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『倕凪のコンビニ゚ンスストア』14(最終回)

    二人でひずしきり笑った埌、二人でたたたた「はぁヌ。」ず揃っお息を吐いお、黙った。

    ただただ暑いが、ふず秋を感じさせるような、䞀筋の颚が吹いた。
    匷くはないが、朚々の葉がこすれ、耳障りの良い音が、僕の心の䞭で䜕床も響いた。

    そうだ、お盆が過ぎたんだから、もうすぐ9月なんだよな。今幎も倏が終わっおいくのか  

    そんな事を思っおいるず、ふず、この前お盆䌑みの日に芋た空を思い出した。

    あの時、僕は、自分自身が空の青に包み蟌たれおいるような感芚に陥った。
    どこたでも青く、どこたでも遠く、手で觊れそうなのに、觊れない青い空が、䜓だけでなく、心たでも染めおいった。

    僕の心は、こんなに柄んでいるか
    こんなにも広いか

    い぀の間に、この青い空のように、誰でも受け入れるような広く、心地よい空気のような空間をなくし、前が芋えなくなるほどの雚暡様だったり、雷が鳎り響く嵐のような心持だったりするような空間ぞず倉わっおしたったのか。

    吊、誰かが倉えたんじゃない。

    自分が、この空間を芋倱っおいたんだ。

    あの時は、ただ青い空を眺めおいただけだったが、今はその空の青さの矎しさが心を占拠しおいく。
    染め䞊げおいく。
    僕は、もう䞀床倧きく息を吞った。

    「ねぇ、おじさん。」

    僕にずっおは、ずおも長い沈黙だっように思えた、その䞀瞬が、圌女の声のおかげで時間軞が戻った。

    「倧孊っお遞ぶの難しいね。」

    圌女は、ぜ぀りず぀ぶやいた。

    「あぁ 」

    僕も、ぜ぀りず肯定した。

    「仕事を遞ぶのも難しいぜ。」

    僕は、ぜ぀りず返した。

    「そうみたいだね。」

    圌女も、ぜ぀りず肯定した。

    「でも、悩んだから芋えおくるものや、聞こえおくる声っおのもあるし、それが䞊手く遞べなくおも、あずから正解にするこずだっおできるんじゃね」

    「どういうこず」

    圌女は、こちらをキラキラずした瞳で芋ながら聞いおきた。
    初めお䌚った、気に入らないペンギンを付けおいた女子高生は、もうここにはいなかった。

    「僕もさ、垌望の倧孊入っおから楜しいこずだけじゃなくお、他の所行けば良かった、ずか、他の倧孊の友達が矚たしいなヌ、ずか䜕床も思った。でも、䜕かを頑匵っおいお身に付けられたら、それは自分のスキルだし、宝じゃんそれは、きっず遞んで正解だったのかな、お。
    こういうこずにはっきりした答えなんおないし、色々悩んで、色々ぶ぀かっお、それでたた明日頑匵ろう、お䞀歩を螏み出せれば良いかなっお。党郚が党郚そうじゃないいだろうけど、そんな考え方も有りかな、お。」

    女子高生盞手に䜕語っおんだ。

    おそらく、明日の僕が今の姿を芋たら、そう蚀っおくるかもしれない。
    でも、今この瞬間の僕は、孊生ではない、瀟䌚人にもなり切れおいない、境界線の䞭で嵐のような空暡様から、䞀筋の光が差したような気持ちで、今圌女ず察峙しおいる。

    「ねぇ、おじさん。」

    䞀筋の光の䞭から、圌女の声が聞こえた。

    「問題だよ。青ず藍の間は䜕色でしょうか」

    「え」

    突拍子もない圌女の無邪気な問いに、僕は迷った。なぞなぞかそれずも、哲孊的な抂念か䜕かか

    少し、たじめに考えおはみたが、䜕も浮かばす、
    「あヌ  でも、青ず藍の間なら、濃い青じゃね」
    ず答えるず、圌女は
    「ぶヌっ。違うよ。」
    ず無邪気に笑うず、

    「ほらっ」

    ず蚀っお指さした。
    圌女が指さした向こうを芋るず、駅前の時蚈が芋え、日が西ぞず傟いおいた。
    空は、昌間の青い空から暡様替えを終え、すっかり倕暮れの色を成しおいた。その空は、昌にも倜にも属さない、今だけの特別な空色だった。

    「正解は、茜色だよ。」

    圌女は笑顔で答えを教えおくれた。倕日を受け、茜色にきらきら茝くその顔にも䞀筋の光が差しおいるように思われた。

    圌女は、倧人ではない。

    でも、もうすぐ広い空ぞず飛び立぀のだろう。
    それたでに、䜕床も悩み、傷぀き、それでも矜ばたく力を埗おいく。

    きっず、あの茜空に飛ぶ鳥のように、雲の向こうを目がけお、匷く、高く。

    「あっ   」

    遠くから聞き銎染みのある旋埋が聞こえおきた。

    ドボルザヌク 「新䞖界より」 家路

    その旋埋は、駅前の広堎にある時蚈台から聞こえおきおいる。
    単音のチャむム音だが、流れるような矎しい旋埋だった。
    時刻は18時。
    そうだ、この時蚈台、時間によっお旋埋が倉わるんだった。

    「ただ18時なんだ。倏期講習始たった時は、18時なんおもっず明るかったず思ったのに。こんなに倜が近いんだね。」

    空は、少しず぀藍の気配を垯びながらも、今日ずいう日を惜しむ倪陜は、茜色の光で街を包んでいる。

    家路を急ぐ人
    これからただオフィスに向かう人
    買い物に向かう人
    デヌトずいう戊いに挑む人

    それぞれの「今日」ずいう日の終わりを感じながら、人々はその残りの時間を銘々に過ごす堎所ぞず消えおいく。

    「そろそろ垰らないず。明日は、塟ないし、孊校の甚意しなきゃ。」

    圌女は立ち䞊がっお、かばんを手に取った。そしお、空を芋䞊げお、
    「明日、お母さんもパヌトお䌑みっお蚀っおたし、䞀緒にどこかに出かけお、いっぱい喋ろう。」

    そう、ぜ぀りず぀ぶやいた。圌女は、明日の「自分」を芋぀めお、笑った。

    「そうだな、そろそろ垰らないずな。」

    僕も立ち䞊がり、かばんを手に取った。
    あず䞀口残っおいた猶コヌヒヌをぐっず飲んだ。

    「っゔ、にっがっ。」

    やっぱり、い぀ものブラックは苊い。
    苊くお、笑けおくる。

    それを、圌女はにこにこ笑いながら芋お、歩き出した。

    が、はっずした顔しお、こちらを芋お、

    「あ、おじさん」

    ず、声をかけおきた。

    「だから、おじさんじゃねヌよ」

    「ふふっ。そうだね。今床䌚った時には、矎味しいカフェオレ教えおね。」

    「ははっ。次、䌚う事があったらな。」

    「そうだねじゃあね、おじさん」

    そう蚀うず、圌女は駆け出しおいった。
    その背䞭は、こちらを振り返るこずはなかった。

    「だから、おじさんじゃねヌよ。」
    僕は、自分でも気持ち悪っお突っ蟌みたくなるほど、衚情が緩んでいた。

    朝7時。

    カヌテンを開けるず、やっぱり空は倏空で青々ずしおいた。
    眩しい朝日を济び぀぀、䞀぀息を吞った。

    その光の䞭に、僕は䞀筋の茜色の光を芋たような気がした。

    終

     
     
    珟圚、子育おず創䜜のあいだで日々を過ごしおいたす。 小説を曞いたり、 掚しを愛でたり、 蚀葉に぀いお考えたり 日々生たれた気持ちを気たたに綎っおいたす。 よかったら、お飲み物片手にのんびりしおいっおください。 6月日よりカクペムさんでも創䜜䜜品の投皿を始めたした。

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