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【温泉探訪記#6】天空の楽園で、神秘の風景に酔いしれる「ニュー阿寒ホテル」(北海道 釧路市)

    坂田次郎吉

    釧路北部の山あいにある阿寒湖あかんこは、火山活動で生まれたカルデラ湖。その畔に広がる温泉街はアイヌ文化とマリモで全国的な知名度を誇り、知床に並び海外からの観光客も後を絶たない。

    そんな時流に合わせてかさまざまなスタイルの宿が並び目移りしてしまうが、その中でも特にポピュラーな存在といえるのが、この度取り上げる「ニュー阿寒ホテル」だ。

    友人や同僚からも行ってきたという話をよく聞く当ホテルの目玉は、なんと言っても屋上に広がる天空ガーデンスパ。
    まるで湖と一体になっているかのような抜群のロケーションの中で過ごす時間は、まさに至高の贅沢!

    これまで書いてきた『温泉探訪記』シリーズの記事はスケジュールの都合により日帰り入浴ばかりだったが、今回は念願の泊まりで利用してきたので、客室や食事も併せてお伝えしよう。


    外観〜チェックイン

    訪問日時:2025年6月14日(土)15時30分

    ニュー阿寒ホテルは国道240号から湖側に一段下った先、民芸品店などが並ぶ風情ある通りを抜けて温泉街の東半分に差し掛かろうかという所にある。
    遠くからでも存在感を放つメイン施設「シャングリラ館」は9階建て、お風呂はその最上階にあるというから、この時点で眺めの良さが約束されているようだ。

    ニュー阿寒ホテルの外観写真
    入口からだと全景が写らなかったので、裏の湖畔から一枚。
    特徴的なガラス張りの所はレストラン

    ちょうどチェックインが集中する時間のためか結構混み合っていて、訪れる車はみな入口で荷物と同乗者を降ろしたのち、少し離れた第2駐車場に停めて送迎バスでホテルに戻るという段取りとなっていた。

    しかし私がその説明を受けているタイミングで背後から車が出ていき、係員さんが
    「後ろ空いた!今なら入れますよ!」
    というのですかさずそこに入り、奇跡的に入口のすぐ近くに車を置くことができた。機転の効いた対応に感謝である。

    そうして館内に足を踏み入れると、圧巻の広さを持つロビーがお出迎え。ロビー全体が吹き抜けになっているような造りで、縦方向にどこまでも延びていく開放感は、他ではなかなか味わえるものではない。

    ニュー阿寒ホテルのフロントとエレベーターの写真
    3機がひっきりなしに動くエレベーターもガラス張り。
    この光景、カッコ良すぎる⋯(翌朝撮影)

    フロントの向かいにはドリンクコーナーがあり、コーヒーやソフトドリンクに加え、阿寒湖名物「まりもようかん」のサービスも。爪楊枝を刺すとたちまち中身が出てくるのが楽しく、高いエンタメ性と共に入浴前の糖分補給にもぴったりの嬉しい存在だ。

    ニュー阿寒ホテルの1階に置いてあるまりもようかんの写真
    私はコーヒー味をチョイスしたが、
    何も書かれていない右側は何味なのだろう?

    客室(8F和室)

    受付を済ませたら、さっそく部屋に行ってみよう。今回取った部屋は8階の湖側、エレベーターから次第に小さくなっていく下界を見ていると、間もなくお目にかかれる絶景への期待がいっそう高まってきた。

    室内は昔ながらのホテルの和室といった感じで、最大で5人まで泊まることが可能。正直なところ特筆すべき設備などはないものの、結局こういうシンプルな空間が一番落ち着いたりする。

    ニュー阿寒ホテル8階の和室の写真
    以前、当ホテルには高校の宿泊研修でも
    お世話になったことがあるのだが、
    実際に5人で寝てみると結構ギチギチだった記憶がある⋯

    そして、奥の窓からついに阿寒湖とご対面!
    高所のため遠くまで広く見渡すことができ、カントリーサインにも描かれる名峰・雄阿寒岳おあかんだけももちろんバッチリ見える。まだ着いたばかりだというのに、早くも息をのむ大自然に圧倒された。

    ニュー阿寒ホテル8階から見える阿寒湖と雄阿寒岳の写真
    深い森の中に街があることがよく分かる眺め。
    たびたび発着する遊覧船も、実に絵になる

    ちなみに、少なくとも私が探した範囲には空調のリモコンはなく、室温の調整は壁にある小さなダイヤルから行う。なぜか風量が「S・M・L」とハンバーガー屋のポテトみたいな表記になっていることも含め、ここは少し独特な点だろうか。


    入浴(1回目)

    それでは、いよいよ本命のお風呂に参ろうではないか。温泉は9階にあり、屋上の天空ガーデンスパは脱衣所の奥に用意されている湯浴み着、あるいは持参の水着を着て、そこからさらに階段を上っていくとたどり着ける。

    なお日帰り入浴は大人1,300円と少し高い気もするが、これから入る天空ガーデンスパも込みと考えれば納得のお値段と言えよう。

    先ほどまで湖畔や街の散策に興じていたため、時刻はもう17時半。暗くなってしまっては元も子もないと思って先に屋上へ向かうことにしたのだが、その判断は大正解!
    傾き始めた太陽が次第に空を染めていき、まさに下の写真のような幻想的な風景が広がっていた。

    ニュー阿寒ホテルの夕方の天空ガーデンスパの写真
    温泉 | 北海道阿寒湖温泉・ニュー阿寒ホテル 公式サイト
    より引用

    沈みゆく夕日が何より美しいのはもちろん、東を向くとあの雄阿寒岳がオレンジ色に照らされていて、その姿には神々しささえ感じる。遮るものが全くない抜群の開放感も相まって、部屋から見るのとはまた異なる表情を見せてくれるからたまらない。

    そしてここ一番の楽しみが、お風呂と湖の水面が繋がっているような極限の一体感!際からの眺めも良いけれども、あまり寄ると屋根などが見えてしまうので、写真の女性たちがいる辺りが特にオススメ。

    そんな天空ガーデンスパ、巷でも大変な評判だからさぞ混んでいるかなと思っていたが意外とそうでもなく、人々は広大な浴槽にぽつぽつと散らばりつつ各々の時間に浸っているようだった。
    混浴なので、カップルや家族連れも揃って一緒にいられるのが普通の温泉と違うところ。お湯はぬるめで、ずっと入っていられるのも良い。
    (追記:水温は時季によって変わる模様。10月に再訪した時は、しっかり温かかった)

    確かにこれは、大切な人と静かに幸せを噛みしめるには最高の場所と言っていいだろう。私も、一緒に来た両親と親子水入らずで羽をのばして満喫した。

    ニュー阿寒ホテルの湯上がりラウンジの写真
    湯上がりは水分補給を忘れずに。
    このドリンクバーも無料なのが非常にありがたい

    夕食ビュッフェ

    刻々と変わる景色はいつまでも見ていたかったが、日が山に隠れるのを見届けたところで一旦ひと区切りとして、続いては夕食だ。

    外からも目を引いた1階のビュッフェ会場「フェリシェ」は湖側が一面ガラスで覆われており、19時を回った今では眺望は望めないけれども、これまた非常に広々とした空間である。
    こちらは相当な賑わいで、席はたくさん用意されているものの、3人で座れる所を探すのには少々の時間を要した。

    ニュー阿寒ホテルのビュッフェ会場「フェリシェ」の案内図
    入口にあった案内図。
    客席は左上あたり
    ニュー阿寒ホテルのビュッフェ会場「フェリシェ」内の写真
    お盆を持ったら、いざ出発!
    さて何から取りに行こう?

    大型ホテルだけあってメニューは幅広く、どれも美味しそうで目移りしてしまう。ごはんの盛り付けを専用のマシーンが担っていたのが印象的で、珍しい光景に初っ端からワクワクさせてくれる。

    ドリンクバーもタッチパネルであり、またインバウンドの観光客に対応するためか外国人のスタッフさんが多いため、伝統的なビュッフェスタイルながら先進さとグローバルさが感じられた。

    ニュー阿寒ホテルの夕食ビュッフェの写真
    まずはごはんと定番のおかずでスタート

    目についたものを片っ端から取っていたら随分わんぱくな食卓になってしまったけれども、中でも個人的に注目したのは、道民のソウルフードたるザンギ(厳密には違いがあるとされているが、要は鶏の唐揚げのこと)。
    ベーシックな醤油味とオホーツク海の素材を使った塩味の2種類があって、こうして好きに食べ比べられるのは嬉しい。

    もちろんそれ以外も外れのない美味しさで、最初にこれだけ持ってきたにも関わらず、次は何を食べようかとばかり考えてしまうほど。
    昔より食べる量が減った両親までもどんどん2周目に入っていくとは、すごい食欲のかき立てられようだ。

    ニュー阿寒ホテルの夕食ビュッフェのジンギスカンの写真
    自分で具材を選んで作れる鍋コーナーもあり、
    その中にはジンギスカンまで!

    その後も刺身やお寿司などにも舌鼓を打ったり、慣れないのセルフでのソフトクリーム作りに悪戦苦闘したりと、ラストオーダーとなる20時半まで時間いっぱい楽しみ尽くした我々。家族揃って大満足で、お風呂に並びこちらも良い思い出となった。

    ニュー阿寒ホテルのビュッフェ会場「フェリシェ」の閉店間際の写真
    20時を過ぎると、あれだけいた人もまばらに。
    夜の照明も落ち着いていてキレイだった
    ニュー阿寒ホテルの売店にあったマリモの写真
    食事とは関係ないが、
    部屋に戻る前に売店で見つけたやつ。
    自宅にマリモというのもちょっと面白いかも

    入浴(2回目)

    ここで浴衣に着替えてしばしの間ゆっくりしたのち、今度は屋内の大浴場と分析書を見ていこうということで、再びお風呂へ向かう。

    ⋯とその前に、夜の天空ガーデンスパも気になるのでまずそちらから。
    屋上は意外なほど明かりが少なく、近くにいる人の顔も目を凝らさないと見えないくらいであったが、そのぶん夜の空気を存分に堪能できる。

    阿寒湖は全方位を山に囲まれているから星がよりクリアに見え、静けさも合わさって没入感はかなりのもの。写真のように床が光っている所もあり、夕暮れ時ともまた異なるロマンチックな空間となっていた。

    ニュー阿寒ホテルの夜の天空ガーデンスパの写真
    温泉 | 北海道阿寒湖温泉・ニュー阿寒ホテル 公式サイト
    より引用

    ただ先ほども感じたのだが、お湯からひとたび上がると濡れた湯浴み着が風で冷やされてとにかく寒い!
    夜はそれが特に顕著であり、脱衣所に戻っていく誰もが思わず急ぎ足になるので、足元には十分注意したいところ。

    そこでようやく、お待ちかねの内湯の登場である。火山地帯だから珍しい泉質だったりするのかなと思ったが、意外にもここはオーソドックスな単純温泉(低張性中性高温泉)。
    刺激が少なく誰でも安心してゆったり入ることができ、成分の内訳を見ると炭酸水素イオンやメタけい酸の割合が多いため、肌をきれいにする効果も期待できそうだ。

    大浴場のドアを開けるとまず上層には洗い場が並んでいて、お風呂は少し下ったところにある。ここももちろんガラス張りで、岩風呂をモチーフとした浴槽との組み合わせは旅情を感じるのにぴったり。
    屋内ながら外気に触れられる半露天風呂やサウナもあり、色々なスタイルでじっくりと温まることができる。

    ニュー阿寒ホテルの大浴場(男湯)の写真
    温泉 | 北海道阿寒湖温泉・ニュー阿寒ホテル 公式サイト
    より引用

    さらに嬉しいのが、サウナ横にレモンウォーターを飲めるコーナーが設置されていること。脱衣所に水飲み場がある所は割とあるものの、大浴場内で直接水分補給ができるのは結構珍しいのではないだろうか。

    こうして屋上で冷えた体もすっかり温まり、9階のラウンジで余韻に浸っていると、ドリンクバーが終了する瞬間を目の当たりにした。もう23時か、楽しい時間が経つのは早いなあ⋯。
    非日常の空間に身を置いているとつい夜ふかししたくなるが、今日はこれにて床につくとしよう。ベッドではなく畳と布団というのも、味わいがあって良いものだ。


    2日目開始〜チェックアウト

    そして迎えた6月15日。
    天気は一転して雨となり、昨日の絶景が嘘のように何も見えなくなっていた。これもまた自然の営みの一つの姿ではあるけれども、本音としてはやはりパッとしないな⋯。
    この景色を見ると、昨日のうちに全力で楽しんでおいて良かったと心から思う。

    ニュー阿寒ホテルの客室からの眺め(雨天)
    来た時の写真とおおよそ同じ画角から。
    奥にそびえる雄阿寒岳もすっかり消えてしまったよう

    しかしそれより気になったのが部屋の暑さであり、本格的な夏はまだだというのに全然眠れなかった。来た時からずっと空調は「L」にして温度も下げていたはずだが、やはり何かを見落としていたのか?

    まあ何はともあれ、まずは腹ごしらえをしなければ始まらない。朝食も昨晩と同じく1階レストランでのビュッフェとなっており、抜群の明るさと活気を前に、悪天候ながら気分は上々!
    普段は朝はあまり食べない方なのだが、こういう場だとつい色々手をのばしてしまう。

    ニュー阿寒ホテルのビュッフェ会場「フェリシェ」の朝の写真
    ニュー阿寒ホテルの朝食ビュッフェの写真
    朝のメニューのラインナップも充実。
    盛り方が微妙で申し訳ないが、
    王道のおかずを一通り楽しんだ

    しっかり食べて眠気を吹き飛ばしたら、荷物をまとめつつ今後の旅程を再確認(その一部始終についても後日記事を書きたいと思うので、お楽しみに!)。
    また余談だが、帰り際に入った1階のトイレは入り口の壁がなぜか鏡張りになっているため、方向感覚を失わないように気をつけるべし。

    そして10時、名残惜しいもののチェックアウトの時間だ。今回かかった金額は3人で約48,000円(1人あたり約16,000円)と、著名な観光地としてはそれなり。
    近場にも関わらず家族で訪れるのは初めてだったが、満場一致でまた行きたいとのことで、今度は気軽に日帰り入浴というのもありだろう。

    以上のように、豊かな自然に抱かれながら上質な空間で過ごす贅沢なひとときには、誰もが癒やされご機嫌になれること請け合い。道東を旅する機会には、ぜひこのニュー阿寒ホテルの温泉に立ち寄ってみてはいかがだろうか。


    今回は以上になります。
    最後までお読みいただきありがとうございました。
    北海道を拠点に旅や温泉の記録などを書いておりますので、よろしければこちらもご覧いただけると幸いです。

     
     
     
    生まれた時から旅と地図(特に交通関連・道の駅)をこよなく愛する22歳。 北海道・オホーツクを拠点に、体験や気になったことなどを気の向くままに書いていきます。

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