私の愛聴盤その5・A-HA / HUNTING HIGH AND LOW

第5回は、「A-HA / HUNTING HIGH AND LOW 」です。
私がチャートものを追いかけた最後のバンド?です。
当時はMTVの全盛期でした。MTVとは?という方のために軽く説明しておくと、アメリカの有線テレビで曲のプロモーションビデオを24時間、流し続ける番組があったのです。現在のようにネットで自由に何でも見ることのできる時代では無いので、アメリカではとても人気があったようです。
日本においても、私の住む地域では深夜枠で1時間程度でしたが放送されており、地方ローカルでもプロモーションビデオを紹介する番組はいくつかありました。
そんな時代ですからチャート、特にアメリカを制するためにはMTVでどれだけ流されるかが鍵となっており、先に触れた「第二次ブリティッシュ・インヴェイジョン」もこの流れで生まれたものです。極端な話、プロモーションビデオの良し悪しが曲そのものより重視されていたわけです。
そのような状況のなかで、この曲とビデオに出会いました。
☆今までは敢えてプロモーションビデオでないリンクを貼って
いましたが、これはさすがに無視できないです。
今やCGどころかAIでどんな映像でも作れる感がありますが、当時感じたこの映像の衝撃たるや本当に凄いもので(多分に私見が大きい)、曲そのものも非常に分かりやすく、すぐにお気に入りとなりました。
次のシングル曲はちょっとオーバープロデュースな感もありますが、ビデオも全作の続きというなかなか良い演出です。
☆改めて見ると皆、若くてカッコいい
当時はまだCDプレイヤーを持っていなかったので、LP盤を買いました。実はキズ付きだから安くすると言われて同じクラスのT君から一度、格安で買ったのですが、結局それでは不満だったので新品で買い直しました。私にとっては同一タイトルを複数枚所有するという、今では当然のように(?)やっている行為の図らずも初体験ともなりました。
立見席をやっとの思いで手に入れて来日公演にも行きました。これも外タレ(!)初体験でした。先行して演奏された新曲以外はずっと一緒に歌っていたのも恥ずかしい思い出です。英語ネイティブではない彼ら(メンバー全員ノルウェー人)の歌詞は、言い回しが何だかすごく変なのですが、それもまぁ、良しですね。
バンド自体には、4th 以降は私が古いロックに夢中になってしまったこともあり、急に熱が冷めてしまい、アルバムも買わなくなってしまいましたが(今では揃えています)、このアルバムはずっと事ある毎に聴き続けていました。
☆何気にこの曲が大好きです
当時から、1st シングルの「 Take on Me 」は再リリースされたヴァージョンだというのは知っていましたが、実際に耳にしたのは本作のデラックスエディションが発売されてからでした。アルバム全編をプロデュースした Tony Mansfield の色が満載で、彼の作る音が分かる今なら、これもありかとは思いますが、確かにこれでは売れなかったかなという気もします。
ただ、アルバム全体を覆うどこか青暗い(私にはそう聴こえる)雰囲気はTony Mansfield ならではかなという気もします。彼のプロデュースワークが私にとってこのアルバムを特別なものにしている要素の一つであることは間違いありません。
ちなみに、何年か前に上映されたバンドのドキュメンタリー映画の中で、Take on Me が何故これほどのヒットになったのかについて、ヴォーカルの Morten は「俺の声があったから」、シンセの Mags は「俺の作ったリフ(イントロ)があったから」 、作詞作曲の Paul (←ノルウェー語で書けなかった)は「曲を作ったのが俺だから」と、確かにどれもそうだけどそれだけじゃないんだなぁという回答をしていたのが面白かったですね。
バンドは一応、現役です。先の映画の中でもメンバーの不仲は相当なものの様子でしたが、このバンドでないと到達できない何かがあるからと Morten が答えていたのが印象的でした。
余談ですが、YouTubeも Amazon Music も3曲目の「 Hunting High and Low 」がシングルヴァージョンに差し替えられてしまっているのが残念です。
確かにオーケストラを使ったシングルヴァージョンは豪華で聴き応えがありますが、ここはやはり若干チープだけど切ないオリジナルヴァージョンの方が良いですね。
