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灯の記憶3 灯は何を照らしたのか ──『向日葵』と『沈黙の灯』への問い

    灯の記憶1 叙事詩的連作短歌『向日葵』── ある家族の物語|ひなた葵真
    灯の記憶2 叙事詩的連作短歌『沈黙の灯』── 向日葵の下に|ひなた葵真

    叙事詩的連作短歌『向日葵』と『沈黙の灯』は、家族の中に差していた光と、その足もとに落ちていた影、そして沈黙の内にかすかに灯り続けるものを見つめて綴った作品です。
    この二作は、短歌本文のみならず、作者名、作者紹介、序文、結びに至るまで、一つの流れの中で読んでいただきたいと思っています。
    ここに掲げる問いは、正解を求めるためのものではありません。
    作品を読み深めるための、ささやかな手がかりとして置いたものです。
    それぞれの問いを通して、読者の方がご自身の言葉で作品に触れ、作品の中にある光や影をたどっていただければ幸いです。

    問い1

    作者紹介に「短歌を詠む責務に駆られ」と記しています。作者は、どのような思いから、そのように感じたのでしょうか。
    『向日葵』の「結び」を手がかりにしながら、その思いをたどってみてください。

    問い2

    作者名「ひなた葵真」には、どのような思いや意味が込められているのでしょうか。
    作品名『向日葵』とのつながりも含めて、感じたことをたどってみてください。

    問い3

    『向日葵』の序文では、父の光が強かったからこそ、その足もとに濃い影も生まれていた、と読むことができます。
    この「影」とは、作品全体を通して、どのようなものとして描かれているのでしょうか。

    問い4

    『向日葵』では、第一部と第二部とで、「向日葵」が象徴するものが反転しているように感じられます。
    この変化には、どのような意味があるのでしょうか。

    問い5

    『向日葵』第一部「母に捧ぐ」を通して読むと、亡き父のどのような願いが浮かび上がってくるでしょうか。
    遺された母や家族へ向けられたまなざしも含めて、感じてみてください。

    問い6

    『向日葵』第一部の「車庫掃きて父の足跡忍び見ゆ 残した想い胸に沁み入る」では、語り手の胸に、どのような思いが広がっていたのでしょうか。
    第二部で車庫がどのような場所として描かれているかも踏まえて、感じてみてください。

    問い7

    『向日葵』第一部の「蛍光灯替えてくれぬと待ちし日々 自ら手伸ばし新たに灯す」では、語り手は誰に、どのような役割を期待していたのでしょうか。
    第二部での蛍光灯の扱われ方も踏まえて、感じてみてください。

    問い8

    『向日葵』第二部「妹の夫(妻の無関心)」では、妻が兄に対して距離を置いているように見える姿が描かれています。
    そのような距離が生まれるまでに、どのような歳月の積み重ねがあったのでしょうか。

    問い9

    『向日葵』第二部の「灯は語る亡き父と共に蛍光灯 替えぬままの寂しさよ」では、なぜ「灯」は寂しさをひとり語っているのでしょうか。
    蛍光灯という具体物が作品の中で担っている意味もあわせて、感じてみてください。

    問い10

    『向日葵』第二部の「呆けたならこころ遠のき哀しみも 懐かしささえ消ゆと言ふ母」には、母のどのような思いや祈りが込められているのでしょうか。

    問い11

    『向日葵』『沈黙の灯』では、「灯」という言葉が繰り返し用いられています。この「灯」は、作品全体の中でどのような役割を果たしているのでしょうか。
    亡き父の残照、母の沈黙、家族の記憶とのつながりも含めて、感じてみてください。

    問い12

    『沈黙の灯』「母の文(ふみ)」では、母の筆跡について「母の筆跡歪みあり」と記されています。
    この表現から、母の置かれていた状況や心のありようをどのように感じ取ることができるでしょうか。

    問い13

    『沈黙の灯』「悲しい絆」の「犯せし罪を背負いて生きん」
    の言葉に出てくる「罪」には、どのような痛みや悔いが込められているのでしょうか。
    母が胸の内に抱えている思いにふれながら、感じてみてください。

    問い14

    『沈黙の灯』では、「母の文」「手摺りと沈黙」「悲しい絆」の三つの章を通して、異なる種類の沈黙が描かれています。
    それぞれの章では、どのような沈黙が描かれているのでしょうか。その違いを感じてみてください。

     
     
    妻の父の永眠を契機に短歌を詠む責務に駆られ、家族の光と影を描きました。叙事詩的連作短歌『向日葵』。第一部は、楽しかった思い出の写真を添えた文集として編み、妻の母に捧げています。

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