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記|蓮訪ね



    梅雨曇りの空の下、
    のんびり午後から寺町へ。

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    歩けばしっとり汗ばんで
    みるみる体力が蒸発していくような気怠さも、


    この時節でこその五体で感じる風物詩


    そういうことにしておいて、
    のたりのたりと行きますかな。

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    とある御寺さんの境内には
    大きな小さな水甕がたくさん置かれてあって、
    蓮やメダカを育てておいでよ。



    甕のひとつひとつが湖沼みたいね



    まだ、ほとんどが蓮の葉ばかり。
    雨降りを幾日か越して
    花芽の出揃うことでしょう。

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    花鳥文様のレリーフ




    すべての水甕が東洋風で、
    邪を祓い福を招く
    吉祥モチーフが彫られています。


    それには...


    隅々まで瑞気の満ちて
     まさに浄域とならんかな


    との願いが、
    込められているのだそう。



    古来からの縁起良い御印に
    囲われてある御寺さん境内は、
    気ままに泳ぐように散策するだけでもいい...


    ちょいとばかしの憂き世離れ気分。

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    龍が彫られた甕には
    気圧されるような迫力が漲り、
    大ぶりな蓮の葉と相俟って見応え充分。


    清廉な蓮を護する龍神といったところ


    一輪ほど花開いていたらしき蓮のあるも、
    この時すでに見頃に遅し昼下がり...
    蕾んでしまったようね。

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    それでも、佳きものは佳き哉。

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    すっくと清しく立ちあがる茎姿まで潔く...蓮。

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    仏堂前に架かる棚には常緑の松が広がる




    お日様は雲の向こうにお隠れし、
    地上は蒸し暑さと薄ら寒さとを
    ない交ぜにして肌身に
    まとわりついてくる...そんな、



    梅雨さなかの雨無し水無月さんぽ



    降りそうで降らない、
    あの雲合いは...
    泣くに泣けない空の涙の滞り。



    いずれ雨粒ほとぽと零れぬうちに
    帰るとしましょう。



    o。.  充分ゆっくり過ごせました  .。o



    お礼の気持ちを込めて
    浄財箱へ賽銭そっと落としこみ、
    人が疎らで静けし境内を後にした。



    。. 𖧷  .。



     
     
    あんな昨日こんな今日どんな明日?日記はモノローグの調べ

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