メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

『週刊 ゆきおずこ』 第号

第 号   2026/8/3 刊                  ▲ 雪男の蚘事䞀芧


― 䞊原良治さん  『きけわだ぀みのこえ』 より

 
 身の光栄 これに過ぐるものなし
 䞀噚機 日本を偉倧ならしめられん事を
 倩囜に 埅ちある人あり
 自由䞻矩者 ひずり去らん
 淋しき満足 䞀杯 
 
 
 

■ 掌線①  ― ヒロシマ ―

 
 時分

邪鬌が平安矅城門に䞊るず噂された 西囜路の西では
 空鞘を過ぎたころの 石芋の神々が
 正しき道はどちらか ず尋ねる
地に剣あり
空に鞘あり
地に争うものあらば
 空は燃え立ちあがりお その者らを諫め玍めんず欲す

氎草の粟霊に芋送られお銬出をくぐり
 防空䜜戊宀に朜る
この時にこそ
 菩薩に巡り合わねば ず誰かは感じたであろうか

比治山の若きは 既に敎い䞊び埅ちお
 静粛に䞀刻が告げられるのを埅぀のみずなった

第䜕番の呜たで進んだのであろうか
 玙屋に沿う憲兵卒は
 緎兵に䞊びお その点呌を繋ぎ
 各々の 今の存圚を確認しおゆくずころであった

二葉の第二総軍は
 琉球の悪倢を 今ここに再珟されるこずずは知らされず
その莖いが無駄であったず解するこずなく
 皆が蒞発する瞬間を 正に座しお埅ち臚んでいる

その街の䞀日は 䞍断に始たっおいた  しかし
 それは "普通の日垞" では無かったはずだ
  誰もが怯え
  苊しみ
  できるなら そこを脱しお
  逃げ出したいず思っおいた  しかし
その者らは 䞀方で
 敵を
 人を
 自らず同じ家族を 殺そうず
 汗を流しおいたこずを 忘れおはならぬ
神の勅呜に埓っお進軍し 埁服を望んでいたこずを
戯曲を描いお 取り消すこずはかなわない
 ― 神の手ですら
人の盟など䌜噺
 ― よい出来だず勘違いしおいるのは
   法螺を綎った茩の筆ず 巊腕だけである
他者の呜を奪わんずしおいた者らず その子孫たちよ
うぬが呜らが 先手を蚎たれたずお
 奪われたこずを恚む資栌はない

䞉條橋䞊空 9632m から倩守閣を臚む
次の瞬間
 軍管を匿った己斐浊の城郭に
 小さな少幎が飛び降りた

 
 時分

 


■ 詩蚳   ― 『埓軍手垖 第䞀郚』  原䜜束氞韍暹



序

すでに䞀幎の野戊
鍵をかけられた粟神
戊争は
僕に より倚くを芁求する
日本陞軍に最埌の栄冠を䞎えん
僕は今 軍人以倖の䜿呜を自芚する

 
入隊

走銬灯の隒ぎ
心づくしの 最埌のコヌヒヌの味

品川 レヌルをはさむあの厖に残雪
京郜 瀬戞内海 すべおによろい戞
門叞 異囜のように しんしんず
ボロ貚物船は 玄界の波にはげしく揺れた
朝鮮 赀土 赀土の山 赀土の厖
 山ずいう山にトヌチカ
 「 匟が来るぞ 」
小さなシナ街 幌い日の
 星空の䞋を みなだたっお歩いお行った

 
新兵

速駆け 匍匐の毎日
ただ䌞びない麊
内務ずは䞍合理
軍玀ずは欺瞞
意地だけが 僕を支えおいる
でたらめの員数
生気ないシナ街
ラマ塔の䞋の 蚀葉の通じない小孩

五月だずいうのに 池は沈鬱によどんでいた

 
蚎䌐

朔癖は ただ僕を芋捚おず

突然の匪情 出動 
月䞋 自転車䞀郚隊が六癟の敵を远跡する
匟は 玔粋なる緊匵
匟が来る 突撃前進 敵の逃げ脚は早い

撀退の倜行軍 倒れた兵士を負っお
歩きながら 眠る

特別倖出 酒保の汁粉に息を぀く
だが それだけ
それだけで いいのだろうか

 
内務

初幎兵 食欲だけで粟いっぱい
駐屯地は のらくら
幹郚は P屋ず麻雀
空しい陀隊の日数を数える

軍玀廃頜 芋かねるばかり
戊陣蚓 懲眰什
無意味な時間぀ぶしの反埩

察䞊官暎行眪の連発
抗呜眪 奔敵者の増加
軍は汚名にけがされぬ

 
曞信

内地から 䟿り
しかし しみじみ思い入る䜙裕なし
公然ず 自分を生かしうる日がくるたで

『孊埒兵の手蚘』 ― 自由の盞違
あのように 今の僕には蚱されおいない

停るくらいなら 無音を誇る
消去された思想ず感情
厳重なる 僕の掟

けれど 思いやりある䟿り
粟神の䞊の完党なるストップ
錆び぀く自信
怜閲官が その葉曞をストオノにくべる

 
暍病

倏が来た
くり返される蚎䌐
䞀朚の陰もなき 埃の道

暍病 ― 匟にあたるよりも
氎が はなはだしく悪い ― 䞋痢
歩き出せば たた 熱湯の䞭

粟いっぱいのずころで ぀いお行く
䌑止ず 状況
もう分遅れたら

 
兵隊

駐屯地 たた 䟋の反省

兵士たちは 合理的で あなたたかせ
䌝統の䞍文埋 暩力ず服埓
芁領よく 幎数だけを送る

内地ぞの憧憬 自由の倢

戊闘 死ずの出䌚い
突然 だれも 日本の神になる
護囜の勇士
甘いセンチメンタリズム 自慰 青春の浪費

自惚れ ゞャアナリズムに灜いあれ
向䞊ぞの意思の喪倱
兵士らの自慰が悲し
軍人である前に 䞖代たる

 
教育

幹郚候補生 䞀般兵士 䜕ら異ならず
教育に むンテリ向䞊ぞの意思なし
 䜜戊芁務什
 歩兵操兞
 軍人勅諭
 戊陣蚓
小孊校ず開きなし

術科 これで 察゜戊闘を
日本陞軍 教育なるもの なかりせ
匟雚䞋における䜓隓のみに
合理的生掻法のみに

叀き 烈々の粟神を倱う
員数 階玚の軍隊

茜空に雁
 すでに僕は
新たなる䜿呜を考えおいた

 
性栌

䞭隊では
反軍的 䜓栌劣等 意志薄匱
すべおに鍵をかけた でも 
履歎ず 肌ざわりから 僕の先入芳が぀くられる

幹郚候補生 採甚
完党軍装の蚎䌐䞭隊
 光の䞭に浮いた赀レンガ
  軜く揺れる柳
   埃だけが シナ
きびしい教育 ふたたび
思い心を匕きずる

 
幹候

暡範生
性栌の倉化が 䜓力たでも倉えた
気力による がんばり
ここの僕は 文孊的優柔䞍断
機械のように為し 必芁の皋床だけの感激を装う
憂囜の䞹身ずは
 停りの涙
 嘘の感激
 いたずらな悲憀慷慚

 
䞍感症

情熱の喪倱
ああ 軍服の䞋に 僕はハヌトを持たなかった
 戊友の自殺
 身に集たる集䞭匟
 惚虐なる拷問
 自らの銃剣の衂り
僕は 銬鹿のように䞍感症であった

あの日から 二重仮面
非珟実の䞭の生掻
倢には だんだんず
 あの人たちが 生き生きず

定家 雅経のリアルな肉䜓
僕は 平安歌人ず膝を亀える

真実 ここでは 死者の䞖界
自己嫌悪ず人間嫌い
日ごず 匷く 深く

 
䜿呜

軍隊
たったく密床の異なる空気
感芚も 感情も い぀わっお

軍人
他の䜿呜も欲望も捚おるべく
圢匏的で䜎玚

軍隊改造の䜿呜
䜿呜ずは 環境の䞭に定む
忠節 ただ䞀぀
陛䞋ぞの垰䞀 ただ䞀぀
善意 ただ䞀぀

 
戊争

どんなものか わからない
いやなものか どうかさえ

戊闘の䞭にいるず
ほんずうの䜓隓が぀かめない

 
軍隊

蚎䌐戊闘は 兎狩り
ぐるっず囲んでおいお 砲火で远い出す
たるで 遊び半分
死は くだらぬ時に䞍意にやっおくる

すべおは この氞久的垞時のもの
絶察䞍自由の軍人䞖代

ノモンハン
重芁なのは 組織ず瀟䌚的アトモスフィアの科孊化
゜ロモンの苊戊
軍隊の実力の限床
兵士は近代の個人䞻矩

僕の軍隊芳
肉䜓ず粟神の孀立を吊定
非科孊的囜軍の封建的モラル

皇軍の䞀員たる名誉
けれど 䜿呜ず環境ずの矛盟
底知れぬたでに
僕は たすたす沈朜せざるをえず

 
芳念

珟実を遊離した芳念
論壇文壇の無力
総合雑誌 思想界は 䞀床滅亡しなければならない

 
芜生え

"数えたい" ずする努力
目を぀ぶれ 心臓よ凍結せよ
冷凍魚のように 冬眠

終倜 掩䜓 黎明攻撃の挔習
星ばかりが ギラギラず 裞で僕を刺した

この䞍満にもかかわらず
春は やはりめぐっおきた
倧空に過雁 遠い憧れの声
その翌日は
たちたち 苊しい矛盟の䞭
停装の修緎 䌁図の秘匿

 
卒業

雁の列 営庭の桃李
ドンチャン隒ぎを捚おお トオチカに登る
浅春の誘惑
遠くに蛙
倧陞で 初めお自分を語る

保定を去る
埃の河北 緑の山東
停装の生掻ずの別れ
 
 

※『きけわだ぀みのこえ』 ― 束氞韍暹さん より詩蚳
 
 
  

 
 
 

雪男

 
 
詩やSFをものしおゐたす。叀兞、珟文、英仏珟代アメリカ問はず。奜きな䜜家は、.ブコりスキヌ、幞田文、ル・クレゞヲ、玫匏郚より枅少玍蚀掟 ― 長いものも、がちがちに

あなたぞのおすすめ