
【俳文#17】 春雨後 水玉纏い 草煌り
”はるさめご みずたままとい くさきらり”
昨日から降り続いた春雨が夜明け前に上がり、草花にはたくさんの水玉のような雫が付いている。それらが朝陽を浴びてキラキラと光り、大袈裟ではなく、道端の草むらに宝石を散りばめたような美しい情景に心動かされ一句。
松尾芭蕉が、「春雨や蓬をのばす艸(くさ)の道」と読んだように、この時期は一雨ごとに草木も野菜も成長、変化する。葉が増え、緑が濃く、深くなり、背丈が伸びる。畑の玉ねぎも葉の部分がどんどん長くなっている。ちなみに、玉ねぎの食べる白い玉の部分も葉の一部。美味しい新玉が出回っているが、我々は早生品種の玉ねぎの葉の部分を食べているのだ。
淡路島の実家に戻って約二週間が過ぎたが、自然に囲まれていると、季節の変化、動植物の存在や動きを至近距離で感じる。我が家は古民家といってもいいような昔のタイプの家なので、トイレや風呂に行くための土足で歩く通路がある。夜になると何故かダンゴムシが一匹出てきてそこをウロウロする。私は彼を(性別は不明だがオスと断定して)ダンゴムシのダのDからデイビッドと名付けた。夜、その通路を通る時は、誤ってデイビッドを踏みつけないように注意している。
もう一匹、夜に出会う生き物にヤモリがいる。家守とも書き、家を守るスピリチュアルな存在だ。私は彼をヤモリのヤのYからヤマルと(FCバルセロナのスター選手にちなんで)名付けた。ヤマルは私が近くに行くと、“やべー、見つかったか“と言うように、素早く物陰に身を隠そうとする。ヤマルは尻尾が短い。恐らく何らかの不慮の事故で尻尾を失って、現在、再生中なんだろう。その小さなトンガリ帽子のような尻尾の特徴で、ヤマルかどうかすぐ分かる。

今のところ、ヤマル以外のヤモリは見ていない。家の中といえども危険がないわけではない。ヤマルには家守として、是非、長生きして、私の里山暮らしを一緒に歩んでもらいたいと願っている。