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『週刊 ゆきおずこ』 第号

第 号   2026/6/29 刊                  ▲ 雪男の蚘事䞀芧


― テニ゜ン  『远憶の詩ぞのプロロヌグ』 より

 
 そうです この知識を
  いやたし 倧いならしめ
  畏敬を  倧いならしめ
 やがお
  心ず魂が 知識ず信仰が 調和し
  昔の調べを奏するこずを
 
 

■ 連茉倜話 ― 『ゞェットドリヌム』

       泉ず河



【あなたのオヌプニング】

 オヌプニング曲 「ミスタヌ・ロンリヌ」 by フランク・プゥルセル

 今日ずいう䞀日の最埌を飛び立っお 
 今では あの街の喧隒も はるか雲の䞋ぞず眮いおきたした
 遠く な぀かしく芋える灯は さお い぀の蚘憶のものでしょう

 今宵の空のスチュワヌドは
  旅路をしずかに芋守る月の明かりず
  そしお 星々はさらに雲海に煌めいお 
  この倜間飛行を 安らかに導いおくれおいたす

 最高の倜に あなただけのゞェット気流に乗っお
 あこがれの旅ぞずテむクオフ

 今倜のフラむトのお䟛をするのは
 パむロットの ○○○あなた
 そしお 䞍思議の囜の王子たちが
 旅先のご案内圹を぀ずめおたいりたす
 

 
【アンダルシア】


地䞭海に臚む
 ゞブラルタルを挟んだ スペむンの城壁
ロヌマ垝囜 ― むスラムから レコンキスタたで ―
 ここは 埁服し 埁服された歎史を繰り返した地でした
そのせいか
 この地には 重芁な䞖界的遺産が数倚く遺されおいたす
  アルハンブラ宮殿  コルドバ
  それらは むスラム䞖界を 圓時そのたたに残しおいたす
 䞖玀レコンキスタの 象城的な建物であるセビリア倧聖堂
  あるいは
  タリファ岬の先
 蜃気楌のように浮かんだアフリカ倧陞の遥かからは
  カルタゎの匂いが挂っおきたす
さお アンダルシアでは 闘牛が有名ですが
 スペむンのいく぀かの郜垂では 今は犁止されおいたす
かの血なたぐさい 殺戮ショヌは
 カルメンなどの 映画の䞖界だけずなるのでしょうか
䞀方の フラメンコは
 町の人々の間で 今でも脈々ず受け継がれおいたす
それは アンダルシアから流れ出した粟神の奔流
 ず蚀っおも過蚀ではないでしょう
圌等の魂の根源で 悠久の遺䌝子は 螊り
 そしお 歌いたす
あなたが この街で觊れるフラメンコは
 単なる芳光客向けの゚ンタヌテむメントなんかではなく
 圌等の生呜そのものの歌であり
 心臓の錓動なのです 
 


【今倜のアルバム】

画像

Paco de Lucia     - Flamenco guitar
Ramon de Algeciras - Flamenco guitar

 
Entre dos aguas (Rumba)

川ふたすじが亀わるずころの
 叀い石橋の䞊で 圌等は出䌚った
偶然だった
パコは
 今晩の 自分の店で料理するチョップを仕入れに出かけた垰り
ラモンは ただ
 恋人に誘われお圌女のアパヌトたで行ったが 圌女は留守だった
ひずすじの川
 せせらぎには静かに川の藻が 底岩に摑たれお䞍自由に挂っおいた
もうひずすじの川からは 颚に飛ばされた萜ち葉が䞀枚
 幞せな刹那に背䞭を抱かれお 舞っおいた
川ふたすじが亀わるずころ
萜ち葉はふず 蚘憶を倱いかけた
気が付くず ゆれる川藻の腕に支えられおいた
 

Aires choqueros (Fandangos de Huelva)

その倜
 ラモンは パコの居酒屋に招埅された
ラモンには 䜕の取柄もなかったが
 フラメンコだけは埗意だった
だから ラモンは
 自慢の黒ケヌスを䞀抱えしお パコの店をおずずれた
パコの店は 乱暎な酔っ払いで繁盛しおいた
垞連だろう
 空いおいる怅子をお構いなしに枡りあるく ヒゲづらのおずこたち
どのテヌブルも みな芪戚のように酒をおごり そしお
 食事を少々 倱敬しおたわる
ラモンは 怅子を䞀脚借り
 膝をたげお 䞀回り小さめのフラメンコを抱えた
その瞬間
 店は驚きのこずばで めずらしく 長く 沈黙した

 
Reflejo de luna (Granaina)

昌間の熱颚がうそのように
 むンディゎ・ブルヌの倕刻が 街から色を奪っおいった
ただ䞀぀ パコの店から挏れる 黄金色をのぞいお
 ― そしお フラメンコのひびき
い぀しか 打぀手の拍子が加わっお
 「オレ」の掛け声がかかる
衚通りの噎氎は ずうに今日の仕事をおえお
 ゆるり はじめの䞀杯をはじめたずころ
空に高く たっさらな月
噎氎の萜ちたプヌルの氎に
 ほろ酔い アンダルシアの月が浮かんで ゆれおいる
 

Solera (Bulerias por Solea)

い぀の間からだろうか
 たしかに フラメンコが二぀聞こえる
すでに耳に銎染んだ ラモンの
 すこし甘く
 女の子を熱心に口説くようなセリフ
しかしそこに
 萜ち着いた倧人の
 䞖界をゆっくりず諭す 老緎な物語りが被さる
 若さず成熟
 緩ず急物語の巧みさに
 今宵の有り䜙った熱が 寄せおは離れお
その巧みな語り手ずは パコ
圌の店は 幎期の入った酒暜のように
 しぶく そしお期埅 あるいは
 冗談さえも 飛ばしお転がった
二すじのフラメンコのレブヒヌトが
 今宵の月を 䞊等に酔わせる
 

Fuente y caudal (Taranta)

ふたすじの魂
 それは どこで生たれたのだろう
遠い先祖のむかしに
 ただ芋ぬふたりが出䌚ったこずを 誰が知り埗よう
しかし魂は
 生れ出でお山を䞋り
 岩をあらい
 深緑の森に口ずさみながら
 我らが時代ぞず蟿り着いた
神すらも予定しなかったこの出䌚いに
 人々は最高の酒ずずもに 二人の粟霊の出䌚いを祝う
そしお 二぀の魂
 二぀のフラメンコが ふたたび溢れ流れだした
たずえそこが 䞍運の堰にずがめられようずも
 枯れた砂挠の時代であったずしおも
粟霊は 空を舞い
 雲ずなっお浮かび
 颚を盟友ずしお 次の酒堎を探すのだ
 

Cepa Andaluza (Buleria)

いたでも カルタゎの颚が舞う
 グラナダの石畳
 粟霊たちをひき぀れた商隊の圱が 枇いた街道にゆくずき
その雑螏の䞭には
 ただ ゎヌト人の叫び声が聞こえるような気がする
埁服ず服埓の
 アンダルシアの歎史が切り倒された
 その切株に腰かけお 悠久を远憶する時
 すべおの調べは アルハンブラの門に膝たづく ず
 

Los Pinares (Tangos)

どこたでも続く束林の
 緑の絶えない海岞線をゆく このずき
 颚のこずばが初めお理解できた
じりじりず 肌を焊がす赀い倪陜の
 容赊ない その針撃のなかで
 砂の城に朜る 雚に流された䞍運ず
 諊めた日々の
  砎れた町に生たれた緑の森
  ささる倪陜をも受け入れた生呜
よろいのごずき幹に刻たれた皺は
 幟千の争いに流された血の筋だろうか
 

Plaza de San Juan

さお 二人の粟霊は ペハネの島たで飛んでいく
もう 誰にも邪魔をされないゞェット気流に乗っお
い぀かの赀い倪陜が 倧西掋に沈もうずも
 圌等は もはや聖者に付き埓うのみ
背䞭では 埁服の倧砲が鳎り響いおいる
倧船団の癜い垆が 氎平線を枡る時には
 「ふたたびか」 ず海鳥が泣く
そんな悲しい気持ちになったずきには
 いらっしゃい パコの店に 
 


【あなたの゚ンディング】

 ゚ンディング曲 「倜間飛行」 by レヌモンド・ルフェヌブル

 さお 倜は
 すっかり 倢の䞭ぞず溶け蟌んでいきたす

 遠くに聞こえた歌は 幻でしょうか 
 それずも 明日の予告線でしょうか

 そんな玠敵な物語が きっず 
 あなただけの旅の始たりずずもに 扉を開けお埅っおいたす

 さあ あずもう少し
  䞍思議の぀づきを あなた自身の倢の䞭で

 今倜 お送りしたアルバムは 
 パコ・デ・ルシアで 『二筋の川』

 フラむトのお䟛をいたしたしたパむロットは
 わたくし ○○○ でした

 
 
 

雪男

 
 
詩やSFをものしおゐたす。叀兞、珟文、英仏珟代アメリカ問はず。奜きな䜜家は、.ブコりスキヌ、幞田文、ル・クレゞヲ、玫匏郚より枅少玍蚀掟 ― 長いものも、がちがちに

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