
小さい銀行が大きな○○で揺れた日。
タイトル見てびっくりされた方の為に、、
○○は地震ではありません。
1日目。
先日、いつもの銀行でお金を下ろそうとした俺。
その行きつけの銀行は○○支店という大きなところでなく○○出張所という小さな銀行。
窓口二つと椅子に座って衝立てのある窓口が一つだけの小さな銀行。
入口の外にはATMが3台ある。
PM3時過ぎて窓口が閉まったあとに、
4時頃に来てATMでお金を下ろそうと俺は入店した。
お金引き出す時はATMに通帳かカードを入れる。
当たり前。当たり前体操。当たり前田のクラッカー。
【お引出し】のボタンを押すと、、
【通帳またはカードをお入れ下さい」
わかりきった事を平然と言ってくる。
癇に障る奴だ。
今日はカードではなく通帳を使うつもりだ。
何故なら、、
この銀行は主に公共料金などの引き落としに使ってる。
よって記帳しないと何が、
いつ、いくら引き落とされるか把握出来なくなるからだ。
通帳記入を躊躇〜する理由など俺の中では存在しない。
通帳入れると、、、
【暗証番号を押して下さい】
普段はお預け入れしか使わないので、
暗証番号は要らない。
しかし今日は【引き出し】で来ている。
「なるほど、そう来たか?」
油断させてから責めてくる。
戦い方をよく知っている奴だ。
私は冷静に表情一つ変える事なく、
普段は押さないから忘れかけてる番号の記憶を懸命に辿り、
ビッ、ビッ、ビッ、ビッ、、、と、
ATMの奴に攻撃を仕掛けた。
【お引出し金額を入れて下さい】
○万円と入れて、カシャカシャと通帳に印字記入されて、ハイ、お金が出てきて今日の業務終了というイメージが俺の頭の中で完璧に出来上がっていた。
のだが、、、、
カシャカシャの印字記入の音もなく、、
祇園精舎の鐘もなく諸行無常の響きもなく、、
【暗証番号が違います。もう一度やり直して下さい】
「・・・・・・」
人は信じ切ってたものに裏切られたらどうなるのか❓️
傷つき、うろたえ、涙ぐむ。
最初と最後の状態にはなりえない。
俺はハードな男だから。
しかし、真ん中の状態に少し襲われた。
いや少しでなく、、、かなり。
いわゆる「私パニックっております」状態に。
「え、この番号じゃなかったっけ❓️」
周りに人がいないので声が出てしまった。
落ち着け、落ち着け、、、、
ハードな男はこんな事では取り乱さない。
「あっ、ということはこっちの番号か❓️」
また、声に出してしまう俺。
でも一つ思い出したことで少し落ち着いた。

福岡銀行ATM画像より。
この話は福岡銀行の事ではありませんので。
「そうだ。あの時に変えたんだった」
とこれは声にはせずに、、(少し落ち着く)
ビッビッビッビッと。
「よし、これでよし」
普段の俺を取り戻してどうだとばかりに、
画面の表示を見る。
【暗証番号が違います。もう一度やり直して下さい】
【・・・・・・・】
パニックを通り越したら人はどうなるのか❓️
固まります。
🎵夢だと言って、一人笑って、身体固まり、風まかせ〜🎵
桑田佳祐の波乗りジョニーのサビ風に。
もう一回、間違えたらロックされて使えなくなる。
今日は諦めて態勢を立て直すべきだと判断して、、、俺は一旦帰宅した。
小さな銀行に電話して、事の顛末を話すと、、やっぱり暗証番号を忘れた場合は窓口で手続きになるとの事。
持って行く物を聞いて明日朝一に窓口に行くことに。
明日は仕事休みで本当に良かった・・・
2日目。
AM9時に俺は小さな銀行に来た。
外のATMは入れ替わり立ち替わり人がやって来る。
9時ピッタリに小さな銀行のシャッターがゆっくり上がる。
その時点で窓口に行く客は俺一人だけだった。
そして入店。
「いらっしゃいませ」
と行員の声が響く。
ざっと見て窓口担当女子行員2名、入口に案内担当女子行員1名、奥に男子行員2名の合わせて5人をいることをサッと目視で俺は確認した
「今日はどうされました」
「はい、銀行強盗です」
「昨日電話した者ですが暗証番号を忘れてしまって」
「あ、わかりました。案内カード取られてお待ち下さい」
俺しか客はいないんだけど、、、
黙って案内カードとったら、
「こちらへどうぞ」と窓口の女子行員。
カード取る必要無かったよね、絶対。
あ、呟きか。
「どうされましたか❓️」
「暗証番号を忘れて。昨日ATMで2回間違えてしまって、3回間違えたらロックされてしまうから」
「昨日電話されて、、今日必要な物はお持ち頂きましたか❓️」
うん、昨日電話出たのは貴方❓️
じゃあ~用件わかってたよね。
その気持は表情にはこれっぽっちも出さずに
「ハイ、持ってきてます」元気よく答える。
「カードはお持ちですか❓️」
すかさずカードを渡すとそのまま奥のパソコンへ。
そして、女子行員もカードをすかさず調べて、、、
「お客様。確かに通帳で2回間違えてますが
カードでならもう2回間違えても大丈夫です。これかなという番号あれば試されますか❓️」
え‼️そうなんや〜。やります、やりますよ〜
やるに決まってるやろ〜。
「そうなんですか。じゃあ試してみます」
平静を装いカードをもらいATMへ。
実は前日に2回間違えたけど、
1回目の時に慌てて押して番号をちゃんと押せて無かったのではないか?
という疑問が昨日から俺の頭から離れずにいた。
だからカードでもう2回試せるのは神様からの贈り物。別に何もご褒美貰う事はしてないけど。
自動ドアから出て外のATMの1台に仁王立ちする俺。
中からの行員達の視線を痛いほど感じる。
なんといっても、客は俺一人だから。
俺の結果、そして答えを全員待ちわびている。
俺は昨日最初に押した番号をもう一度ゆっくりと押してみた、、、
確実に、、、一つずつ、、、
ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、。
【お引出し金額を押して下さい】
○万円と押して、ピッ。
ブルブルブルブル〜、ガシャ‼️
【お札をお取り下さい】
で、出来た〜、出来ました〜‼️
先生出来ました〜‼️
あ、そういう心の歓喜の叫びは押し殺して、
無表情のまま、行員達が待つ中へ。
全員の視線が俺にレーザービームのように浴びせられる。
「出来ました。お金おろせました」
「わあ~、そうですか❓️良かったです‼️」
満面の笑顔の窓口担当女子行員。
弾ける笑顔ってこういうものなんだと初めて俺は知った。
他の行員の人達も全員が今にもスタンディングオベーションしそうな勢いの笑顔で私を迎え入れてくれた。
何人か座ってたからスタンディングオベーションは無理筋だけど。
「ありがとうございました〜、お騒がせしました」
と言って私はそそくさと小さな銀行をあとにした。
恥ずかしい思いをしたけれど、、、
あの時確かに小さな銀行は大きな「笑い」で揺れた。
ように俺は感じた。
小さな銀行の行員の人達にとって俺は、、、
朝一の客として、、
「笑い」をお預け入れしてくれた理想的な客だったのでは❓️
だと思いたい。
呟きも止まらない。
そして、、、、
風邪気味の俺は咳も止まらない。
ク・ダ・ラ・ナ・イ(笑)
【了】
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