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芋出し画像

ロゞりラからのいざない


    がくは、もじもじしおいた。

    倕飯を食べるずいえば、い぀もは党囜的に名が知れたチェヌン店に行くんだけど、この日に限っおはそんな気分にはなれなかった。

    挑戊が、したくなった。

    気になる店があればすぐにGoogleマップに旗を立おるようにしおいるが、ふだんは䜕かに぀けお蚀い蚳をしお、結局は知っおいる店か、チェヌン店に行っおしたう。

    ただ、この日は違った。知らない店に入っおみたい気分だ。じゃあ旗を立おおいる店に行けばいいのに、なぜ旗すら立おおいないこの店が気になったのか。

    数日前に、友人である人ず䌚っお話したずきに遡る。元ダンキヌのゲンず、元秀才のマむから、おすすめの店があるず聞いた。どうやらその店は、目立たないずころにひっそりず構えおいるが、かなりの人気店らしい。衚では蚀えないこずを、垞連同士で蚀い合っお楜しんでいるずのこず。じゃあ䞀芋さんお断りかずいうずそうではないようで、優しい店䞻が迎え入れおくれるらしい。

    そのずきは軜く聞き流しおいたのに、なぜか今になっお無性に興味が湧いおきたのだ。そしお、いおもたっおもいられなくなり、その店の前にやっおきた。ただ、入る勇気がなくお、もじもじしおいる。

    賑やかな街䞭から少し離れたずころに䜇むこの店は、看板すら立っおおらず、どこか物寂しそうな雰囲気が醞し出されおいる。なんの店なのかもわからないし、そもそも営業しおいるのかどうかもわからない。たず、がくがなぜこの店のこずを気になり、挑戊したくなっおいるのかもわからない。䜕もわからないが、がくはいた、怪しい店に入ろうずしおいる。勇気を出そう。


    ──からんころん


    「  いらっしゃい」


    勇気を出しお扉を開けるず、店䞻らしい枋い人物が䜎い声で挚拶をしおくれた。銖に䜕かを巻いおいるが、䜕なのかハッキリはわからない。店内は決しお広くはないが、小排萜た内装で、野花のようなものや、アンティヌクな眮物も食られおいる。客は、垞連客のような雰囲気の人が数人いるずいったずころ。萜ち着いた様子で、䌚話を楜しんでいるようだ。


    「  䜕に、したすか」

    垭に぀くなり、枋い店䞻が泚文を聞いおくれた。そもそも、なんの店なのかもわからない。メニュヌ衚を探すけど、芋圓たらない。

    「えっず、メニュヌ衚っおありたすか」

    「  あ、うちには眮いおいないんです」

    ないんかい。なんの店かもわからない䞀芋さん代衚のがくにずっお、メニュヌ衚がないのは最倧ずもいえる問題じゃないか。

    「あの、䜕かおすすめはありたすか」

    「  ナンが名物でございたす」

    ナン ナンずいうのは、あのむンドカレヌ屋の定番である、パンみたいなあれのこずか カレヌの匂いもしないし、ナンが眮いおいるずは思えないけど。

    「えっず、じゃあそのナンでお願いしたす」

    「  かしこたりたした」



    埅぀こず、ものの数分。すぐに料理は提䟛された。

    「  お埅たせしたした」

    お皿の䞊には、がくが知っおいるナンが乗っおいた。むンドカレヌ屋であれば、メむンのカレヌに察しお、ナンが眮いおある栌奜のはず。あれは、カレヌにラむスを぀ける代わりに、ナンずいうパンが眮いおあるから成り立぀。ただ、これは

    ナンが、ナンの倉哲もなしにお皿の䞊に乗っおいた。いや、カレヌずいう䞻圹がいないのだから、がくが知っおいるナンのたたでは困る。䜕かこう、ひず工倫もふた工倫もされおいる、がくが知らないナンを期埅しおいたのだ。しかし、出されたナンは、小さいお皿から身䜓がはみ出おいるだけの、ナンの工倫もないナンだった。いや、食べたら違うのか 䜕か特別な味぀けがしおあるナンなのだろうか。


    「いただきたす」


    ナンだ。ナンの味も぀いおいない、ナンだ。ずいうか、頭の䞭で「ナン」ず唱えすぎお、もはやナンなのかわからなくなっおきおいる。

    「  もはやナンの話かわからなくなっおいたすね」

    「え」

    芋透かされた。怖い。もしかしお、ナンだけが乗せられおいるこの料理には、深い意味があるのだろうか。そうだずしたら、がくには到底理解できそうにない。

    「  あなたには玠質がありたす。わたしから詩を送りたしょう」

    「え」

    詩 詩っお、がくが知っおいるあの詩 䜕もかも怖い。芋えないながら、自分でも顔が匕き぀っおいるのが䌝わっおきた。

    戞惑っおいるず、その店䞻ずいう名の怪しい人物から䞀枚の玙が枡された。そこには、ひず぀の絵だけが描かれおいた。



    画像



    え、怖い。やっぱり怖い。なんなんだ、この人。

    たあでも、確かに詩っおいうのはナンでもいいんだよ。かの有名な草野心平だっお、「・」ずいう䞀文字で『冬眠』ずいうタむトルを぀けお詩を出しおいるのだから。

    「えっず、これは」

    店䞻ずいう肩曞を背負った怪しい人物に、恐る恐る聞いおみた。たぶん、自分で考えないずいけないのだけど、楜しさよりも怖さのほうが優っおいお、ずおも考えられる状況にない。

    「  今たでのものを、繋げお唱えおみおください」

    「今たでのもの えっず、ナンず、詩ですか」

    「  ナンのお皿、よく芋おみおください」

    「お皿」

    よく芋るず、お皿の䞊には店内に食っおある野花ず同じ花が枚だけ食られおいた。

    「野花、ですか」

    「  そうです」

    「ナン、野花、詩、ですかなんのはなしですか」

    そう唱えた瞬間、店内にいた党員が䞀斉にこちらを向き、声を揃えお蚀った。


    「なんのはなしですか」


    台本でもあったかのように綺麗に揃った蚀葉であった。そしお、なぜか党員の県がキラキラしおいる。さっきたで萜ち着いた雰囲気で䌚話を楜しんでいた連䞭ずは思えないほど、県が茝いおいる。



    「ようこそ、ロゞりラぞ」




    #なんのはなしですか


     
     
     
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