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東京“かわいい“アート生活4「書」

     昨年から書道を習い始めた。五十五の手習いだ。まともに筆を持ったのは小学生の時以来。ニ年生から六年生までの5年間、結構マジでやっていた。毎年夏には大会が開かれ、会場は何故か船で渡って行く島の小学校だった。夏の恒例行事だったので、今も夏になると思い出す。大会ではいつも特選に入れず準特選で終わっていたので、悔しい思いをしたものだった。
     その後、大学生の頃に“書ゼミ”という書道作品を作成するゼミに入ったが、その時はまともに書道として書いた記憶がなく、絵を描くような気持ちで作品を作っていたので、自分の中では書道をやっていた時期にカウントされていない。
     透明アクリル板にチューブから直接絵の具を出しながら篆書(てんしょ)*の文字を一文字書いて、もう一枚のアクリル板で挟んでみたり、畳一畳分ほどの大きさの紙に大きな文字を書きたかったけど、大筆を買うお金がなかったので、雑巾で書いてみたりした。篆書を選んだのは、ただ見た目が“かわいい“から。
     ということで、きちんと筆を持って姿勢を正して書をかくのは40年以上ぶりの感覚だ。

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    *篆書の例:出典_書道講座 第五巻 篆書(二玄社)

    漢字の五つの書体の中で最も古い書体
    現在は刻印などに使われることが多い

     書道教室に通うきっかけは、一昨年に亡くなった母がずっと続けていた書道、その道具を実家から持ち帰ってきたことだ。ちょうど何か没頭できるような趣味を見つけたいと思っていたところだったので、近くの書道教室を探してみた。子供が多い教室に行くのは何となく気が引けていたところ、近所のコミュニティセンターの掲示板で、新しく書道教室が開講されるという張り紙を見つけ、そこに通うことにした。
     私より10歳くらい若い、大らかな先生の元、基本を押さえつつ、自由に書かせてもらっている。教室に来る人の年齢は、70代から小学生まで幅広い。筆で文字を書くことは、気持ちが集中できて、とても心地よい。
     何より嬉しいのは、“自分、意外と上手いやん!”と思えたこと。大河ドラマ「光る君へ」に影響を受けて、初めて仮名文字を書いてみたが、思いのほか上手に書けた。先生のお手本の真似をしているだけだが、結構サマになっていると思う。

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    右)和歌 百人一首より
    「あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の
    ながながし夜を ひとりかも寝む」

     大人になるとあまり褒められることがなくなるが、先生は褒めてくれるし、自分で自分を褒めたくなる出来栄えだ。これから少しずつ、お手本の真似だけでない、自分なりの表現で作品を作っていこうと思う。

     みんな大人になったら、自分で自分を褒めるクセをつけよう!どんな些細なことでも良いので、褒めポイントを見つけたら盛大に自画自賛しよう!それが幸せに生きるコツだ。

     高校生の頃、当時女子高生達の間で評判になっていた占い師の所へ行き、美大に進んで良いか聞いてみたら、絵も向いてるけど書も向いていると言われたことを、ふと思い出した。
     長く楽しめる趣味になりそうだ。

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    ウン十年ぶりの書初め


     
     
    アートの力を少し借りて日常をご機嫌に過ごそう! そんな気持ちでエッセイを書いています。 美術館周辺のカフェを探して、コーヒー/お菓子/アートをセットで楽しむことが好きです。 #対話型アート鑑賞 AMCアドバンスドコーチ #マーケティングリサーチ インタビューモデレーター

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