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父の家

    戦場生活
    のんびりした発展期の 多くを失った
    知識 興味が 眼から ココロから 遠のく
    この恐ろしい戦争が 僕を老けさせる
     死のやきつくような 虚ろな眼
     悩み 諦めた 死者の顔
    故郷 これまでの生活の全体が 美しい夢のよう
    睡眠は 元気回復のためのもの
    軽快な 内気な子供のような夢も
     僕を幸福にしなくなった
    こうして 故郷は僕から遠ざかってしまった

    一週間の帰省休暇
    軽便鉄道が 殺伐な荒野から 僕を連れ去る

     最初のドイツ娘
     最初のドイツの景色

     とうとう 汽車はL
     どちらを向いても 昔馴染み
     やがて 緑の間に父の家
     父は 二日前に死んだのだった

    夜十一時のポンプ作戦
     ―― 塹壕の泥水をくみ出す
    敵120メートル
    ひゅうひゅう 弾の唸るなか
    糞度胸のある連中が 梨の木の実を拾う
    小麦を刈る 力強い鎌

     ときどき 雑草
     ときどき 鉄条網 電線 砲弾の薬莢


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    雪男

     
     
    詩やSFをものしてゐます。古典、現文、英仏現代アメリカ問はず。好きな作家は、C.ブコウスキー、幸田文、ル・クレジヲ、紫式部より清少納言派 ― 長いものも、ぼちぼちに

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