得手に帆を揚げる魁梧のごとく 峰巒
荒荒雄雄しくも 蟻塚に躓く畏相を念ずる
ゑんとして 孔子倒る あるいは 懼懼と啼きずりて
蒼穹の破れ目に逃れる天竜に似たり
ありし 雲居なす千山かなた
息災延命に暮らして 千秋の一日を落とす
万峪 瓊枝の鳥も うち静まりて 号風 吹かめしや
巌を穿ちてまし
労馬 道にかよいしも 大水に絶えぬ
風を喰らふてまし
遊鳥 峠をこえゆきも 天虚に阻みぬ
今はかぎり 老阿吽の眦は緩みて
西行を断決するも びしびしの冬秋来たり
夢想家の墨汁一滴
岳雪 玲瓏たりて 紅そむる
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