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ヌスタイジ(郷愁)

    北極の空は 神世のごとく 崇く
    南漠の沙は 墓霜のごとく ただ素い

    客裡 今はなき 霞の故郷の樹を思い回す

    旅人のココロ 問う者ありや
    晩秋の虫の声のごとくなり
    いずれも わびしくて
     さめざめとして 府の窓下にあり

    古人はるか 砧を打つ音が聞こえてきたように
    なほし 雲が冷たい月と同調するかのように
    役目を終えた秋の風は 千里のかなたまで吹きぬいていく

    神の笛の楽曲すら 風の音に拡散してしまい
    落ちたはずの私の涙は 万の方 行方知れず
    唉唉

    高低不揃いの 無法の果実が並う国がある  しかし
    乱れた山は 詩神のココロに叶わない
    麗しき碧は 人芥の愁いなど聞かず いつも埒外だ

    故国の落葉を知らされず
    ただ 夢中にて 鬼女の黄葉を見るばかり

    いつか また
    あの閑なる裏庭に出て 小詩を吟じらんと思うだろうか

    花を訪ねては どこへ かしこへ と
    美しい刺繍のある床几を うごかしながら
    私の魂は 今でも旅て 幻日を彷徨う


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    雪男

     
     
    詩やSFをものしてゐます。古典、現文、英仏現代アメリカ問はず。好きな作家は、C.ブコウスキー、幸田文、ル・クレジヲ、紫式部より清少納言派 ― 長いものも、ぼちぼちに

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