
雑記|生ごみが、消えた家
ちょっと不穏なタイトルになってしまった。でも、事件ではない。
実は、我が家のベランダに2ヶ月ほど前から、グレーの小洒落たフェルトバッグが静かに鎮座している。

パッと見は、とてもスマートな感じ。このまま肩にかけて下北沢のシェアオフィスに入っていっても、誰も止めないだろう。中にはMacBookとノートと仕事道具一式──と言われたら、
「でしょうね。」と頷いて、しまいませんか…?
小洒落たバッグの正体
雨の日も風の日も、静かにベランダに佇むこのバッグ。この中身は、実は我が家の生ごみ。そんなこと、時々ベランダに遊びにくるハトも知る由はない。こちらもあえて伝えてないけれど。
これは、バッグ型のコンポスト。この中でコンポスト(堆肥)を作っているのだ。
もう2ヶ月間、我が家の生ゴミを、このスタイリッシュな体に受け止め続けてくれている。4人家族の2ヶ月分の生ごみがこの中に収まっているとは、にわかに信じがたい。モデルって太らないって、本当ですね。一体全体、あんなに食べたのにどこに入ってるんだろう…

ちょっとふっくらしたかな..?
バッグの中には籾殻なのど基材が入っていて、生ごみはその中で分解されていく。2ヶ月くらい生ごみを投入し続けて、その後1ヶ月間そのまま熟成させる。すると、コンポスト(堆肥)になるというもの。

(この写真は生ごみを入れ始める前のもの)

「ゴミ」ではなくなった、「生ごみ」
私がコンポストバッグに入れる主な「生ごみ」のラインナップは、このような感じ。
・野菜クズ
・フルーツの皮(主に、バナナ、みかん、りんご どか…)
・卵の殻
・コーヒーの粉
・お茶っ葉
始めたのが秋口だったので、特にみかんの投入量が尋常ではない。娘たちが毎日消費する大量のみかんの皮、恐らく少なくとも200個分は入っている。バナナも週一房は消費するので、10束はくだらないと思う。

毎朝淹れるドリップコーヒーの粉も、水分を含むので結構侮れない。私が個人的に一番嬉しかったのは、卵の殻。卵の殻をビニール袋に入れて縛って、可燃ごみに出さなくても良い生活って、思ったよりずっと快適だった。


我が家の生ごみを、世に公開する日が来るとは思わなかった。
実際には、肉や魚もコンポストバッグに投入することは可能。ただ、匂いや虫の原因になるのではないかと、とりあえず投入は控えてみた。
しかしこれ、見方を変えれば「2ヶ月間生ごみをベランダに放置した」わけだけれど、虫が大量に発生することは結局なかった。(一度、小蝿を2、3匹見かけたけれど、いつの間にかいなくなっていた。)肌寒い時期に始めたのも、功を奏したのかもしれない。匂いも、驚くほど気にならない。
こうして、「生ごみ」は我が家では「ごみ」ではなくなってしまった。堆肥を作るための、立派な資源だ。
生ごみが「消える」理由
コンポスト生活を始める前、生ごみはバッグの中で「腐っていく」のかと想像していた。でも実際には、腐るというより、まずは水分が抜けて「干からびていく」というのに近い。
私たちが毎日、ビニール袋にしっかり縛って捨てている生ごみの大半(およそ90%)は、「水分」だという。
バッグの中で、生ゴミの水分が抜けて体積が減る。こんなシンプルなことが、「異次元に繋がってるのかな?」と思うくらい生ごみを吸い込んでしまえる理由だった。
「生ごみ」が可燃ごみとして焼却される時、CO₂を排出する。それが、大きな環境負荷につながる。生ごみの量を減らす生活が、どうしてエコに直結するのか。至ってシンプルな理由を、間近に眺めた。

コンポストを始めた理由と、これから
世の中にはインフルエンサーを生業にしている人たちもいるけれど、私にとって、なぜか妙にインフルエンスな人が身近にいる。
その人は、一緒にPodcastをやっているフランス人のMarilene(マリ)。
コンポスト生活も彼女が先に始めたのだけれど、その時の様子を以前のエピソードでご紹介している。彼女の話を聞いているうちに、「我も続こうぞ!」と、戦国武将のような気持ちで始めてしまった。
ちなみに、フランスでは2024年から生ゴミの堆肥化が義務付けられている。日本では自治体によって、コンポストの購入補助があったりする。しかしまだ知らない人も多いし、実際にコンポスト生活をしてみると「この先どうするんだろう」という素朴な疑問や不安に突き当たる。
というのが、「堆肥」の今後。堆肥を作るまでは良くても、私は家庭菜園もしていないし、庭付きの家に住んでいるわけでもない。
えっと、そうです。花も野菜も育てたことがないのに、堆肥を仕込んでるんです。ワイルドでしょ…?
そんな私も、ベランダでハーブを育ててみたい…なんて「丁寧な暮らし」のようなことに憧れたりする。でも、ベランダ一面ミント畑にしてもお釣りがくるくらいの堆肥が仕上がりそうだ。
そろそろ真剣に、我が家の可愛い「堆肥」の嫁ぎ先を考えなければならない。都内でも堆肥の回収会があったり、出来上がった堆肥を農家に送って、そこで作られた野菜を購入できる仕組みもあるらしい。でも、もう少し気軽に、生ごみと堆肥とその先がぐるっと巡る仕組みが増えてほしい。
そして、「生ごみ」の概念が、社会の中で徐々に変わっていけば良いな… なんて思う。
これからも、我が家のコンポスト生活、時々こうして報告していきたいと思います。コンポストの先輩がいたら、ぜひアドバイスもいただきたいです。
(おわり)
▼我が家で使っているLFCコンポスト。コンポスト生活中、LINEなどでも気軽に相談に乗ってくださる。いつもありがとうございます。