱っこ、いや、抱っこじゃない、いや、でも抱っこがいい、なんかいや、そんな感じで繰り返していたのかもしれないし、そうじゃないかもしれない。

居場所をつくること。それは言い換えれば、環境と体の関係を、あれこれと解釈し直し、仮説を立て、根気よく結び直すことに他なりません。

『体の居場所をつくる』伊藤亜紗 P6

まだまだ幼い乳児にはどうしても大人が手をかけてしまう。時には手をかけずに離れて見守ることもある。「体の居場所をつくる」この主語を子どもとした時、しばらくの期間どうしてもそこには大人の押し付けや大人が選択した物事が影響してくるのだと思うと“あれこれと解釈し直し、仮説を立て、根気よく結び直すことに他なりません”という文章がぶっささり、この意識を子どもに関わるときには忘れてはならぬと思うようになった。

そう思うと自分の居場所をつくることさえ自分ひとりで全てできるとは限らないよな・・・と。

ふうっと一息

適応障害になった自分のために手に取った本だったけれど、読みながらまず思い浮かべるのは娘のことだった。かわいいもんな〜娘。さて、ようやくここから目次にはいり、第一章に進んでいく。

新鮮な読書感想文は、マガジン『よみたいよ。つんどく。』に積まれていきます。

読書はもともと苦手でした。だけど、本屋さんは好き。いまの心にぴったりのタイトルに出会うだけでぼわあっと胸があつくなり、レジで購入して自宅に連れて帰る頃には満足してしまう読者でした。なので積読の山です。でもきっと読んだあとの方がもっともっとぼわあああってなるんだろうなと思って『よみたいよ。つんどく。』というマガジンを作りました。

少しずつ読んで、気づいたことをその都度、新鮮なうちに、投稿していこうと思っています。いくつかの書籍を並行読みしていくと思います。すでに読んだ本の感想も投稿するかもしれません。是非フォローしてね。よかったらあなたの感想も聞かせてね。
あ、気分が乗れば更新頻度は高いと思いますが、1歳児の娘が体調を崩したらしばらく消えます。つんどく解消より娘のほうが大事なもんで。

次はいつ読めるかな。  またね。


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れもんさき|あそびとくらしの環境の人|千葉 ここまで読んでくださり、ありがとうございます🍋 もし「これからも読みたいな」と思っていただけたら、お気持ちを託していただけるとうれしいです。いただいた応援は、学びや探求を深め、子どものまなざしを記録し届ける活動に大切に使わせていただきます。