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ヒシクイ(白鳥)

    まだ暗いうちから
    夜明けが 寂しかろう夜を たずねた
    幻霊の泣き声が チン チン と
    山の奥から漏れてくる

    月影の下 天道の大門は小さく閉じられている
    弱小者の力で押してみたが 事は動かない
    遠慮がちに叩いてみるが 沙弥の気も引かないようすだ

    面倒な鴉らが ことさらに騒ぎだす
    虚喝猛猛 高声に 紅をも知らず 誹る
    空っぽのせせら笑をのこして 夜の頭をかすめ 飛び去ると

    悟ったご様子の朝日観音が ゆるり 顔を出した


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    雪男

     
     
    詩やSFをものしてゐます。古典、現文、英仏現代アメリカ問はず。好きな作家は、C.ブコウスキー、幸田文、ル・クレジヲ、紫式部より清少納言派 ― 長いものも、ぼちぼちに

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