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おじさんの尻を見て、自分の尻を鍛えることにした。

レッスンの合間に食べるようにと、2個入のゆで卵と炭酸水を持って、コンビニのレジの列に並んでいた。

そういうとき私はいつも、人の後ろ姿を、頭から順に背骨に沿って足元まで観察する。たいていは、なんの感動もなく終わるんだけど、その日は違った。

目の前のレジにいたおじさん。
警備員のような服を着たおじさんの、腰からお尻のライン、そして、お尻から太ももへのラインがあまりにも美しすぎた。おじさんのズボンは、ぴったりしたズボンではなかった。なのに、ここまでお尻の形がわかるなんて。一体どんな運動をしたらこんなお尻になるのか。レジ横にある大福をごちそうするから、「お願い話を聞かせてください」と頼みたかった。

そのあとスタジオについてすぐ、自分のお尻を鏡で見てみた。境目、どこに行ったかな?

運動不足、座りっぱなし、プラス加齢で、お尻はどんどん下がってくる。お尻と脚の付け根の境目がぼんやりしてきて、四角っぽいお尻になる。

まあ当然のことながら、その日のレッスンはお尻祭りになりました。

まず、いきなりは鍛えません。
テニスボールでコロコロと、お尻の筋肉をほぐしていく。けっこう痛いのがなんか嬉しい。お尻の後ろ側だけでなく、横側もていねいに。フォームローラーがあれば、それが一番ラク。

次は、もも裏の筋肉、ハムストリング。
ここはお尻と脚の境目だから、しっかり伸ばす。もも裏が硬いと骨盤が引っ張られて、お尻の形にも影響してくる。足先に手が届かなければ、タオルをとかを使って引っぱってもいい。

ここまで準備をしたら、いよいよお尻。

仰向けになって、お尻を持ち上げるブリッジのようなエクササイズ。大殿筋とハムストリングを鍛えて、お尻を引き締めていく。

ただし、ここで約束がひとつ。
お腹をしっかり薄くして、インナーマッスルを働かせた状態ですること。ふっと力任せに身体を持ち上げると、腰があぶない。ビキッとなる。

次は、身体を三角形にしたところから、片脚を持ち上げるエクササイズ。

手首から足先まで、斜め一直線になるように身体を伸ばしていく。腰は反らないように注意して。ここでは膝を曲げているけど、基本、脚はまっすぐで。

脚がちょっとしか上がらなくても大丈夫。無理に高く上げなくても、ちゃんとお尻は使えてます。

あの日、おじさんのお尻を眺めながら、お尻が引き上がっているってことが、ここまでイケてる男に見えるんだと、正直ちょっと驚いた。

後ろから見ても横から見ても、かっこよかった。

次にあのおじさんを見かけたときには、私のお尻もマシになってるといいんだけど。


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