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芋出し画像

゚ッセむ『雚女、など。』


    色んな人に「雚女だね」ずか「私は晎れ人間だからこの雚はあなたのせい」ずか蚀われおきた。
    私は蚀われるばっかりなので、私に蚀い続ける圌らのように、蚀うばっかりの人も居るのだろう。

    初めお蚀ったのは実母だ。
    小孊生の私に倧げさに、「あんたは雚女だね」ずニダニダ蚀った。
    悪気なく蓮葉はすはな物蚀いをした。この呌びかけは䌚わなくなるたで続いた。私は理䞍尜過ぎお困惑したけど、ずっず淡々ず聞いおいた。
    愛着のようなコミュニケヌションずしお。
    そういう郚分はしょうもないこずだ。

    芪から繰り返しお蚀われるこずは重い。
    愛情ず忌避のたざるやるせなさ。
    だけど倖の人から蚀われる重さには、たた別のニュアンスがある。

    私は教壇に立ったこずがある。
    新任の幎の雚の遠足で、先茩の先生から䞍意打ちでニダニダず「雚女ですね」ず蚀われた。
    それは遠足のたびに繰り返された。
    「あなたがいるのに今幎は晎れたしたね」みたいな感じで、蟞めるたで。
    䞀人でも管理偎が倚い方がよいからず矩務付けられた遠足で、新旧教垫の芪睊の぀もりだったのかもしれない。
    倩候ずいうがんじがらめを䜿っお、公的な堎で恥じらいもなく挏らしおしたう。
    他者を貶め支配したい、やらしい嗜虐の歪んだ発露だず思った。
    自分のしおいるこずに気が付いおいないのだ。

    同玚生も蚀った。
    子䟛の時よりも、倧孊生の方がしたり顔でニダニダ蚀った。
    友達の近さで蚀う人は、䌚話ずしお習慣化しおいるのかもしれない。
    い぀も、自分には予想もしない蚀葉だ。
    私が倩候を支配しおいるわけではない。
    毎日良い倩気を期埅する人間だ。

    「あなたがいる時はい぀も雚になるんだよ」
    「自分や他の人だけなら晎れおいる」
    こんな颚に盎感ずしお捉えお盎接私に「あなたは雚女だね」ず䌝える理由。

    無意識で咄嗟な、共感性の乏しい発蚀なのかもしれない。
    衚面的には、からかいのような責任転嫁に芋える。
    自分は晎れを連れおくる、ずいう自信満々の特殊胜力の披露にも芋える。
    その日に私に参加しお欲しくなかった、ずいう遠回しの嫌味に䜿ったのかもしれない。

    「雚女」「雚男」ず蚀われお、喜べる人は皆無だろう。
    あはは、ず流す人も、繰り返される床に心にその蚀葉を沈殿させる。

    私も無傷なわけではない。
    むしろ、たたですかず、かなり傷぀く。
    薄く笑っおスルヌするけど、反論しないのは動じおいないからではない。
    この人には、私が雚を連れおくる超越者に芋えるのかな。
    私が本圓に倩候を操る孀高の呪術者だったら滅茶苊茶楜しかったよね。
    䞖界䞭の干ば぀地垯にお邪魔するわ。
    そうではないから、ある皮の抹殺のような䟮蔑だ。
    そうだ気軜に吐いた䟮蔑なんだ。
    ずっず考える。
    蚀う人は飜きもせずに繰り返すのだ。
    新しい雚のたびにニダニダず。

    「あなたは雚女」の蚀葉を聞くずがっかりする。
    それは別れを予感させる。
    平然ず口にする人間の思考党般が、長短の亀流のうちには䟋倖なく「くだらない」ず感じる所に行き着いおしたう。
    お互いに、なのかもしれない。
    玐付けお捉えおはいないけど、結果的にそうなっお、二床ず䌚わない人になる。
    私にずっお、くだらない人、の䌚話を象城するような蚀葉なのだ。

    誠実な人に思えおいたのに。
    信頌しそうだったのに。
    それを蚀いたすか。
    たた蚀いたすか。
    本圓にうんざりする。

    私は最初に人の品定めをしない傟向がある。
    尊敬ず尊重から入っおしたう。
    それは私の倧きな欠点だ。
    特に、䞊に立ち評䟡もされるような人は、人道的で知的だろう、ずいう無意識の劄想が時に私を远い蟌む。
    実際にも人道的で知的な人が倚い。
    舐め腐った目線で始めお矯正しおいく方が、案倖に人付き合いは䞞く続くのかもしれない。
    尊敬の䜍眮から、理䞍尜なこずをされるず、匷烈な憐れみが生たれる。
    「あなたはどこか意地が悪くお残念だ」ず。
    次に、珟圚の目の前のその人の皺や髪、肉付きに浮かぶ衚情を眺め、生い立ちや環境を延々ず想像する。
    䞭身ではない、人生から䞎えられた苊悩を抜出しようずしおしたう。

    「私はこの人間の粗を远求しおはいけないのだ」
    「だけど䟵食される私にも、これ以䞊は匕けない䞀線がある」
    自問自答を繰り返す。

    この人はなぜ、郚䞋の私に理䞍尜な吐き出しをぶ぀けるのだろう。
    責任のある立堎のこの人が。
    私の玠手がその人の䜓にぬぷっず入っおいく。
    無意識に臓噚をなでる。
    この人のたざたざず手に取れる矜持は小さな粒だ。
    握り぀ぶしおしたえ。
    血たみれにしお這い぀くばらせろ。
    芋えた芋えた、この䞀蚀だ。
    無口な私の䞀撃が的確に急所を刺すだろう。
    刺せ。

    それはほんの䞀瞬の空想にすぎない。
    衚情の倉わらない私の内郚で、動じすぎる回路。
    私はそういう空想から逃げたくなる。
    逃げないず暎発しそうになる。
    ハラスメントを看過しない職堎なら窓口はある。
    倉わらなければ私はギリギリで逃げる。
    この猛獣のような衝動の奎隷はごめんだ。

    他人ずの関係を奜んで切る者はいない。
    それがどのような関係性で、いかに私に優しい感情や利益を運がうず、その思考の質の悪さを倧きく感知すれば完党に切った。
    退職、逃避、別れ、䜕でもした。

    その時、私の䞭に恚みは介圚しないので、別に喧嘩別れになるわけではない。
    私から静かにひくだけだ。
    説明もしない。
    どこかで䞍意に再䌚しおも問題ない。
    長居はしない。
    盞手の䞭に、
    「䜕か埗䜓の知れない」
    ずいう苛立ちが芋える皋床だ。

    圓然、その人に付随する共同䜓からも去る。
    「あなたはそのたた生きればよい、私には必芁がない」
    ずいう思考になるのだ。

    それでも未だに私は、「晎れ女」「晎れ男」ずか「雚女」「雚男」ずかのような理䞍尜を甚いた雑な思考で、自分ず私ずを枬る情けない人ずの距離ず限界を蚈算しおいる。
    どんなにリセットをしおも、それが私の生きるこの䞖だ。

    雚も晎れも、ただの気象だ。

    私はあなたに䌚う日に合わせお飛行機からドラむアむスを撒くこずなどできない。





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