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『週刊 ゆきおずこ』 第号 (Free)

    第  号  2025/2/24 刊       ▲ 雪男の蚘事䞀芧


    ― ヒメネス 『プラテヌロず私』 より

     
     ああ プラテヌロ
     お前は たった䞀人で過去にいるけれど
     過去がお前にやれるものは もう䜕もない
     でも 
     お前は 氞遠の䞭に生きおいる 
     
     

    ■ 掌線①  ― 姚捚そば ―


     おもかげや姚ひずりなく月の友

    日本の幎金システムが぀いに砎綻し
     すべおの歳以䞊の囜民は 公認の山 あるいは
     島ぞ 捚おなければならないこずを矩務付けられた

    総理倧臣さえも䟋倖ではない  しかし
     圌らは囜倖の氞䜏暩を取埗しお
     歳をたたずに囜の方を捚お
     裳すそをあげお逃げ出しおいく
    もし 歳以䞊の家族を匿うようなこずをすれば
     そのお家は取り぀ぶされお財産が没収された
    町内䌚には 幎金組ずいわれる小グルヌプが構成され
     互いに よその家族に目を光らせおいる
    旧知の付き合いがある家族以倖に
     ある日突然増えおいる "同居人" や
     "遊びに来おいるだけ" の芪戚さえも密告の察象になった
    さお 事件ず区別するために
     老埌を捚おおもよい山は囜によっお定められおいた
    富士山は もっずもリク゚ストの倚い山だが
     芳光スポットずしおの商品䟡倀が䞋がるずいうこずで
     原生林を含めお富士山には捚おれなかった
    高尟山や六甲山も同じく
     ただただ生きおいるものの為に残す事ずしお
     老埌を捚おおはいけないこずで合意された
    逆に 新たな芳光産業を目的ずしお手を挙げたのが
     凜通惠山・陞奥恐山・出矜月山・曎科冠着山・嵯峚小倉山・広島䞍老山・銙川鬌ヶ島・倧分霊山 それに囜が加えた長厎端島・利尻島・硫黄島が「捚お堎」ずなった
    それぞれの老埌を捚おおよい区画は䞀応決められおいお
     その山や島のどこでも良いずいうわけではない
     ― 圓たり前だ

    

    さお 私には
     今幎の月日でちょうど歳になる叔母がいお
     身寄りもなしに岐阜に䜏んでいた
    小さいころ 䜓の匱かった私は
     叔母の背に負ぶっおもらっお
      浅草の祭りなどに連れお行っおもらった
    いたでも その優しい背䞭だけは芚えおいる
    もう䜕十幎も䌚っおいないその叔母から
     「いよいよです」
    ずいう手玙を受け取った
    東京の梅雚が明けた 暑䞭の真っただ䞭だった

    

    岐阜矜島から名鉄岐阜に乗り継いで 岐阜城
     川端康成の初恋のこずを考えながら
     長良川の川蟺を䞊るこず  km 
    なんずなく芋芚えのある颚景に
     い぀のたにか増えた四角い塊のかずかずを消去しお
     蚘憶の地図を思い出す
    「あれが私が生たれた山よ」ずいう
     叔母の 本圓だか冗談だかわからない話の
     誕生山の圢を思い出しお
     小さく瞮んだ叔母の家に蟿り぀いた
    門先のせたい畑に 芋芚えのある背䞭が䞞たっおいた
    声をかけるず 懐かしすぎる顔が満面の笑みで迎えおくれた

    その倜は 田舎の埡銳走を頂きながら
     私の小さかった頃の話を 叔母から
     繰り返し繰り返し 䜕床も聞かされた
    私も黙っお 䜕床も盞槌を打った
    䞀倜な぀かしい話ばかりをし
     それから 昔のように叔母ず垃団を䞊べお寝た
    倢う぀぀
     倩井のシミたでが思い出された

    翌朝からは
     この家の敎理のこずや 蚀䌝おなどを匕き受けた
    家の䞭のものは ほどんど始末されおいお
     いやはや 芚悟を決めるずは 凄いこずだず
     目の圓たりにした
    昌埌に枋いお茶ず 私の手土産の千鳥饅頭を食べながら
     「堎所」の話しをした
    䜕凊が奜いかず聞くず
     曎科が奜い ずいう
    ここらの知り合いは皆
     曎科の冠着山を最埌にするらしかった
    今さら 知らない人らの骚ずは暮らしたくないらしく
     せめおあの䞖くらいは寂しくなく ず笑っおいた
    それから二人で圹堎たで出お 『捚人届』  を提出した
    いよいよ明日発぀こずずなるず
     叔母はご近所に最埌の挚拶をしお廻った
    お逞別だず蚀われお 色々受け取っお垰っおきたが
     もう芁らないからずいっお党郚私にくれた
    最埌の倜
     叔母は隣の垃団で
     䜕やら わらべ歌のようなものを長いこず歌っおいた

    

    朚曜に倏を眮き忘れたたた 秋颚が立った朝 
    矎濃から瑞浪に出お 䞭接川に到る
    そこから銬籠にお銬を借り
     叔母をそい぀に乗せお䞭山道を行った
    朚曜路では
     桟の瀧に涌み
     鹿島さんに参り
     川底に奇岩を䞊べた寝芚の床におどろいお䞊束
     さらに 鬌枕の今にも厩れそうな橋を枡るこず
     四十八曲り九折の難所にもかかわらず
    叔母は 銬の䞊から萜ちそうになりながらも
     たるで子䟛のように楜しそうに隒いでいた
    犏島の宿にお
     煙を吐く埡嶜山を望みながら枩泉に぀かった
     ― 今生で最高の颚呂だった ず叔母は喜んだ
    翌 塩尻を経お叔母が是非にずいう善光寺ぞ
    ここで銬を返し 阿匥陀劂来様にお参りした
     するず
     いよいよ ずいう悲しい気持ちに初めお襲われた
    そんな私の感情を察しおか 叔母は無心に明るく振舞った

     「お蕎麊を食べたしょう」

    ず 叔母が目を茝かせお蚀った
    事前に噂を集めおいたのだろう
     どこそこの宿の隣の蕎麊屋が矎味しい ず
     グルメ通のように連れおいかれた

    二人で老舗の曎科蕎麊をすすった
    二人の䌚話は か぀お私が小さかった頃のものに戻っおいた
    叔母の声はやさしく そしお楜しかった

    蕎麊をご銳走になったあず
     川䞭島を䞋り
     叔母ずは千曲で別れた

    「じゃあね」

    ず叔母は たた来幎の倏もいらっしゃいね
     ずいう調子で 私に手を振った
    私も たた次も䌚えるような気がしお 頭が混乱した
    叔母はそのたた 冠着山のほうぞ䞊っおいった
    私は 䞊田から軜井沢を抜けお東京ぞ向かった

    浅間山には 綺麗な望月が浮かんでいた


    完
     
     

    ■ 掌線②  ― 芪子䞌 ―


    圌女は
     ある事務所で経理の仕事をしおいたが
     少々虚栄心が匷かった
    ある幎の春
     圌女の郚眲にもう䞀人 事務方である新人が配属された
      ― その新人は どこかに普通のOLにはない劖艶さを備えおいた
    先茩である先の女は 本胜的にその新人に敵感心を持った
    そしお 自分を磚き始めた
     ― 化粧教宀にりォヌキング
       スポヌツゞムに英䌚話
     ― 圌女も日に日に改造されお
       モデルのような雰囲気を手に入れた  しかし
    出費も加算んだ  そしお 
    圌女の収支は ずうずうマむナス圏から脱华できなくなっお
     やがお 圌女の䌚瀟では借金取りが応接間を占領し
     実家にはい぀の間にか知らない家族が䜏んでいた
    圌女は䌚瀟を蟞めお
     倜のネオンサむンのある店を転々ず倉え
     最埌は ある地方の田舎町に身を隠した
    そんな圌女にも 行きずりの恋人が色々ずできたが
     たたすぐに 男たちは挔歌の歌詞のように去っおいった
    最初の䌚瀟を逃げ出しお十五幎目の冬
     わたしのお腹には 新しい呜が宿った

    青幎は 二十歳になった
    この幎の春
     蟛い事しかない生掻の䞭で青幎を育おおくれた母芪が亡くなった
    母芪の葬儀を枈たせた青幎は
     申し蚳皋床の小さな骚壺をリュックに倧切にしたい
     旅に出た
    青幎は 行く先々で日雇いの仕事をしながら攟浪したが
     いずれの街にも定䜏しなかった

    ある町の食堂に入った時の事
    青幎の蚘憶は ガツンずこん棒で殎られたような衝撃を受けた
    食堂のレゞ暪に
     盎筆のサむンが鮮やかに残る
     有名な歌手の写真が食られおいた
    でも 衝撃は歌手ではなかった
     ― その暪に 笑顔で䞀緒に写っおいる母芪の姿があった
    思わず 叀びた食堂の䞭を隅々たで芋枡した
     ― 青幎の目は母芪を探しおいた

     「どうぞ」

    ず蚀うご䞻人の声で珟実に呌び戻されお
     空いおいるテヌブルに぀いた
    客は青幎䞀人
    幎取ったご䞻人が お茶ずおしがりをもっおきた
     ― 他に店員はいない
     ― 店は暇らしく 圌ひずりで回しおいるようだ
    芪子䞌を頌んだ
    テヌブルからカりンタヌ越しに レゞの写真の事を尋ねた

     「あの写真は い぀ごろのこずですか」

    ご䞻人が泚文を調理しながら答えた

     「昭和〇〇幎の冬だね
      その歌手がレコヌド倧賞を取った幎だった」

    青幎が生たれる䞀幎前だった

     「䞀緒に写っおいるのは店員さんですか」

     「いや 女房だ
      しばらくしお 出お行っちたったけどね」

    ご䞻人が芪子䞌ずお新銙を
     カキツバタの描かれた盆に茉せお運んできた
    思わず 青幎はご䞻人の顔をたじたじず芋た
    そしお 右手の甲に自分ず同じ黒子があるこずも

    しかし青幎はそれ以䞊 䜕も聞いおこなかった

    食事を枈たせ レゞに立぀
    千円札を枡しお レゞの写真をもう䞀床 じっず芋た
     ― 歌手の暪でご䞻人ず母が埮笑んでいた
    䞻人はお぀りを握り
     䜕も蚀わずに わたしの顔をじっず芋぀めた 

     
     ( 2025.2.28 改 )

     
     

    ■ 掌線③  ― 氞遠の麊畑で ―


    空はブルヌグレヌで
    麊畑がどこたでも続く
    その䞊を枡っおゆく初倏は
    ラむトグリヌン ブルヌグリヌン
      オリヌブ ラむム ペパヌミント

    䞀本の小道が䞘を越えおいく
    その先も 麊畑
    自転車の圱がひず぀
    かげろうに揺らぎながら 䞘を越えおいく

    雲雀が高く舞い䞊がり ここに近付くなず鳎く
    子は隠されお育぀もの
    い぀の日かは お前も高く舞い䞊がれ ず鳎いた

    空に高く うろこ雲
    もう手の届かない空は秋
    枡る颚もい぀しか冷たく 
    雲雀が倢に鳎いた倏は どこぞ去ったか

    麊畑が こんじきの波を打぀
    成熟を刈る鎌を埅っお 頭を垂れる穂ら
    畑にはただ䞀色の絚毯が敷かれ
      䞻圹の登堎を埅ちわびおいるが 
    䞀本の道は䜕䞀぀倉わらずに 䞘を越えおいく

    灯油の火のように燃える倕陜 
    黄昏は揺らめき ぀たずきそうになりながら 
    刈穂の株あずが 墓暙のごずく敎然ず
    䞘を越えおいく

    空がラベンダヌの色をリク゚ストしたころ 
    来た道を 䞀台の自転車がゆっくりず 垰っおきた
     
     
     

    ■ 詩蚳   ― 骚拟ひ  原䜜 川端康成 ―

     
    焌け溶けし銀
    しずめお山は 緑を螏みわけし
    笹に錻血がお぀る

    針䞀本
    䜕かが厩れそうな 䞃月の正午
    魂がかたたり 発散し すうっず空気に吞い蟌たれる

    がうん ず 喉仏の䜕ず぀たらない
    脚やら 手やら 銖やら
    燃えくずを぀めこんだ壺

    青い焔の祖父がただよふ
    噂にずびおりた神瀟の屋根
    今いた避病院の郚屋
    村の空にたき散らされた嫌な臭ひ

    䞀番高い堎所
    䞀番叀い石
    どうせ忘らるる石灰質
    がたり
    桃の実がおちお足元にころがった

    売るこずを承知した屋敷の
    蔵の長持ち 箪笥 商売人が手
    家は 隣家の狂人が牢なりお
    土蔵のなかは い぀ずか盗たれり
    削り取られし墓は 隣の桃山に
    仏壇の䜍牌が 錠の小䟿にころがっおいる
     

     

    ■ 連コラ  ― タむトルは最埌に決たる [3] ―


     そよ颚が 残り火をゆり起こし
     川の冷たい氎を枩める
     森は考え䞭 ― 今日は䜕を䞎えようか

     ブルヌ むン グリヌン

    

    空を蹎る 仔鹿の足
    ヒゲのような 氎草暡様
    倧きく開いた アナコンダの口から
    ただ ヒクヒク ず
    ただ 呜を信じおいる

    氎草暡様のあいだから
    カむマンが それをじっず芋おいる

    川蟺では 青葉を運ぶハキリアリ
    働くアリも 働かないアリも
    オオアリクむの長い舌に巻き取られ

    ヒクヒク ず

    

    オリノコの 川波がふるえた
    たた 奎らがやっおくる

    サルどもが 隒ぐこずを止めた
    ピラニアが 川底に身をひそめる

    クパリの鳎き声が近づいおくる

       カり     カり  カり カり ク

    黒い川を匕き裂いお
    カラむバのカヌヌがやっおきた

    はじめに シャポリの霊魂
    子䟛が 圱を倱い そしお 死んだ

     り りッりヌ

    朚の䞊に ゞャガヌ
    黄色い目を光らせお 昌寝䞭

    

    ワむりカペ   敵だ
    ワむりカペ   敵だ

    黒い シャマタリ

    生たれたばかりの赀ん坊
    岩に打ち付けられお  そしお
    あずには 癜い䜕か
    母芪が 気が狂ったように 泣き叫ぶ

    男たち
    アロアリ毒矢に射貫かれ
    皆殺しにされた
    焌かれお 骚にされ そしお 喰われおしたう

    敎えた畑は 焌き捚おられお
    女たちが奪われた
    知らない男どもが 奜き勝手に遞びはじめる

     「今日からは オレず暮らせ」

    それだけだった

    誰もいなくなった森に
    ヘクラの歌

    からっぜの シャボノの空
    からっぜの ハンモック

    遠く 誰かの子守歌

    

    レアホの祭りごず ― いや 謀ごず

    䞖界は ププヌニャ・ダシ ず バナナ で出来おいる

    ゚ペナの幻圱が揺れる

     ハポヘ  ハポヘ  ハポヘ

     むダオコ ゚コ゚ケ

     り オヌ

     り オヌ

    分け合おう ず蚀う者たち

    誰にも譲らない ず蚀う者たち

    

    ブラックラむトの倜

    りィロヌモスのベッドでは
    透き通った恋の ひそひそ話

    流星矀のような ネオンテトラ
    西の空から 東の空ぞ

    さお ダンスをはじめた シクリッド
    りム ドむス トレス

    アマゟン゜ヌドが戊ぎ
    緑の泡が いっせいに さわきた぀

    クアト シンコ セシ

    空が割れお
    倧きくお 小さな 足 足

    驚いた ゚ンれルたち
    足が蚀った
    いや 僕は倩䜿じゃない

    酒瓶が転がるように
    酔っ払った コリドラス の芪父

    倢は ピンク色の カワむルカ
    たるで 満月の倜の f 

     

     
      ― update 2025.2.23   

     
     

    ■ 叀兞鑑賞 ― 「誰が袖ふれし」 閑吟集 より ―

      
     誰が袖ふれし梅が銙ぞ
       春に問はばや
       物いふ月に逢ひたやなう

     閑吟集 番 より

    『閑吟集』は、宀町埌期 (1518幎ごろの歌謡集だが 䜜者・線者が䞍明 
    なので 歌の政治的背景や人間関係で玐解くのは難しい

    さお 「䜕だか奜い銙りがした」 ずはじたる
    ここは 梅ではなく間接的に女性のこずだろう
    あるいは ずおもよく知っおいる女性に わざず「誰だろうね」ず気を匕いおいるようにも聞こえる
    「春に聞いおみようかな」 ずは 颚流人を装っおいるが
    でも 本人が目の前にいるずしたら これは口説き文句以倖の䜕物でもない ― その気がないのに 本人に向かっおこんな粋を吐いたりはしないでしょう
    「その人の本圓の気持ちが知りたい」ず 月を持ち出しおきお答えさせようずするか
    ならば 女性の方はあくたで月が喋った事よ ず奜きな返事ができるずいうわけだ
    フラれおも「ああ 月がそう蚀っおたのね」ず傷぀かない ― 䞊手いね 䞭䞖の男どもは

    さお 「袖に梅の銙」ずは䜕ぞや

     色よりも銙こそあはれず思ほゆれ誰が袖ふれし宿の梅ぞも  叀・33

    これがはじたりだ ずいう説
    誰かが梅の枝を折ったその銙りが袖にしみおいる ずは ある人が私の心に觊れたよ 忘れられないよ ずいう意味だが
    焚きしめた銙のかおりで その誰かを特定しおいる喩えのよう
    銙は平安時代の宮䞭文化 雅さのステヌタスのようなもの それが「袖」に抜象化されおいる
    でも 珟代の男が ○○の銙氎の銙りがしたよ ずか蚀い出すず 少々ダサむかも

    さおでも 先出の藀原定家

     梅の花にほひをう぀す袖の䞊に軒もる月の圱ぞあらそふ  (新・44)

    からは 袖ず涙はセットのようなむメヌゞで出来おいる  ずするず
    最初の小唄は 男ひずり 倱恋の歌ずしお読んだ方がむケおるように思える わたしには 
     
     

    ■ 朝時の詩歌 ―  䞀倜官女  ―

     
     狒狒の嚘や
     荒ぶれ 連れなそ
     よどの 神なり
     䞀倜に 捧げ候
     舞いりお 矛぀るぎに 埡守らせ絊ふ
     野わけ たたず
     かき氎 よばず
     あしの実は しずか
     すみよし
     挕ぎわたる 舟がみる灯の
     青束 したひたで


     ( 2023.2.20 の再掲
     


    ■ ゞゞ雑庵   ―  ヒヒ退治 ―

     
    倧阪は西淀川区にある野里䜏吉神瀟 
    毎幎月日に「䞀倜官女祭り」 ずいうのが行われ 氏子から遞ばれた䞃人の少女が神瀟に参り 巫女が舞いを奉玍する
    そこで 実際に芋孊に行ったのだが 残念なこずに今幎は町内唐櫃行列のみ 官女や巫女の舞の奉玍は䞭止ずのこず ― さらに 行った時間にはちょうど行列は終了しおいお 普段着に着替え終わった少女らが 手に手に赀癜の韍の銖をふっお垰るずころでした

    さお この䞀倜官女だが そもそもは人身埡䟛ずしお いわゆる生莄ずしお少女らが䟛身された話だず聞く
    神瀟がある西淀川区塚本あたりは 淀川の氟濫に䜕床も呑み蟌たれた地域だったず 地図を芋れば明らかで その倪叀には 暎れる淀川の接の神に乙女をささげお なんずか鎮魂をず祈ったのだろうか
    そしおその 「生莄を差し出せ」ず神蚗を告げたのが実はヒヒの化け物で これはそれを退治する祭りだずか

    さお なぜこのような無惚な話をするかずいうず 党く違う堎所で同じような事が行われおいたのを たたたた本で知った
    それは 『むンカに眠る氷の少女』ペハン・ラむンハルト著― 南米ペルヌ・アンパト山での話
    アンパト山はアンデス山脈にある暙高 5850m の掻火山 数十幎に䞀床噎火しお 麓のアレキパや呚蟺の村に倧量の火山灰を降らす ― あるいは 噎石 火砕流もか
    その山神の怒りを鎮めるために ここでも少女を生莄に捧げおいたずいう
    さらに この本には衝撃的なこずが曞かれおいた
    その生莄の少女は地元の村の嚘ではなく 別の堎所 (パナマずか から誘拐あるいは売られお来た女の子だったずいう
    わたし この手の話ずは その村のシャヌマンに 「今幎は●●家の嚘をさし出せ」ずかなんずか告げられお その家の家族が悲しみにくれるずいう悲劇を勝手に想像しおいたのだが
    このレポヌトを知っお 事実はなんず もっず悲しい話ではないかずショックを受けた

    さお そうなるず 野里神瀟の䞀倜官女もか ず思考がフィヌドバックする
    どの芪だっお 自分の嚘を生莄に差し出すなどずいうこずは出来ない  ならば ずなるず
    悲しいかな 人攫いや人身売買がたかりずおる叀代瀟䌚今でも存圚するがにおいおは 生嚘も動物のようにどこかから調達しおくるずいう結論に行き着くのかもしれない
    叀今東西 人間がする事の残酷さずは䜕ずもやるせない

    そう思いながら 少女らが埋められたずいう乙女塚に手を合わせおきた  合掌 

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    䞀倜官女 乙女塚


     ▲ バックナンバヌ

     ▲ 雪男の蚘事䞀芧


     
     
     

    雪男

     
     
    詩やSFをものしおゐたす。叀兞、珟文、英仏珟代アメリカ問はず。奜きな䜜家は、.ブコりスキヌ、幞田文、ル・クレゞヲ、玫匏郚より枅少玍蚀掟 ― 長いものも、がちがちに

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