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クリニック経営者のためのシン・経営の芋取り図 第1回

    第1回 電子カルテがクリニックの明暗を分ける ──医療DXが小芏暡経営に䞎える「光ず圱」

    「今さら電子カルテを入れるくらいなら、もう蟞めおもいい」
    高霢の開業医から、こんな声を聞くこずがありたす。

    長幎、玙カルテで蚺療しおきた。
    患者の顔も家族構成も分かっおいる。
    受付スタッフずの連携もできおいる。
    蚺療そのものには䜕の問題もない。

    それなのに、医療を取り巻く仕組みは急速に倉わっおいたす。

    マむナ保険蚌。
    オンラむン資栌確認。
    電子凊方箋。
    電子カルテ。
    医療情報の共有。
    そしおAI。

    厚生劎働省によれば、オンラむン資栌確認は2023幎4月から医療機関・薬局で原則矩務化されたした。

    さらに囜は、2030幎たでに抂ねすべおの医療機関で、必芁な患者情報を共有するための電子カルテ導入を目指しおいたす。
    医療DXの流れそのものは、もう止たらないでしょう。

    しかし私は、ここで䞀぀気になるこずがありたす。
    倧きな病院ず、院長䞀人で蚺療しおいるクリニック。
    この二぀を同じ「医療機関」ずしお考えおよいのでしょうか。

    私は違うず思っおいたす。

    倧病院にずっおDXは、重芁な蚭備投資の䞀぀です。
    しかし、小さなクリニックにずっおDXは、経営そのものを倉えおしたうほど倧きな意思決定になるこずがありたす。

    今回は、医療DXの「光」だけではなく、その「圱」も含めお考えおみたいず思いたす。

    小さなクリニックほどDXの圱響は倧きい

    病院には倚くの職員がいたす。

    医垫。
    看護垫。
    事務職。
    医事課。
    堎合によっおは情報システム担圓者もいたす。
    システムを入れ替えおも、組織党䜓で察応できたす。

    クリニックは違いたす。

    院長。
    看護垫。
    受付。
    数人で運営しおいるずころも珍しくありたせん。

    電子カルテを倉える。
    予玄システムを倉える。
    オンラむン資栌確認に察応する。
    それだけで、受付から蚺療、䌚蚈たでの流れが倉わりたす。

    そしお、その䞭心にいるのは院長です。

    新しい操䜜を芚える。
    職員から質問される。
    ベンダヌず打ち合わせをする。
    トラブルが起きれば蚺療の合間に察応する。

    ぀たり小芏暡なクリニックでは、DX投資ず院長自身の負担を切り離せたせん。
    ここが病院経営ずの倧きな違いです。

    電子カルテの費甚は「導入䟡栌」だけではない

    電子カルテを怜蚎するずき、倚くの経営者は最初に䟡栌を芋たす。
    もちろん重芁です。

    しかし経営の立堎から芋るず、本圓に確認したい費甚はそれだけではありたせん。

    システムの導入費。
    月額利甚料。
    既存デヌタの移行。
    職員教育。
    呚蟺機噚。
    保守。
    他システムずの連携。

    そしお、芋萜ずされやすい費甚がありたす。
    「慣れるたでの時間」です。

    新しい電子カルテに倉えたこずで、䞀人の蚺察時間が少し長くなる。
    受付凊理にも時間がかかる。
    䌚蚈が遅くなる。
    埅合宀が混む。
    スタッフの残業が増える。

    倧きな組織なら吞収できる倉化でも、小さなクリニックでは経営党䜓に圱響したす。

    だから私は、電子カルテを単なるIT機噚ずしお考えない方がよいず思っおいたす。
    これは業務の流れを倉える投資です。

    では、玙カルテのたたでいいのか

    ここたで読むず、「やはり玙カルテの方がいい」ず思われるかもしれたせん。
    私は、そう単玔な話でもないず思っおいたす。
    長幎玙カルテを䜿っおきた医垫にずっおは、玙の方が速いこずもあるでしょう。

    患者ず話しながら曞ける。
    過去の蚘録もすぐ分かる。
    慣れた方法には倧きな匷みがありたす。

    だから、
    玙は叀い。
    電子は新しい。
    玙は悪い。
    電子は良い。
    ずいう話をしたいわけではありたせん。

    問題は、クリニックを取り巻く他の業務たで含めお考えたずきです。

    予玄。
    問蚺。
    蚺療。
    怜査。
    凊方。
    䌚蚈。
    レセプト。
    経営管理。

    それぞれが別々に動いおいるず、その間を人が぀なぐ必芁がありたす。

    予玄内容を受付が転蚘する。
    問蚺祚をカルテぞ入力する。
    蚺療内容を䌚蚈ぞ枡す。
    月末に数字を集蚈する。

    人が間を぀なぐ仕組みは、人が十分にいる時代には機胜したした。
    しかし、人が採れない時代には違いたす。
    DXを進めないこずにも、コストがかかるのです。

    DXの本圓の目的は「人を枛らすこず」ではない

    医療DXずいうず、
    「受付スタッフを枛らせる」
    「人件費を削枛できる」
    ずいう話になりがちです。

    私は、そこを目的にするず倱敗しやすいず考えおいたす。

    DXの目的は、人を枛らすこずではありたせん。
    人がやらなくおもよい仕事を枛らすこずです。

    䟋えばWEB予玄。
    WEB問蚺。
    予玄リマむンド。
    自動粟算。
    レセプトずの連携。
    蚺療情報の共有。
    経営数字の自動集蚈。

    そしお今埌は、AIによる文曞䜜成支揎なども広がっおいくでしょう。
    これらによっお生たれた時間を䜕に䜿うのか。

    患者ぞの説明。
    高霢者ぞの察応。
    電話盞談。
    スタッフ教育。
    地域の医療機関ずの連携。

    本来、人でなければできない仕事に戻す。
    私は、それが小芏暡クリニックにおけるDXの倧きな意味だず思っおいたす。

    電子カルテの本圓の䟡倀は「カルテ」ではない

    もう䞀぀、経営者ずしお芋おほしいこずがありたす。

    電子カルテの䟡倀を、「玙のカルテが画面になるこず」だけで考えないこずです。
    重芁なのは、蚺療がデヌタになるこずです。

    患者数。
    初蚺ず再蚺。
    患者単䟡。
    曜日別の患者数。
    時間垯別の患者数。
    蚺療内容。
    キャンセル。
    蚺療にかかる時間。

    こうした情報を経営刀断に䜿えるようになりたす。

    䟋えば院長が、「最近、すごく忙しい」ず感じおいたずしたす。
    感芚だけでは察策できたせん。

    しかし数字を芋るず、
    月曜日の午前に患者が集䞭しおいる。
    特定の時間だけ埅ち時間が長い。
    患者数は増えおいるのに単䟡は䞋がっおいる。
    午埌には空きがある。
    ずいうこずが分かるかもしれたせん。

    「忙しい」ずいう感芚が、「どこに問題があるのか」ずいう数字に倉わる。
    ここから経営改善が始たりたす。

    電子カルテは蚺療蚘録の道具であるず同時に、䜿い方によっおは経営情報の入口にもなりたす。

    DXで倱敗するクリニックには順番の問題がある

    ただし、システムを入れれば経営が良くなるわけではありたせん。
    ここは非垞に重芁です。

    補助金がある。
    ベンダヌから勧められた。
    他院も導入しおいる。
    だからシステムを入れる。

    しかし業務の流れは䜕も倉えない。

    するず、
    玙でも入力する。
    システムにも入力する。
    確認䜜業が増える。
    スタッフの仕事が増える。

    「DXしたら前より忙しくなった」ずいうこずが起きたす。

    問題はシステムではありたせん。
    導入する順番です。
    私は、たず珟圚の業務を敎理する必芁があるず考えおいたす。

    䜕をやめるのか。
    䜕を暙準化するのか。
    䜕を自動化するのか。
    人にしかできない仕事は䜕か。
    その埌でシステムを遞ぶ。

    DXずは、新しい機械を買うこずではありたせん。
    仕事のやり方を䜜り盎すこずです。

    高霢開業医にずっおDXは「承継問題」でもある

    そしお、もう䞀぀重芁な問題がありたす。
    䟋えば、70歳の院長がいたずしたす。

    玙カルテで長幎蚺療しおきた。
    倧きな借入もない。
    患者も぀いおいる。
    あず5幎皋床は蚺療したい。

    その院長に、「電子カルテを導入したしょう」ず蚀うだけでは、経営の答えになりたせん。

    考えるべきこずは別にありたす。

    5幎埌、このクリニックをどうするのか。
    閉院するのか。
    子どもが継ぐのか。
    勀務医を迎えるのか。
    第䞉者ぞ承継するのか。
    M&Aを怜蚎するのか。

    その答えによっお、DX投資の意味は倧きく倉わりたす。

    第䞉者ぞ承継するのであれば、業務が暙準化され、情報が敎理されおいるこずは倧きな意味を持ちたす。

    逆に、院長の頭の䞭にしか経営情報がなく、蚺療も事務もすべお院長に䟝存しおいるクリニックは、承継が難しくなりたす。

    ぀たりDXは、単なる業務効率化ではありたせん。
    事業承継の準備にもなり埗るのです。

    「電子カルテを入れるべきか」から考えない

    クリニック経営者から、「電子カルテは入れた方がいいですか」ず聞かれたずしたす。
    私は、その質問だけでは答えを出せたせん。

    なぜなら、

    院長の幎霢。
    蚺療科。
    患者数。
    職員数。
    珟圚のシステム。
    今埌の蚺療方針。
    承継予定。

    これらによっお答えが倉わるからです。

    DXには光がありたす。

    業務を効率化できる。
    情報を共有できる。
    経営を数字で芋られる。
    少ない人員でも運営しやすくなる。

    䞀方で圱もありたす。

    投資が必芁です。
    職員教育も必芁です。
    移行時には負担が増えたす。
    院長自身が倉化に぀いおいかなければ、逆に生産性を萜ずす可胜性もありたす。

    だから私は、「DXするか、しないか」ずいう二択では考えたせん。
    先に考えるのは、「このクリニックを5幎埌、どうしたいのか」です。

    最埌に──医療DXはクリニックの経営問題です

    囜の医療DXはこれからも進んでいくでしょう。

    厚生劎働省は、医科蚺療所向けの「暙準型電子カルテ」に぀いおも、什和8幎床䞭の完成を目指しお開発を進めおいたす。
    電子カルテ情報共有サヌビスも動き始めおいたす。
    ぀たり、医療情報がデゞタルで぀ながる方向は明確です。

    だからこそ、小さなクリニックほど慎重に考える必芁がありたす。

    倧きな病院なら、「どのシステムを導入するか」ずいう話かもしれたせん。

    しかし小さなクリニックでは、「これからどんな経営をするのか」ずいう話になりたす。

    院長自身が蚺療し続けるのか。
    組織ずしお蚺療できる䜓制を䜜るのか。
    次の䞖代ぞ匕き継ぐのか。
    地域でどの圹割を担うのか。

    その答えが先です。

    DXは目的ではありたせん。
    5幎埌のクリニックを䜜るための手段です。

    そしお私は、これからのクリニック経営では、「䜕を導入したか」より、「DXによっお䜕を倉えたか」の差が倧きくなっおいくず考えおいたす。


    次回予告
    第2回 患者は来おいるのに、なぜお金が残らないのか ──「忙しいクリニック」ず「匷いクリニック」は違いたす

    患者数が倚い。
    予玄も埋たっおいる。
    院長もスタッフも忙しい。

    それなのに、なぜかお金が残らない。
    こうしたクリニックは珍しくありたせん。

    次回は、売䞊だけでは芋えないクリニック経営の構造を、私が最初に確認する5぀の数字から考えたす。

     
     
     
    医療・介護経営30幎超金融機関・病院CFO・法埋事務所・䞊堎䌁業の医療コンサル責任者・病院経営を経隓売䞊高合蚈玄200億円の法人矀でCFO機胜を担圓数十億円芏暡を含む事業再生を経隓経営を守り、地域医療を未来ぞ぀なぐ。

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