ヒームァ(人間)
ココロに銀幕を
セルリアンブルーの脊梁 鋸目のごとく
山岨が鋭兵 岩城は崔嵬
鬼が挽くや 鋸山を歌いて 木霊する
耳飾にバンドネオン
騰上 また 騰上の ファランドール
仏舎利 伽藍に 寄せらるる
雲霓 俗界の曲隅と 見下す
弥高やムーンライト
十夜は流れりて 太白は ノヴァ
ミノタウロス バフォメット 牧神が杖突きつつも
空山伏は なおも 御昼ならず
風はジャストタイム
白雲 さらさら 嘯聚し ライメイ
落葉ゆらふ 飆飆 吼狂おうとも
野に売僧 これを構わず ― 鼾眠
たれ 玄武より来たり
帝京が客人なり とか
斯日 振延 追手に登臨し
往昔 謀なりしも 涕涙の懐旧
出づしむは 雲と 嘯きばかり
つづく由無物語が千五百年
竹帛の十二僧院の 今は昔
雪泥の鴻爪 ただ 曠日に弥久なり
大覚世尊 ただ 広大磅磄に坐して
黙するのみや
水分神 ただ 四海大洋になづさふて
瞑するのみや
無量大数 暁鐘の音はうち過ぐも
鉄雨 蝕み
憎苔 青生して
猿桑 滄に閲する
西方の汝よ 浮世の栄枯を嗤うや?
さる事なる故に
太平洋洋 ― あの邦の人々が
西方の汝よ けんけんと見下すを知るべし