魚雷
川棚に空襲警報
魂一杯が「もの」に
回天 7号的
殺気の満ちてしまった生命
私の平和な時代の 私の平和な涙よ
お父さん お母さん ねむい午後です
300トンの鋼鉄 双眼鏡
S56°W
左4点 水の子島
右3点 沖無垢島
あと一か月で 敵の前に
心は冷厳 静かな反省の深み
心の裏の冷たさを そっと撫で さすってみる
あきらめきれない砂時計
突撃の時を怖れている
うわすべりの冷静
あと一か月の生命に 私のあがき
海底を ごしごしと這いまわる魚雷
回天 戦用意 敵は空母らしい
人間性に信頼を
死を目前にして しゃくしゃく
志士の精神 ウルシーにて敵を待つ
生死の事 すでに念中を消ゆ
この一か月 静観の日々
生涯に一つの句読を与えたる