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【旅日記#5-2】オホーツク〜太平洋縦断ドライブ!食べて歩いての2日間(後編)

    坂田次郎吉

    父の日に合わせて家族旅行に出かけていた私と両親。前回は網走を出発し、津別町つべつちょうと阿寒湖あかんこで豊かな緑に癒やされた。
    そして今回お送りする2日目では、ついに太平洋へ!そこでは果たして、どんな光景が待ち受けているのだろうか。

    (前回はこちら↓)

    2025年6月15日(日)

    7:30 起床

    ここは阿寒湖温泉、ホテルの8階。
    昨日は最高の眺めだったのでさぞ優雅な朝を迎えられるかと思ったが、今朝は一転してどんよりとした空模様で、見事に何も見えなかった。

    ニュー阿寒ホテル8階からの曇天の景色
    昨日くっきり見えていた稜線はどこへやら。
    山の中の悪天候って、ちょっと心細い

    おまけに空調をどうやっても部屋が暑くて全然寝付けず、コンディションは正直なところあまり芳しくない。母はもっと早く目が覚めたので朝風呂に行ったと言っていたが、私もそうすれば良かったかなあ。

    ともかく、まずは朝食をいただこう。大勢の人で賑わうビュッフェ会場は昨晩と同じ場所なだけあって美味しい料理が揃い、心なしか先ほどより元気が戻ってきた気がした(単にお腹が減っていただけかも知れないが⋯)。

    ニュー阿寒ホテルの朝食ビュッフェの写真
    家では朝からこんなに食べないけれども、
    こういう所だとついたくさん持ってきてしまう
    ニュー阿寒ホテルの売店の写真
    去り際に売店をのぞいてみる。
    さすが阿寒、マリモ推しが強い

    しっかり食べてスタミナをつけたら、荷物をまとめて出発だ。外は少しだが雨が降っていて、南方の空を見ても天気が良くなる気配はなさそう。この展開は予想していなかったものの、とりあえずこれ以上ひどくならないことを祈るばかりである。

    それでは前回に引き続き、国道240号をひたすら南下していこう。阿寒川に沿って山から海へ、ゆっくりと変わりゆく景色が旅情をかき立てる。
    ちなみに以前ここを通った時は、阿寒市街からやや上流あたりでタンチョウが悠々と羽ばたく姿を拝むことができたのだが、さすがに今日は見られなかった。残念!


    11:20 新しい道の駅と太平洋

    釧路地方の沿岸は、非常に霧の日が多い場所として知られている。この時もその例に漏れず、海に近づくにつれ視界が白く覆われてきた。車の温度計によると、外はたったの14℃と6月中旬とは全く思えない。さすが北海道の避暑地と呼ばれるだけはある。

    そして、この日最初に向かったのは白糠町しらぬかちょうの道の駅「しらぬか恋問こいとい館」。ここは1993(平成5)年登録という道内最古参の道の駅のひとつだったが、今年4月に移転リニューアルを果たし、現代的な形に生まれ変わったのだ。
    3月には近くに踏切も新設され、釧路空港からのアクセス性も向上している。

    やはり新しい道の駅の話題性は凄まじく、この空模様にも関わらず駐車場はほぼいっぱい。入口までは結構歩くことになってしまったものの、何とか停めることができた。

    道の駅 しらぬか恋問館の案内図
    入口近くにあった案内図。
    私は男なので関係ないが、
    女子トイレがすごく広いようだ

    館内の目玉は、何と言っても太平洋に面したフードコート。その一角には子どもの遊び場も備えており、お昼前ということもあり人でごった返していた。窓の外には太平洋と恋問海岸が間近に見えるから、天気が良ければ最高のロケーションと言えるだろう。

    道の駅 しらぬか恋問館の館内
    道の駅弁の元祖「この豚丼」や
    釧路名物スパカツなど、どれも大盛況!
    お店はもちろん長蛇の列

    その左手の売店には白糠名産の海産物やしそ焼酎「鍛高譚たんたかたん」などが揃い、お土産探しも楽しい。また面白いと思ったのが、小さな本屋さんが併設されていること。旅先で読書とはなかなか粋だし、長距離ドライブ中の子どもの退屈しのぎに買ってあげるのも良いかも知れない。

    道の駅 しらぬか恋問館のキッズスペース
    階段からはキッズスペースがよく見える。
    遠くからでも目を引く「たこあしスライダー」が人気

    2階は展望スペースになっていて、眼前にはどこまでも広がる太平洋が!屋外のテラスに出ると吹き付ける雨風や波の轟音がその迫力をさらに引き立て、まるで吸い込まれてしまうよう。

    海といえば晴れの日の絶景のイメージが強かったが、荒れた一面にもまた違った魅力があるんだなと感心。それと同時に、このように日ごとに表情を変える海と共に暮らす人々の存在を思うと、彼らのたくましさにも驚かされる。

    道の駅 しらぬか恋問館から見える太平洋
    デートスポットとしても知られる恋問海岸。
    浜に下りて歩くこともできるのだが、
    さすがに今日は誰もいなかった
    道の駅 しらぬか恋問館にいたコイタくんとメイカちゃん
    白糠のゆるキャラ「コイタくん」と「メイカちゃん」は
    この海岸で出会い、恋に落ちたという。
    町の婚姻届のデザインにも採用されている名カップル

    さらにここには特筆すべき施設として、サウナまで完備されている。温泉がないことが惜しまれるものの、好きな人にとってはたまらないはず。
    総じて長旅の気分転換・リフレッシュにもってこいの道の駅だった。晴れている時にも再訪したい!


    12:15 白糠町で昼食

    事前に考えていた計画では、道の駅で昼食を済ませた後にさらなる絶景を求めて厚岸あっけしへ向かうことになっていた。しかしいつまでたっても雨が止まないし、道の駅のフードコートも混んでいるので、予定を変えて白糠市街へ行ってみた。

    実は、これより西の国道38号を走るのは初めてである。相変わらずの霧の中、原野を進むと庶路しょろ地区に入り、突如として高くそびえる真新しい避難タワーに太平洋側ならではの海に対する緊張感が感じられる。
    奇しくも完成直後の7月末にカムチャツカ半島沖の地震を発端とする津波警報が発令され、町民内覧会を前に早くも避難所として活躍したという。今回は幸いにも大きな被害にはならなかったものの、やはり事前の備えは大切なんだなと、外野ながら思ったものだ。

    そして道の駅から10分ほどで、「レストランはまなす」に到着。全面に足場が組まれていたので面食らったが、どうやら外装だけの工事のようだ。創業およそ60年、ツーリングマップルにも載る人気店ゆえ先客はたくさんおり、3組ほど待っている人もいた。

    レストランはまなすの工事中の外観
    外観はこんな感じだが、中は平常運転

    落ち着いた雰囲気の店内。品揃えは洋食がメインで、店内やHPを見ていると地元の素材へのこだわりが伝わってくる。かねてより釧路方面に来たらスパカツを食べたいと思っていたので、まさに絶好の機会!

    混んでいるためか提供まではややしばらくの時間を要したが、サクサクのカツとミートソースは相性抜群。最後まで熱々の鉄板スタミナ料理は、年間を通して低温がちな漁師町にはぴったりで、なかなかの大ボリュームながらペロリと食べられてしまう逸品だった。

    レストランはまなすのカツミート・スパの写真
    ここでのメニュー名は「カツミート・スパ」。
    ちょこんと乗ったグリンピースが良い味を出している

    なるほど、これは長年愛されるのも頷ける味だ。白糠にまた訪れることがあれば、是非ともリピートしたいものである。


    13:35 白糠駅前を散策

    よし、満腹!
    これで今日の目的はほぼ達成したので、あとは夕食までゆっくりするのみ。雨も多少落ち着いてきたことだし、腹ごなしに市街地を歩いてみよう。

    立派なサツドラの角を曲がると、そこは駅前通り。人口は7,000人ほどとそれなりに大きな町だが、人っ子ひとり見られないのは雨の日曜日ゆえだろうか。国道から駅までは100m余りで、気軽に歩ける距離ながら街角は一気にローカル感あふれる空気になっていく。

    雨の白糠駅
    駅舎は平屋建て。
    この形にも時代を感じ始めてきた今日この頃

    白糠駅は町内にある3つの駅の中で最大の規模を持ち、国鉄時代はここから山へ入っていく白糠線も分岐していた。炭鉱の閉山とマイカーの普及によりそちらはわずか19年で廃線になってしまったものの、根室本線としては今なお現役であり、駅前にあるホテルと広い駐車場がいかにも田舎の拠点といった感じ。

    白糠駅の待合室
    造りはシンプルだが、
    みどりの窓口やバスターミナルの機能も備えている

    待合室のポスターに目をやると、2028(令和10)年にかけて駅および周辺の再開発が行われるらしい。となると、この光景が見られるのもあと少しということか。きれいで使いやすくなるのは喜ばしいけれども、今の姿もまた味わい深いから、新しくなる前に記録に残せて良かったと思う。

    白糠駅前の写真
    駅を出たところで一枚。
    すぐ先に国道38号が見える

    それから商店街の方にも足を向けてみると、「ロンドン・アベニュー」と書かれた看板を見つけた。なぜ急にロンドンが出てきたのかさっぱり分からなかったが、これは「ハミングロード」という広告景観優良地区の一部らしく、ロンドンだけに留まらない洋風建築が長く軒を連ねているようだ。

    白糠町のロンドン・アベニュー
    この目で本家イギリスの景色を見たことはないので
    似ているかと言われると困ってしまうが⋯
    これが白糠町自慢のロンドン・アベニュー

    このことは、今の今まで全く知らなかった。国道からちょっと入るだけでもこうした発見があるから、よその町を歩くのは面白い。今日はどの店屋も閉まっていたものの、月曜日になればこの通りにも活気があふれるのだろうか。
    もっと色々探検してみたい気持ちもあるけれども、さすがに寒いし今日は1区画だけで終わりとしよう。

    道道314号の横を゙向いたヘキサ
    国道との交点近くにあったヘキサ君。
    写真だと分かりにくいが真横を向いてしまっていて、
    肝心の道道から見えないという悲しい存在

    15:45 弟子屈町でひと休み〜夕食

    夕食は父の希望により、網走に戻る途中にある弟子屈町てしかがちょうのラーメンに決定。ご飯の時間はまだまだだが、寝不足のせいで眠くてたまらないので、とりあえずそこまで進んで休みたい。

    再び釧路方面へ東進すると、霧が前よりずっと濃くなっていた。視界は100m、時には50mほどにまでなる中、お構いなしで爆走する地元民の目はどうなっているのだろう?
    バイパスを抜けて道東道に入る頃にはわりかしマシにはなったものの、雨は相変わらず。標茶町しべちゃちょうの車窓に広がる釧路湿原も、いつにも増してしっとりしているようだった。

    原野は次第に牧草地へと変わり、やがて温泉と巨大なカルデラ湖で有名な弟子屈町にたどり着く。道の駅「摩周ましゅう温泉」は街中にありながら緑と川に挟まれていて、屋外で風を感じられる足湯はリラックス効果抜群!賑わっていない時を見たことがないくらい、いつでも大人気の場所である。

    道の駅 摩周温泉の外観写真
    弟子屈は5方向からの国道が集結する交通の要衝ゆえ、
    ひっきりなしに車が出入りしている。
    それと、ようやく雨が上がった

    入口は真ん中だが施設は左右に分かれており、右側が農産物や軽食・アイスなどが集う売店、左側が観光案内所とギャラリーという構成。さらに裏や周辺には親水公園まであり、多様な楽しみ方ができるのが魅力だ。
    この時はギャラリーで弟子屈町の風景を題材にした写真展が行われていて、どれも力作ぞろいで結構真剣に見入ってしまった。私もあんな写真が撮れるようになりたいな、なんて思いつつ、のんびり休憩して夕飯時になるのを待つことに。

    道の駅 摩周温泉の観光案内所の写真
    ここが観光案内所。
    天井が高く、とても広々とした空間

    写真の右側に写る白いイスに腰掛けると、自分でも思った以上に疲れがどっと出て、すっかり眠りこけてしまった。ここ、結構居心地良いんだなあ⋯。

    そうこうしているうちに時刻は17時を回り、よっこいしょと腰を上げて本日最後の目的地「弟子屈ラーメン 弟子屈総本店」へ。
    札幌に始まり北広島や新千歳空港、果ては本州にまで店舗を構える超人気店で、いつ行っても待たなければならないほど混み合うという話をよく聞く(実際私も、以前友人とここに入ろうとしたが待ち時間が長すぎて泣く泣く諦めたことがあった)が、今日はなんとすぐに入ることができた。これはラッキー!

    弟子屈ラーメン 弟子屈総本店の外観写真
    全国にその名を轟かせる弟子屈ラーメン。
    その源流の地となれば、やはりみんな行きたくなるもの

    店構えは、ラーメン屋の中では少し大きめといったくらい。この時はゆとりを感じられるほどであったが、日頃からこの地域に押し寄せる観光客の数を鑑みると行列になるのもやむなしといったところか。

    弟子屈ラーメン 弟子屈総本店の弟子屈醤油ラーメン
    味は醤油だけでも色々あったが、
    今回はオーソドックスな「弟子屈醤油」にした

    そして肝心要のラーメンはとてもシンプル。すっきりとした醤油スープとつるつるの細麺という、釧路地方では伝統的な組み合わせの中に、素材の良さや丁寧さが光る。

    あっさりながら土台の旨味がしっかりしていて、食べごたえのあるチャーシューもまた嬉しいアクセントになっており、疲れた身体にじんわりと染みわたってゆく。ここに来たのは初めてだったのだが、この感じだと他の味もまず間違いはないだろう。
    このためなら長い時間をかけて待ちたくなる気持ちも分かる、まさしくこだわりの一杯だった。


    17:45 帰路へ

    温かいラーメンに心も体も満たされ、ホクホク顔で弟子屈を後にする。駐車場から国道に出ようと車が途切れるのを待っていると、タンクトップ姿で大きな荷物を背負って歩くワイルドな男性が目についた。
    これから夜になるというのに、街から離れてどこに向かうのだろうか。まるで映画のランボーのような風体も相まって、どこか異質で気になって仕方ない。

    さらに驚くことに、この人は翌日のこれまた夕暮れ時、ここから70km以上離れた網走と女満別めまんべつの間を歩いていたのである。色々ツッコミどころが多すぎて理解が追いつかないが、いったい彼は何者だったんだ⋯?

    閑話休題。
    気を取り直して、あとは網走まで一直線だ。川湯温泉を過ぎて野上のがみ峠を越えるとオホーツク管内小清水町こしみずちょうに入り、先ほどまでの悪天候が嘘のように太陽が顔を出してきた。
    山の向こうとは気候も異なり、辺りには畑が目立つようになる。この風景を見ると、帰ってきたなという実感が湧いてくる。

    夕暮れの網走市 国道244号
    夕日を望みながら、網走の海岸線に入ったところ。
    見慣れたオホーツク海に郷愁を感じる(父撮影)

    家に着いたのは19時。いつもはこれくらいの近場なら日帰りで行ってしまうので、これだけ楽しんだのにこんな早い時間に帰ってきたのが何だか不思議な感じだ。おかげで普段のドライブよりもゆっくり過ごすことができ、心なしか運転の疲れも早く取れた気がした。

    そして何より、こうして家族揃ってお出かけをして、また一つ思い出が増えたことが最も嬉しかった。父も今日は最高だったと振り返っていて、母と2人で企画したこの旅は、名実ともに大成功!
    これからも積極的に色々な所へ足を運んでいこうと誓い、今まで以上に結束を強める私たち一家であった。


    今回は以上になります。
    最後までお読みいただきありがとうございました。
    北海道を拠点に旅や温泉の記録などを書いておりますので、よろしければこちらもご覧いただけると幸いです。

     
     
     
    生まれた時から旅と地図(特に交通関連・道の駅)をこよなく愛する22歳。 北海道・オホーツクを拠点に、体験や気になったことなどを気の向くままに書いていきます。

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