🐾 第4話 『るぅくんのヒミツの夜』
――「みんなが寝てる間に、ちょっとだけ…」
夜。
ちくわくんと蘭丸がスヤスヤと寝息を立てる中、
るぅくんはそっと立ち上がり、月明かりの差す窓の方へ向かう。
「ちくわ、こけたとき、ちょっと足引きずってたにゃ…」
「バレんように、助けてあげたいにゃ…」
音を立てないようにそーっとドアを開け、森の中へ。
🌿🌕
夜の森は静かで、しんと冷たい。
でも、るぅくんの足取りは確かだった。
お月さまに照らされた道をまっすぐ進んでいく。

「このへんにあったはずにゃ…」
るぅくんが立ち止まったその足元には、
淡い光を放つ植物がそよそよと揺れていた。
「星のしずく草」
ふれると、ふわりと冷たくて、優しい香り。
「これで、ちくわの足、きっと楽になるにゃ」
そっとくわえて、帰路につくるぅくん。
誰にも気づかれないように、ふわふわの肉球で静かに戻っていった。
🌅 翌朝。
「ん〜〜、なんか足、ちょっと楽になった気がする〜!」
ちくわくんがぱたぱたと走り回る。
蘭丸はちらりとるぅくんを見る。
「…ふーん。あいつ、なんや知らんけど……やるやん」
るぅくんは、ふにゃっと笑っただけで、何も言わなかった。
――ヒミツの夜の出来事は、今朝の太陽とともに、
そっと風にとけていった。
