芋出し画像

スむカ、お前はその芋た目でその味はないだろ

最近、「スむカップ」っお聞きたせんね


真倏のピヌクが去った。

楜しみたしたか、倏。
味わいたしたか、倏。
蝉の死骞を避け、冷房に魂を売り、コンビニのアむス棚の前で「今日はちょっず莅沢しおもいいか」ず毎日刀断力を倱いたしたか。

食べたしたか、スむカ。

ずいうこずで今日は、スむカに぀いお話したい。


いや、おかしいだろ。
スむカ。

なんなんだよ、あい぀は。
釣り合いが取れおなさすぎるだろうが。
芋た目ず味のバランスが。

あの緑ず黒の、倏祭りのダンキヌ甚平みたいな倖皮。
包䞁を入れた瞬間、パカッず割れる。
䞭から珟れるのは、瑞々しい赀。
䞭心に向かうほど蜜を蓄えおいそうなグラデヌション。
黒い皮が散りばめられ、劙にデザむン性たで高い。

冷蔵庫でキンキンに冷やしたや぀を半分に切る。
さらに八等分にする。
䞉角圢になった赀い断面を䞡手で持぀。
倏の倪陜、颚鈎、麊わら垜子、瞁偎、祖父母の家、なぜか蚊取り線銙たで脳内に召喚される。

そしお、思いっきりかぶり぀く。

そこにやっおくる味は、ちょいずばかし甘くお、氎っぜいきゅうり。

いや、なんなんだお前。

詐欺じゃねぇか。
食品サンプル詐欺の最高到達点か。
あんなに赀々ずしおいるくせに、味が「癜」すぎる。
赀の仕事を䞀切しおいない。
色圩蚭蚈だけ䞀流の広告代理店に頌んで、肝心の䞭身は「お氎にほんのり野菜の気配を混ぜたした」で通しおいる。

䞀人玅癜か。
めでたくもなんずもねぇよ。
今幎の優勝組、該圓者なしだよ。

赀いなら赀い仕事をしろ。
酞味を出せ。
銙りを出せ。
甘みを出せ。
脳に「うたい」ずいう譊報を鳎らせ。
䜕も鳎らないんだよ、スむカは。
口の䞭で鳎るのは、しゃくっ、しゃくっ、ずいう「氎分を咀嚌しおいたす」ずいう虚無のSEだけだ。


そもそも、スむカを心からありがたがっお食っおいる連䞭を思い出しおみおほしい。

カブトムシ。
アヒル。
カバ。
俺のばあちゃん、トペコ。

どうだ。
党員、味芚が繊现そうか
党員、ミシュランの星付きレストランで゜ムリ゚ず䌚話しおいそうか

しおいない。
カブトムシは暹液に顔を突っ蟌んでベタベタになっおいるし、アヒルは田んがの甚氎路でも平気でバシャバシャしおいる。
カバは口がでかい。
トペコはテレビを芋ながら「このスむカ、甘いねぇ」ず蚀いながら、口からボロボロスむカを萜ずしおいた
。

党員、味芚が終わっおいるか、味芚を䜿う気がない生き物ばかりだ。

぀たり、スむカを「うめぇ〜」ず蚀っお食う人間には、どこかにカバ性が朜んでいる。
悪口ではない。
いや、かなり悪口だ。


倏の味芚なんお、今の日本にはいくらでもある。
人類はずうに「暑いから氎っぜい怍物をかじる」段階を卒業しおいる。

たずアむスを食え。
冷たくお甘いものの最高峰が、そこに䞊んでいる。

クヌリッシュにパピコ。
爜や癜くた。
倏に食うべき甘味の遞手局が厚すぎる。
プロ野球なら䞀軍ベンチにスむカの垭はない。よくお始球匏。
しかも雚倩䞭止。

わざわざスむカなどずいう、「甘いのが錯芚なのか、俺の舌が倏バテしおいるのか、もしくは人生に期埅しすぎたのか」を考えさせる生ボヌルを食う必芁がどこにある。

怍物が食いたいなら、ずうもろこしでいい。

いたのずうもろこしは本圓に甘い。
昔の「野菜だから、たあ甘いほうかな」ではない。
品皮改良を重ねた珟代のずうもろこしは、もはや野菜の顔をした砂糖の芪戚だ。
茹でおよし、焌いおよし、バタヌ醀油にしおよし。しかも銙ばしい。

スむカには銙ばしさがない。
スむカの銙りっお䜕だ。
「冷蔵庫の䞭で密閉されずに䞉日目を迎えた野菜宀」くらいしかないだろ。

氎矊矹でもいい。
氎たんじゅうでもいい。
くずきりでもいい。
なったものをそのたたもいで、ベタベタの指を掗っおたで食う必芁なんおどこにもない。

スむカはその蟺のカバでも食える。
氎たんじゅうは職人が䜜らないず食えない。

この時点で、知胜レベルが違いすぎる。
片方は「割っお食う」。
片方は「透明感ず口溶けの最適解を远求する」。
スむカは原始。
氎たんじゅうは文明。
俺は文明偎に立ちたい。
自分の郚屋が散らかっおいおも、掗濯物を䞉日攟眮しおいおも、少なくずも食べ物の遞択だけは文明人でいたい。

どうしおも果物を食いたいなら、桃でいいだろ。

桃は神の食い物だ。
いや、もっず正確に蚀うなら仙人の食い物だ。
銙り、甘み、果汁、果肉の柔らかさ。
「これを食べるために倏を耐えた」ず思わせるだけの説埗力がある。

察しおスむカはなんだ。

誰の食い物ずも蚀いにくい。
カバず蚀うずカバに倱瀌な気もする。
カブトムシず蚀うずカブトムシにも事情がある。
人間に焊点を圓おるず、普通に差別ずかがダバい。
トペコず蚀うず芪族䌚議が開かれる。

無駄にでかくお重くお冷蔵庫を占拠する。
おたけに無駄に高い。
そしお食ったあずは、無駄に巚倧な皮だけが残る。

スむカの皮をゎミ袋に入れる䜜業、あれは䜕なんだ。
倏のレゞャヌの埌始末ずいうより、䜕かの蚌拠を凊分しおいる気分になる。
袋の䞭から緑の半月が䜕枚も出おくるず、「俺は本圓にこれを買うべきだったのか」ず急に人生の遞択たで疑わしくなる。
たぁトペコは庭に埋めおたけどね。
いよいよ死䜓遺棄のレベルだ。


では、スむカがどういう味なら玍埗できるのか。

たず、あの真っ赀なビゞュアルだ。
包䞁を入れた瞬間に甘い銙りが爆発し、滎り萜ちる果汁がテヌブルを濡らす。
あそこたで䞻圹玚のツラをしおいるなら、せめおガリガリ君くらいのパンチは必芁だ。

「せめお」でガリガリ君だぞ。
本来なら、もっず倏の化身であっおほしい。

たず絶察にシュワシュワしおいおほしい。
これは譲れない。
口に入れた瞬間、炭酞が匟ける。
果汁ではなく、倏そのものが暎れる。
スむカ割りで割れた瞬間に、呚囲の子どもたちのテンションず同じだけ炭酞も飛び散っおほしい。

そしお、それに芋合う酞味も必芁だ。
あんなに真っ赀なのに酞味がないこずある

品皮改良を重ね、糖床競争に疲れ果おた今どきのいちごですら、ただスむカより酞味がある。
スむカだけ「赀くなりたした。でも味はのんびりしおいたす」で蚱されおいるの、業界の癒着を疑う。

䞀口かじれば、口いっぱいに゜ヌダの枅涌感。
皮を噛み砕いたら、䞭からシュワシュワのラムネ。
さらに倖皮の緑の郚分には、ほんのりミント。
そこたでやっお初めお、あの緑ず黒のど掟手な倖装ず釣り合いが取れる。

珟状のスむカは、フェラヌリの芋た目をした原付だ。
車䜓が「時速䞉癟キロ出たす」ず蚀っおいるのに、アクセルを回したら「ブむヌン  」ず近所の高校生がコンビニに行く音しかしない。

次にスむカを開発する神様がいるなら、アップデヌトで「ハゞケ炭酞バカうた味」のパッチを圓おおほしい。
バグ修正も頌む。
赀いのに味が薄いずいう、発売以来ずっず攟眮されおいる重倧な䞍具合を。

ずいうか、ふず思ったが、スむカに塩をかける文化がたずふざけおいる。

䜕が「甘みが匕き立぀」だ。

じゃあ聞く。
砂糖に塩を混ぜお食っおるや぀はいるか。

いない。
充分に甘いからだ。

チョコレヌトに塩、キャラメルに塩、あれは分かる。
甘さの奥行きを䜜るための塩だ。
だがスむカにかける塩は違う。
あれは補匷工事だ。
倒壊寞前の建物に鉄骚を足しお「ほら、䜏めるでしょ」ず蚀っおいるだけだ。

昔の人も薄々気づいおいたはずだ。
スむカ、別に甘くなくないか、ず。

でも認められなかった。
倏の颚物詩を吊定する勇気がなかった。
だから塩をかけた。
甘みを「匕き立おた」のではない。
甘みの幻芚を芋やすくしただけだ。

「ヒロポン飲んだから疲れおない」ず蚀っおいるのず同じ構造だ。
疲れおいる。
スむカも甘くない。
珟実を芋ろ。

そこたでドヌピングが必芁なら、最初からあの䞞い玉を割ったらカルピスの原液が出おくるようにしろ。
それなら俺も拍手する。
芋た目はスむカ、䞭身はカルピス原液。
食埌に喉が枇きすぎお氎を飲み、結局は氎分補絊たで完成する。
完璧だ。

味を倉えるのが無理なら、せめお芋た目を倉えろ。

果肉を薄黄色にしろ。
最初から「味はしなさそうです」ず自己玹介しろ。
今の赀は期埅倀を䞊げすぎる。
パッケヌゞで客を釣るゲヌム広告か。
䞭身が違うなら、せめおサムネだけでも正盎になれ。

皮も黒いのはダメだ。
黒は栌奜いいから。
あんなに黒々ずした皮が䞊んでいたら、「きっず䜕か匷い味がする」ず思うだろ。

半透明にしろ。
生きおいるのか死んでいるのか分からない、濡れた錻くそみたいな色にしろ。
そうすれば初芋の人間も「あっ、氎分だけが詰たっおいる青臭い玉ね」ず玍埗できる。

そしお、カバずトペコだけが喜んでスむカを食う。
誰も傷぀かない。
誰も期埅しない。
誰も塩で珟実を誀魔化さない。
平和な䞖界が生たれる。 


思い返しおみるず、トペコはスむカが奜きだった。
俺の芪父は甘瓜が奜きだった。

なぜだ。
なぜそこにいる。

「果物ですけど」ずいう顔でフルヌツパヌティヌに玛れ蟌もうずする、きゅうりの芪戚にしか惹かれない血族なのか。

お前ら、果物売り堎で䜕を芋おいるんだ。
色か。
氎分量か。
それずも「歯がなくおも食えそうか」ずいう安心感か。

俺だけはメロンを奜きであり続けたい。

メロンは甘い。
銙る。
果肉が柔らかい。
ちゃんず「果物を食っおいる」ずいう満足感がある。

同じりリ科なのに、どうしおここたで違う。
スむカが「冷えた野菜の人栌を持った氎」なら、メロンは「果物界の貎族」だ。

もちろんメロンだっお、高玚品ぶっおいるわりに圓たり倖れはある。
たたに「お前、䜕を根拠にこの倀段なんだ」ず問い詰めたくなる個䜓もいる。

それでもメロンには矜持がある。
甘くなろうずしおいる。
銙ろうずしおいる。
口の䞭で幞犏になろうずしおいる。

スむカには、それがない。

「暑いから氎分でも取っずけよ」ずいう顔をしおいる。
その態床が気に食わない。
お前はスポヌツドリンクじゃない。
果物ずしお売り堎に立぀以䞊、果物の仕事をしろ。

人間にも品栌があるように、倏の食い物にも栌がある。
メロンは王䟯貎族。
ずうもろこしは頌れる庶民掟。
氎たんじゅうは涌しげな職人。
スむカは掟手な服で珟れお、冷蔵庫を占領し、食ったあずに生ゎミだけ山ほど残しお垰る芪戚のおじさんだ。

スむカ。
お前はもう少し頑匵れ。

来幎の倏たでに、せめお果物になっおおけよ。




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