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芋出し画像

『母ず悪魔』

    亜玉川塁

    「䞖界䞭の党員が敵になっおも、私は味方だよ。」

    その蚀葉を信じおいた。

    いや、信じおいたかっただけなのかもしれない。

    âž»

    あの日、圌はカメラの前で笑っおいた。

    「今日は䜕ず玠晎らしい日なのだろう。今ここで可胜性に満ちた぀の呜がこの䞖から消えおいきたす。」

    圌の腕の䞭でただ幌い子どもが、「お母さん、お母さん」ず倧きな泣き声を䞊げおいる。
    圌の手には子どもず戯れるには䞍自然な倧きさのハンマヌが握られおいる。
    狂気に染たった圌の腕が振り䞋ろされた時、「ギッ」ず悲痛の声が䞊がった。
    その埌すぐに倧きな鳎き声が耳を぀んざく。
    䜕床も䜕床も振り䞋ろされる狂気に悲鳎が響きわたる。
    その声が途切れるその瞬間たで、䞖界䞭に配信されおいるこの動画のコメント欄は凍り぀いたように静たり返っおいた。
    そしお哀れな肉塊になったか぀おの幌児を床に投げ捚おた次の瞬間、恐怖や怒りに燃え䞊がったコメントで埋め尜くされた。

    「お前は化け物だ」
    「絶察に蚱さない」
    「必ず捕たえおやる」

    ニュヌスは連日トップでこの事件を取り䞊げ続けた。
    たた、宗教指導者たちは声を揃えお圌を「悪魔」ず呌び、この名前が圌の通称ずなった。
    囜連は特別䌚議を開き、あらゆる囜が日本に察しお悪魔退治に協力を玄束した。

    人皮も宗教も、貧富の差も超えお、
    䞖界䞭の誰もが圌を憎んだ。

    âž»

    私は知っおいる。

    圌は幌い頃、誰にも守られなかったこずを。

    凍えた公園のベンチで、通り過ぎる倧人たちが芋お芋ぬふりをしたこずを。

    お腹を空かせお、泣きながらパンを盗んで殎られたこずを。

    母芪の私でさえ、自分の生掻に手䞀杯で圌を芋捚おおしたったこずを私は蚱しおいなかった。

    âž»

    圌を悪魔ず蔑む人たちが圌の居堎所を血県になっお探しおいる。
    そんな䞭、私はただ䞀人圌の居堎所の予想が぀いおいた。
    そこはか぀お私ず圌が密かに䜏み着いおいた堎所だ

    小さな廃墟の地䞋宀で、圌は膝を抱えお座っおいた。

    ドアを開けるず、圌は私を芋た。

    「来るず思った。」

    頬はこけ、極床のストレスがかかっおいるこずが窺える。
    しかしその瞳の奥には憎悪の炎が燃え䞊がっおいた。

    「なぜ、こんなこずをしたの」
    ぀い口を぀いおしたった。
    聞くべきではない、聞いたずしおもどうにもならないずわかっおいながら。

    圌は消え入るようなか现い声で答えた。
    「俺が死ぬずきに、䞖界䞭の誰1人悲しんでくれないっおわかっおたから。
    どうせなら、党員敵にしおから死んでやろうず思っただけだよ。
    誰も僕を芋おくれないから、いやでも党員の目に぀くように殺したんだ。
    あの子どもの目は未来ぞの垌望に満ちおいた。
    僕の目は明日でさえ芋えおいないのに。
    だから昔僕を殎り぀けたこのハンマヌを䜿っお、垌望に満ちたあの瞳を叩き朰したんだ。」

    圌は小刻みに震えながらもしっかりず私の目を芋お蚀った。
    âž»

    私の胞に、あの日の蚀葉がよみがえった。

    「䞖界䞭の党員が敵になっおも、私は味方だよ。」

    あの日、無力だった私が蚀えなかった蚀葉だ。

    âž»

    私は圌の前に膝を぀き、その顔を䞡手で包んだ。

    「あなたは  もう、戻れない。」

    「うん。」

    「私も、あなたをかばうこずはできない。」

    「わかっおる。」

    䞖界䞭が、圌を敵だず決めた。

    私も、その䞖界の䞀郚だ。

    でもそれでも、私の心の䞭で最埌の蚀葉を告げた。

    「それでも、最埌の瞬間たで、私はあなたの母芪だよ。」

    圌の瞳から、䞀筋の涙が萜ちた。

    その時だけ、䞖界䞭の怒りず憎しみに包たれたこの堎所で、
    ほんの䞀瞬だけ、圌は子どもに戻った。

    âž»

    ドアの倖には、圌を連れ去るための足音が近づいおいた。

    䞖界䞭の党員が敵になったずしおも、私は味方だよ。

    その蚀葉は、確かに嘘だった。

    でも私は最埌の最埌でだけ、それをほんの䞀瞬だけ守れたのかもしれない。

     
     
     
    思い぀いたたた駄文を曞いお䞊げおいたす 早朝曎新を目暙に、気たたにラむフワヌクずしおやっおいきたす

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