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兄へ

    兄へ 一

     ちり紙の愛情 着いた と
     世界的悲劇の中
      美への憧れを捨てきれず
     煙草の火に暖まる

    兄へ 二

     学徒出陣
      学生が学問を忘れてしまう
     忠実な善人の父の魂
     没我の愛の母の魂
     私は 二つの愛情に律せらる

    兄へ 三

     当分の間 お別れ致します
     桜は 光栄を寿ぐように 美しさを競っています
     やがて散る寂しさを秘めて


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    雪男

     
     
    詩やSFをものしてゐます。古典、現文、英仏現代アメリカ問はず。好きな作家は、C.ブコウスキー、幸田文、ル・クレジヲ、紫式部より清少納言派 ― 長いものも、ぼちぼちに

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