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国際学術会議で「優秀論文賞」を受賞!―生成AIの教育利用に関する全国2万人規模の比較調査分析

 私が参加する仙台大学AI教育研究チームメンバーで執筆した論文「A Study on the Progress of Generative AI Use among Teachers and Students, and the Educational Challenges and Changes in Awareness」が、このたび eLearn 2025(Bangkok)にて優秀論文賞(Best Paper Award)を受賞しました。

授賞式の模様

 本論文は、こちらから読むことができます。

本論文掲載サイト


この研究は何を明らかにしたのか?

 本研究は、全国の中高生・大学生・教員を対象に、2024年(被験者数:8,769 有効回答:6,939)/2025年(被験者数9,044:有効回答:7,231)の2回にわたって同一設計で実施した、大規模な経年比較調査です。

 生成AIが学校現場で「使われ始めた段階」から「当たり前に存在する段階」へ移行する、この1年の変化を可視化することを目的としました。


主なファインディングス

① 生成AIの利用率は“急激に増加”

• 生徒:30.26% → 54.52%(+80%)
• 教員:19.27% → 32.28%(+67%)
特に大学・大学院生は 34.89% → 66.59% と急伸。
学校現場はわずか1年で「生成AI前提の学習環境」へ大きく変わりました。

② 教員の“心理的抵抗”と“制度不備”は大幅に解消

• 学校に「AI利用ガイドラインがない」
 → 30.73% → 2.27%(-92%)
• 「AIの利用に抵抗がある」
 → 28.17% → 2.75%(-90%)
この1年で、学校の制度化と教員側の順応が一気に進みました。
生成AIをめぐる議論は、「使うか否か」から「どう使うか」へとに移行していると言えます。

③ 一方で“偽装レポート疑惑”は急増し、最大の懸念へ

 もっとも深刻な変化がこれです。
• AIで不正に作られたレポートの疑い
 → 26.34% → 43.89%(+66%)
特に中学校・高校で顕著。
学校レベルでは制度整備が進んだ一方、
「では、生徒の“適切な使い方”はどこまで育っているのか?」
という課題が浮き彫りになりました。

④ 高校生ではコピー&ペースト利用が増加

• 高校生:28.15% → 33.36%(+18.5%)(有意に増加)
• 大学生:25%前後で横ばい(有意差なし)
大学ではアカデミック規範が機能していることがうかがい知れる一方で、
高校では「手軽さ」が先行している現状が見えます。

⑤ “AI利用の基礎スキル”に関する効力感はむしろ低下

• AI生成文の引用方法が分かる
 → 42.89% → 39.44%(低下)
• AIを不正なく適切に使える自信
 → 53.52% → 50.47%(低下)
• 事実確認(ファクトチェック)ができる
 → 36%台で停滞
つまり、AIは広がったが、AIを使いこなす力は追いついていない状態であることが推測されます。

総括:日本の教育はいま“実装フェーズ”へ

 本研究の意義は、「生成AIが教育現場をどの方向へ変化させているのか」をデータで可視化した初めての縦断研究である点にあります。

 結論を一言で言えば——“利用の増大”と“リテラシーの停滞”が同時進行している。

 だからこそ、これからの教育は「使わせない」のではなく、「使わせ方を教える」段階に入ったということです。

OECD (2021)が指摘するように、生成AI時代のリテラシーはツールを使えることより、情報を批判的に評価できる力にあります。本研究は、この方向性を裏付けるものと言えるでしょう。

参考文献

OECD. (2021). 21st-Century Readers: Developing Literacy Skills in a Digital World, OECD Publishing, Paris.


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