メインコンテンツへスキップ

感謝

    125名が
    つまり 大隊の八分の一が 死にました
    激しい夜間戦闘が 荒れ狂っています
    皆様に再開出来ぬかも
    ですから 今のうちに
    愛と真心に 感謝を
    輝かしき少年時代を 過ごすことが出来たことを

    銃弾が前方から
    まず 右の脚部を
    次いで 左の脚部を
    次に 上着のポケットの
      軍事はがき50枚
      新約聖書と
      いろんな小さな本
     を 貫きました

    散兵線
    付け剣 駈足で前進 前進
     ワーツ ワーツ
    広く深い塹壕
    おそろしい力に捉えわれて
     地面に投げ出された
    ああ そーか 一発くらったのか

     真夜中 身辺に轟音
     榴弾が 頭の上で破裂する
     その夜ほど 祈ったことはない

    素晴らしい天気の日曜日
    イギリス軍とドイツ軍のあいだ
    一か八か
    死骸で埋まった塹壕 ドイツ兵
    「 射つな 助けてくれ 」
    僕は 神に感謝した


     ▲ 雪男の記事一覧

     
     
     

    雪男

     
     
    詩やSFをものしてゐます。古典、現文、英仏現代アメリカ問はず。好きな作家は、C.ブコウスキー、幸田文、ル・クレジヲ、紫式部より清少納言派 ― 長いものも、ぼちぼちに

    あなたへのおすすめ