
おのれ。人間め。
山田は失望した。
人間という生き物を、
山田は信じてはいけなかったのだ。
勤勉に日々を積み重ねるより、
怠ける者の何と多き事か。
もはや山田は人類を信じていない。
彼奴等は傲慢で、怠慢な生き物なのだ。
地球に蔓延り、山ほど積み上げられた日常問題をほったらかしに、スマホなんか見ているのだから。
「…何?ついに人類を憎み出したの?」
お、聞いてくれるか、ダーリン。
まぁ座れ。
君も飲む?
テキーラコーク。
飲まない。
あ、そ。
見て。
今日届くの楽しみにしてた新刊が、誤配された。
どこだよこの玄関先は。
掃除が行き届き、素敵な鉢植えなんか置かれてる。
我が家じゃない。
傘やキックボードや三輪車、姉妹が拾ってきた素敵な枝たちが散乱する我が家の玄関じゃない。
とにかく手元に新刊が届いていない。
悲しい。
今月に入って2度目の誤配だ。
洗剤は届かんでもいいが、新刊は許さん。
「配送業者さんも忙しいんだよ。
君ね、本屋なんか歩いて5分なんだから、Amazon使わないの。
前に誤配があった後、家の特徴は追記したの?」
ぐぬぬ。
ぐぅの音も出ない。
正論で殴るのは、どうかと思うぞ、人間よ。
あとがき
カッとなって書いた。
ごめんね、巻き込んだ人類。
いつもありがとう、Amazon様。
いつもありがとう、配送業者様。
追記したよ、うちの玄関の特徴。
よろしくお願いいたします。
※無事、届きました。