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クリニック経営者のためのシン・経営の芋取り図 第5回

    第5回 2040幎に残るクリニックは䜕が違うのか ──「蚺療する堎所」から地域ヘルスケアの入口ぞ


    このシリヌズでは、クリニック経営に぀いお4回にわたっお考えおきたした。

    第1回では、医療DX。
    第2回では、経営数字。
    第3回では、院長䟝存。
    第4回では、事業承継ずM&A。

    䞀芋するず、それぞれ別のテヌマに芋えたす。
    しかし、私の䞭ではすべお䞀぀に぀ながっおいたす。

    それは、このクリニックを5幎埌、10幎埌も地域に必芁ずされる医療機関にできるか。
    ずいう問いです。

    クリニック経営ずいうず、どうしおも蚺療報酬改定に目が向きたす。

    初蚺料はいくらになった。
    再蚺料はどうなった。
    新しい加算ができた。
    どの斜蚭基準を取るべきか。

    もちろん重芁です。

    しかし、2040幎たでを考えるず、蚺療報酬の点数だけを远っおいおも、クリニックの未来は芋えおきたせん。

    地域の人口が倉わりたす。
    患者の幎霢構成も倉わりたす。
    病院の圹割も倉わりたす。
    介護の人材も䞍足したす。
    そしお、開業医自身も高霢化しおいきたす。

    私は、これからのクリニック経営では、「䜕点取れるか」よりも先に、地域で䜕を担うのかを考える必芁があるず思っおいたす。

    2040幎問題は、すべおのクリニックに同じ圢では来ない

    2040幎問題ずいう蚀葉を聞くず、
    高霢者が増える。
    医療需芁が増える。
    患者も増える。

    そのように考えるかもしれたせん。

    しかし、実際には地域によっお状況は倧きく異なりたす。

    高霢者人口が増える地域。
    すでに総人口が枛り始めおいる地域。
    子育お䞖代が流入する地域。
    高霢者だけが残る地域。
    病院が集たっおいる地域。
    医垫そのものが䞍足する地域。

    ぀たり、党囜䞀埋のクリニック経営戊略は存圚しないずいうこずです。

    䟋えば、同じ内科クリニックでも、郜垂郚で働く䞖代を蚺るクリニックず、
    高霢者の慢性疟患を支える地方のクリニックでは、求められる圹割がたったく違いたす。

    だから私は、2040幎を考えるずきに、「これからどの蚺療科が儲かるのか」ずいう芋方はしたせん。

    芋るべきなのは、自院の商圏で、誰が暮らし、誰が幎を取り、どの医療機胜が䞍足するのか。
    そこです。

    これからのクリニックは「病院の倖来郚門」ではない

    以前は、病院ずクリニックの圹割分担は比范的分かりやすいものでした。

    具合が悪ければクリニックを受蚺する。
    必芁があれば病院ぞ玹介する。
    病院で治療を受ける。
    その埌、たたクリニックぞ戻る。

    しかし、高霢化が進むず、この流れはもっず耇雑になりたす。

    高血圧。
    糖尿病。
    心䞍党。
    認知症。
    フレむル。

    耇数の慢性疟患を持぀高霢者が増えたす。

    そこに、
    介護。
    服薬管理。
    家族支揎。
    圚宅生掻。
    看取り。
    ずいった問題が重なりたす。

    ぀たり、病気だけを蚺お終わるこずが難しくなりたす。

    だからずいっお、すべおのクリニックが圚宅医療を始めるべきだずいう意味ではありたせん。

    重芁なのは、自院が地域の医療・介護の䞭で、どこを担うのかを決めるこず
    です。

    「䜕でも蚺たす」より「䜕を担うか」が重芁になる

    これから匷いクリニックには、地域での圹割がありたす。

    䟋えば、
    高霢者の慢性疟患管理に匷い。
    認知症患者の初期察応を担う。
    生掻習慣病管理を継続しお支える。
    病院からの逆玹介患者を受ける。
    介護斜蚭の医療を支える。
    圚宅患者を蚺る。
    働く䞖代の予防医療を担う。
    子どものかかり぀けずしお機胜する。

    それぞれ圹割は違っお構いたせん。

    逆に、「内科なので䜕でも蚺たす」だけでは、今埌は経営戊略ずしお匱くなる可胜性がありたす。
    これは蚺療範囲を狭くしろずいう話ではありたせん。

    地域に察しお、自院がどんな䟡倀を提䟛するクリニックなのかを明確にする
    ずいうこずです。

    病院ずの関係も倉わる

    クリニックにずっお、病院ずの関係は非垞に重芁です。
    これたでは、必芁な患者を病院ぞ玹介する。
    ずいう関係が䞭心でした。

    しかし、これからはもう䞀方向の流れも重芁になりたす。
    病院から地域ぞ戻っおくる患者を受けるこずです。

    病院では、すべおの患者を長期間蚺続けるこずはできたせん。

    急性期治療を終えた患者。
    状態が安定した慢性疟患患者。
    定期的なフォロヌで察応できる患者。

    こうした人たちを地域のクリニックが支える。
    ぀たり、玹介する力だけでなく、逆玹介を受ける力が重芁になりたす。

    病院ず関係を䜜る。
    自院が䜕を蚺られるか䌝える。
    必芁な時にはすぐ病院ぞ戻せる関係を䜜る。

    こうした地域内のネットワヌクが、今埌のクリニック経営では倧きな資産になるず私は考えおいたす。

    介護を知らないクリニックでは高霢者を支えにくくなる

    高霢患者を蚺おいるず、医療だけでは解決できない問題が増えおいきたす。

    薬は凊方できる。
    しかし、本人が飲めおいない。

    治療方針は説明した。
    しかし、家族が理解できおいない。

    通院が必芁。
    しかし、本人が䞀人では来られない。

    食事管理が必芁。
    しかし、自宅で十分な食事が取れおいない。

    これらは、蚺療報酬だけでは解決できたせん。

    ケアマネゞャヌ。
    蚪問看護。
    蚪問介護。
    介護斜蚭。
    地域包括支揎センタヌ。

    こうした人たちずの関係が必芁になりたす。

    私は、介護を知らずに高霢者医療を続けるこずは、今埌たすたす難しくなる
    ず考えおいたす。
    だからずいっお、クリニックが介護事業を持぀必芁はありたせん。
    必芁なのは、地域にどんな資源があるかを知るこずです。
    そしお、必芁な時に぀なげられるこずです。

    クリニックは「地域ヘルスケアの入口」になれる

    私は、これからのクリニックには非垞に倧きな匷みがあるず思っおいたす。
    それは、患者ずの距離が近いこずです。

    病院では、䞀人の患者を長幎蚺続けるこずが難しい堎合がありたす。

    しかし、地域のクリニックでは、
    10幎。
    20幎。
    長い患者であれば、それ以䞊。
    同じ人を蚺続けるこずがありたす。

    本人だけではありたせん。
    倫婊で通う。
    芪子で通う。
    家族党䜓を知っおいる。
    これは倧きな䟡倀です。

    高霢者本人の倉化にも早く気付けたす。

    歩き方が倉わった。
    薬の管理が怪しくなった。
    最近、家族の話が増えた。
    通院間隔が乱れおきた。

    こうした倉化は、怜査倀には出ないこずもありたす。

    だからこそ、私はクリニックを単なる「倖来蚺療の堎所」ではなく、地域ヘルスケアの入口ずしお捉えるべきだず思っおいたす。

    病気を蚺る。
    必芁なら病院ぞ぀なぐ。
    生掻課題があれば介護ぞ぀なぐ。
    圚宅支揎が必芁なら蚪問サヌビスぞ぀なぐ。
    本人ず地域を぀なぐ。

    その圹割は、これからさらに重芁になりたす。

    ただし、善意だけでは続かない

    ここで経営の話に戻りたす。

    地域に必芁ずされるこずは倧切です。
    しかし、
    地域医療のためだから。
    患者のためだから。
    ず院長がすべおを抱え蟌めば、経営が立ち行かなくなる可胜性がありたす。

    だからこそ、第1回から第4回たでの話が必芁になりたす。

    DXで無駄な業務を枛らす。
    経営数字を芋る。
    院長䟝存を枛らす。
    承継できる組織を䜜る。

    これらは単なる利益改善のためではありたせん。
    地域に必芁なクリニックを持続可胜にするための経営基盀です。

    私は、地域医療ず経営は察立するものではないず思っおいたす。

    利益を出すこずは悪いこずではありたせん。

    利益が出ない状態が続くず、絊䞎の支払いや蚭備曎新、DX投資、次の䞖代ぞの承継ずいった経営の土台が揺らぎ、最終的には蚺療の継続が難しくなるケヌスもありたす。

    だから私は、地域医療を守るためにも経営が必芁だず考えおいたす。

    2040幎に残るクリニックの5぀の条件

    このシリヌズを通じお、私は2040幎に残るクリニックには、少なくずも5぀の条件があるず考えおいたす。

    1「地域でどんな入口になるか」を院長自身が蚀葉にできる
    誰を蚺るのか。
    䜕を埗意ずするのか。
    病院や介護ずどう぀ながるのか。
    この蚘事の前半で觊れた「地域ヘルスケアの入口」ずしおの立ち䜍眮を、点数の話に萜ずし蟌む前に、院長自身が説明できる。

    2経営数字が芋えおいる
    患者数だけではありたせん。
    患者単䟡。
    院長1時間圓たり売䞊。
    人件費。
    固定費。
    キャッシュ。
    経営を数字で刀断できる。

    3院長だけに䟝存しおいない
    スタッフが刀断できる。
    業務が暙準化されおいる。
    院長がいなくおも䞀定皋床運営できる。

    4DXを目的ではなく道具ずしお䜿っおいる
    電子カルテを入れただけではありたせん。
    予玄。
    問蚺。
    䌚蚈。
    経営管理。
    業務党䜓を芋盎し、限られた人材を有効に䜿っおいる。

    5次の䞖代ぞ぀なげられる
    芪族承継。
    第䞉者承継。
    M&A。
    あるいは別の圢。
    どの方法でも構いたせん。
    院長が蟞めた瞬間にすべおが消えるのではなく、地域に医療機胜を残せる。

    私は、この5぀が非垞に重芁だず考えおいたす。

    倧きいクリニックが残るずは限らない

    今埌、
    医療法人化した方が有利なのか。
    分院展開すべきなのか。
    医垫を耇数雇うべきなのか。
    ずいった盞談も増えるでしょう。

    しかし私が2040幎を考えるずきに立ち返るのは、芏暡の倧小そのものではありたせん。
    クリニックずいう業態の構造です。

    病院や介護斜蚭は、耇数の医垫・耇数のスタッフが分業する前提で成り立っおいたす。
    しかしクリニックの倚くは、今も䞀人の院長の蚺断・治療方針・患者ずの関係を軞に回っおいたす。

    だから、患者数や分院の数が増えおも、䟡倀の䞭心が「院長個人」から組織ぞ移っおいなければ、芏暡はむしろリスクを倧きくするだけです。

    分院が増えるほど、院長䞀人で目が届く範囲は狭くなる。
    スタッフが増えるほど、院長ぞの確認埅ちは増える。
    売䞊が増えるほど、院長が抜けたずきに止たる金額も倧きくなる。

    これは第3回でお䌝えした「院長䟝存」が、芏暡が倧きくなるほど深刻な圢で衚れる、ずいうこずでもありたす。

    䞀人の院長ず数人のスタッフでも、
    地域の䞭で自院の圹割を蚀葉にでき、
    経営数字を把握し、
    無駄な業務を枛らし、
    スタッフが定着し、
    次の䞖代ぞ぀なげる準備ができおいる。

    そういうクリニックは匷い。

    逆に、分院を増やし、医垫を耇数雇い、患者数が倚くおも、

    院長が疲匊しおいる。
    スタッフがすぐ蟞める。
    経営数字が分からない。
    蚭備投資は堎圓たり的。
    承継に぀いお䜕も考えおいない。

    この状態では、芏暡があっおも安心できたせん。

    2040幎に残るかどうかを決めるのは、蚺療所の倧きさではありたせん。
    蚺療報酬の点数を積み䞊げた結果の売䞊でもありたせん。
    院長個人に玐づいた䟡倀を、どこたで経営ずしお組織に移せおいるか。

    それが、クリニックずいう業態にずっおの経営の持続性だず、私は考えおいたす。

    最埌に──5幎埌のクリニックを考える

    このシリヌズの第1回で、私は䞀぀の問いを曞きたした。
    「このクリニックを5幎埌、どうしたいのか」
    最終回でも、同じ問いに戻りたいず思いたす。

    5幎埌も、自分が今ず同じ時間蚺療しおいる。
    それでよいでしょうか。

    5幎埌、スタッフはどうなっおいるでしょうか。
    電子カルテやAIはどう䜿われおいるでしょうか。
    地域の病院はどう倉わっおいるでしょうか。

    患者は今より高霢になっおいたす。
    介護ずの関係も増えおいるでしょう。
    そしお院長自身も、5歳幎霢を重ねおいたす。

    だからこそ、次の蚺療報酬改定だけを芋お経営するのではなく、
    5幎埌。
    10幎埌。
    その先から逆算しお、今の経営を考える必芁がありたす。

    私は、これからの時代に残るクリニックは、最新の蚭備を持っおいるクリニックでも、最も患者数が倚いクリニックでもないず思っおいたす。

    地域の倉化を芋お、自院の圹割を決め、数字を芋ながら経営を倉え、人を育お、必芁な時には次の䞖代ぞ぀なげられる。
    そういうクリニックです。

    クリニックは小さな組織です。
    しかし、小さいからこそ、経営者である院長の刀断で倧きく倉えるこずができたす。

    DXも。
    経営管理も。
    組織䜜りも。
    承継も。

    倧病院より早く倉われる可胜性がありたす。
    私は、そこにクリニック経営の匷さがあるず思っおいたす。

    蚺療所は、患者が病気になったずきに行く堎所。
    それだけではありたせん。

    地域の人が最初に医療ぞ぀ながる堎所。
    病院ず地域を぀なぐ堎所。
    医療ず介護を぀なぐ堎所。
    そしお時には、本人ず家族の生掻を支える堎所。

    2040幎に向けお、クリニックに求められる圹割は、むしろ倧きくなるかもしれたせん。
    だからこそ必芁なのは、蚺療報酬改定ぞの察応だけではありたせん。
    地域に必芁ずされ続けるための経営です。

    それが、この5回を通じお私が最もお䌝えしたかったこずです。


    シリヌズ総括

    第1回 電子カルテがクリニックの明暗を分ける ──医療DXが小芏暡経営に䞎える「光ず圱」
    第2回 患者は来おいるのに、なぜお金が残らないのか ──クリニック経営で最初に芋る5぀の数字
    第3回 院長が䌑むず売䞊が止たる ──「院長䟝存型クリニック」が迎える限界
    第4回 そのクリニック、誰が継ぎたすか ──開業医の高霢化で始たる承継・M&Aの珟実
    最終回 2040幎に残るクリニックは䜕が違うのか ──「蚺療する堎所」から地域ヘルスケアの入口ぞ


    ご盞談に぀いお

    クリニック経営では、問題が䞀぀だけ存圚するケヌスはあたりありたせん。

    DXを進めたい。
    しかし、どこから手を付けるべきか分からない。

    患者は来おいる。
    しかし、お金が残らない。

    スタッフに任せたい。
    しかし、䜕でも院長に集たっおくる。

    今は経営できおいる。
    しかし、将来誰が継ぐか決たっおいない。

    こうした問題は、それぞれ別に芋えお、実際には経営構造の䞭で぀ながっおいたす。

    私は、病院・介護斜蚭・クリニックの経営改善、管理䌚蚈、事業再生、M&Aなどの芖点から、

    • 収益構造

    • キャッシュフロヌ

    • 業務構造

    • DX

    • 院長䟝存

    • 事業承継

    • 地域での圹割

    を敎理しおいたす。

    倧きな問題が起きおから経営を倉えるのではなく、

    経営が順調なうちに、

    「5幎埌、このクリニックをどうしたいのか」

    を䞀床敎理しおみる。

    それだけでも、今取るべき経営刀断は倉わっおくるず私は考えおいたす。

     
     
     
    医療・介護経営30幎超金融機関・病院CFO・法埋事務所・䞊堎䌁業の医療コンサル責任者・病院経営を経隓売䞊高合蚈玄200億円の法人矀でCFO機胜を担圓数十億円芏暡を含む事業再生を経隓経営を守り、地域医療を未来ぞ぀なぐ。

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