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それでも私はあなたの絵が見たい

    「絵でも描いてみたら?」

    友達のAからストレス解消法を聞かれた時の私の言葉です。

    Aとは社会人になってから
    仲良くなりました。

    お互い仕事のことから恋愛などプライベートのことまで
    なんでも話してきましたし、
    辛いことがあった時はすごく支えてもらってきました。

    あまり人を入れない私の家に唯一連泊するのはAです。

    友達の中ではAは割と自由人、
    私はどちらかというとしっかりしているように見られがちです。

    でも実は逆なんです。

    Aは本当はすごく気を使うタイプで真面目。
    場の空気を読んでピエロもできる。
    仕事も手を抜けない。
    マイペースで自由なタイプに見られるけれど、
    実は気疲れしやすい。

    私は心配性。
    想像が広がりすぎるので
    ありもしないことまで心配して気疲れするタイプ。

    気疲れの仕方が違うので、
    Aと私はお互いに「生きるの大変そう」と言い合ってます。

    いらぬ心配などしなかったらいいのに、とAは言う。
    適度に手を抜いたらいいのに、と私は言う。

    お互い観点が違うので、
    「そんなこと気にする?」と言う話になり
    ネタは尽きません。
    だからお互い気を使わずにいられている気がします。

    そんなAのストレス発散方法はライブに行くことです。
    ちょっとスピっぽい言い方になるかもですが、
    生きてるエネルギーを感じて元気になるんだろうな、
    と見ていて思います。

    ライブ前後のAはいきいきしています。
    LINEも活発に動きますがライブがない時期は真逆。
    分かりやすく活力がなくなり家に引きこもってたりします。
    全然連絡が来ないと最近ライブないんだなとわかるくらい。
    そんな時期に、仕事でストレスを抱えると
    もう何もしたくない、となるようです。

    「なんか自分で生み出してみたら?」

    生きるエネルギーを感じて元気になるなら、
    自分で作り出してみるのはどうかと思ったのです。

    ですが、既にやってた。

    フェルトをぷすぷす刺して作る
    マスコットづくり

    編み物

    言われるまでもなく生み出すところには
    行き着いていました。

    Aの面白いところは
    ここでも真面目さを発揮することです。

    1回作り出したものと同じものを
    2回目以降も作ってクオリティアップに走ってしまうそうです。
    同じものを量産して、
    せっかく作るならよりクオリティの高いものを、
    そう思ってどんどん疲れてしまい
    長続きしないみたいです。

    だから絵を描くことを提案してみました。

    絵だったら何を描くかも自由。
    好きなものを好きな色でその時の気分で。
    ノートでもいいしスケッチブックでも好きなものに。
    なんの縛りもなく生み出すことができる。

    「好きになんでも描いてみたらいいじゃん」

    私はあくまで「ストレス発散」の方法として提案をしました。
    だから極端に言ったら線をぐるぐる描きまくるだけでも良い。
    意味もなく線を書き殴るでも良い。
    そう思っていました。

    だから気が済んだら捨ててもいいし
    破ってもいい。

    なんでってストレス発散のためにすることだから。

    「絵は確かにやったことなかったなー」

    でもそこからのAの答えは予想外なものだった。
    「でも描いた絵を飾ってたらめちゃ自分大好きみたいじゃない?」

    まさかの飾る前提だった。

    「え?飾るの?」
    「え?飾らないの?」
    「いや、飾ってもいいけど。
    ストレス発散にって話だったから、
    別に描き終わったら捨ててもいいと思ってたわ」
    「え?そうなの?」

    お互い爆笑した。

    まさか描き終わった後の絵も
    大事にしようとしていたなんて思わなかった。
    でもなんだかすごくAらしい気がして笑ってしまった。

    「そっか。別に残しておかなくていいのか」
    「いいよ。残しておいても。
    飾らなかったとしてもファイルにしまっておくでもいいし。」

    Aにとっては始まりはストレス発散でも
    出来上がった瞬間「作品」になっているんだろう。
    作品になったら愛情が生まれて、
    残しておくのが当たり前だったのかもしれない。
    残すならちゃんと描きたい、
    みたいなことにまたなるのかもなと想像したら
    それも面白かった。
    どこまでも真面目というか、真っ直ぐというか。

    普段自由に見られることが多いAが
    不器用だけど可愛らしい。
    そんなAが何も考えずに
    自由に絵を描いたらどんな絵になるんだろうか。

    この話をした時に恥ずかしがっていたので
    絵を描くことはもう少し先になってしまうかもしれない。

    だけどいつか私はAの絵を見てみたい。



     
     
    家事も資格勉強も苦手。 最近は整体の先生に「呼吸も下手ですね」と言われました。 それでも仕事も暮らしも、 少しずつ楽になる方法を試しています。 犬との暮らし、AI、仕事、人との出会い。 ちゃんとできない人の、生きる工夫を書いています。

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