
「ドラッガーから学んだ実践⑨」 映画『ボストン市庁舎』にみるドラッガー流マネジメントの実践。世界の優良企業や自治体で、もう当たり前のように行われている。
マーティン・ウォルシュ前ボストン市長時代の市役所の活動を描いたドキュメント映画『ボストン市長舎』(フレデリック・ワイズマン監督)を、もう見ただろうか?
この映画では、多くの場面で市の職員が直接市民と議論している。前市長も、彼が市民と共に作成したビジョンを受け継いだミシェル・ウー現市長も、世界で最も市民に寄り添う市政と評価されている。
映画から感じる実践されたドラッガー流マネジメントの一部を主に顧客重視の観点から以下にあげる。と言うか、もうドラッガー流マネジメントは世界標準で世界の優良企業や先進自治体(ロンドン市とかパリ市とか)は既に取り入れている。
ミッション・ビジョン・責任と権限の明確化
マーティン・ウォルシュ前市長は、15,000人以上のボストン市民と共に、2年かけてImagine2030というビジョンを作成した。市長の部屋Webで各部署はそれぞれミッションを宣言している。 また、責任と権限(特に予算執行)の明確化されていることである。
そして重要なことは、全ての職員が自分達の職場のミッション・ビジョン(何のためにここで働いて、何を実現しようとしているのか)を理解していることである。 Youtubeに簡単な解説がある。ビションには、市民に寄り添うだけでなく、もちろん強い経済やイノベーションやテクノロジーの強化も含まれている。
例えば、福祉担当の職員が市民と話し合いを行なっている場面で、車椅子の市民が図書館の入り口にスロープがないので入りづらいと言ったら、即座に福祉担当の職員がスロープを作らせると宣言した場面である。これは、職員がミッション・ビジョンを理解している証拠であり、またすぐさま決定する権限と予算が与えられている証拠である。
市民との会話を重視
映画の冒頭は顧客管理システム(CRM)を使⽤したコールセンターの様⼦から始まる。そのコールセンターに登録された市民からの意見で重大な問題で、すぐに対処すべき問題を市⻑が幹部との会議で取り上げる。そして、市長は警察、庁内や地域と共有し、その重大な問題に対して適切に処理するよう指示している。その後も、次のような多くの市⺠との対話の中から最善の策を模索する場面が続く
ー 市⺠との⾯会者リストを作成して市⻑と⾯会
ー 市営住宅の⽴ち退きの問題に住⺠が出席
ー ⾼齢者施設で市⻑と住⺠の対話集会
ー 戦争帰還兵⼠の集会で、市長が彼らの話を聞く
その他にも多くの市⺠との対話集会の場面がある。
災害対応
遠く離れたルイジアナ州で起きたハリケーンカトリーナの⼤災害を教訓とし、アメリカ大陸東北部で一番災害の少ないボストであるにも関わらず、市主催の防災会議を開催。その席で地元不動産業者などのパートナー企業に、ボストン市を災害に強い街にすることなど協⼒要請。
福祉・教育・環境
看護師:重症患者を1:1などの福祉政策の充実