
【ショートエッセイ】後向き
なんだか、最近、うまくいかない。何が、と聞かれてもはっきりとその正体を答えられないのだが、何かが、うまくいっていない。かの大文豪風に言えば、「ぼんやりとした不安」というやつだろうか。そういうものに、ここ最近取り憑かれている。
ぼんやりと歩いていたら、いつの間にか自分は今後ろ向きに進んでいるのではないかと不安に駆られるような心持ちで今日も過ごした。
それでも日課の短歌だけはつくってしまいたいので、今まで書き溜めた歌のメモを開く。
一番上のページは、当然白紙である。
何とはなしに後ろへ後ろへとページをめくっていると、今よりずっと拙い語句の羅列がちらほら見えた。
なんと、わたしは少しは前に進めていたのか、とちょっぴり安堵する。
後ろを振り返るのも、たまには悪くない。後ろから見た後ろは前なのだから、振り返った先には未来があるかも。
わたしは一番新しいページに戻って、ペンを取った。