メインコンテンツへスキップ

無駄だ

    お父上様 報告しなければなりません
    一番親しい戦友だった あのHが
     榴弾に腹部を破られて 戦死しました

    腹部を打ち開かれて 血の中に倒れていました
    彼の名を呼んでも 応えません

     「 何もかも 無駄だ 」 て

    心をゆすぶるような 悲鳴
    最後の言葉は

     「 もう 何にも見えない
       ―― 気が遠くなる 」

    今さら どうにもならないこと

     「 いい加減 前進してくれたら
       僕はもう 飽き飽きした 」

    威声をあげて突撃だったら 本望だったでしょうに


     ▲ 雪男の記事一覧

     
     
     

    雪男

     
     
    詩やSFをものしてゐます。古典、現文、英仏現代アメリカ問はず。好きな作家は、C.ブコウスキー、幸田文、ル・クレジヲ、紫式部より清少納言派 ― 長いものも、ぼちぼちに

    あなたへのおすすめ